第2339回 2017-18 フランスサッカーフィナーレ

 7年前の東日本大震災、一昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■あまりも強すぎたパリサンジェルマン、フランスカップ4連覇

 マルセイユがリヨンで行われたヨーロッパリーグ決勝でスペインのアトレチコ・マドリッドに敗れ、フランスのサッカーファンの関心は一気にワールドカップに向かったが、本連載では例年通りフランス国内のサッカーのシーズン終盤を紹介する。
 まず、3月31日にリーグカップ、4月15日にフランスリーグと早々と二冠を獲得したパリサンジェルマンは最後のタイトルとして5月8日のフランスカップの決勝に臨んだ。本連載で取り上げてきたとおり、3部に相当するナショナルリーグのレゼルビエが決勝に進出した。ナショナルリーグ勢の決勝進出は2012年のクビリー以来4回目のことである。これまでナショナルリーグ勢は決勝で敗れ続けており、無敵のパリサンジェルマン相手に奇跡を期待するファンでスタッド・ド・フランスに集まる。ベストメンバーをそろえたパリサンジェルマンが終始優勢に試合を進める。パリサンジェルマンが一方的にシュートを放ち続けるが、なかなか枠に飛ばない。しかし、先制点は26分にジョバニ・ロセルソが決める。その後もパリサンジェルマンの時間が続くが、2点目がなかなか入らない。多くのファンはレゼルビエの1点を期待したが、パリサンジェルマンは73分にPKを得て、エディンソン・カバーニが決めて2-0とする。これがファイナルスコアとなり、パリサンジェルマンはフランスカップ4連覇を飾ったのである。三冠を獲得したがリーグカップでも5連覇とカップ戦で無類の強さを誇る。来季こそ悲願の欧州制覇を期待したいところである。

■最終節までもつれ込んだチャンピオンズリーグ出場権争い

 その強すぎるパリサンジェルマンに次ぐ2位争いは最終節までもつれ込んだ。マルセイユがアトレチコ・マドリッドに敗れた3日後の19日に最終節が行われた。この時点で2位はモナコ(勝ち点77)、3位はリヨン(75)、4位がマルセイユ(74)である。次年度の欧州カップの出場権を確認すると2位と3位はチャンピオンズリーグのグループリーグに出場、4位はヨーロッパリーグのグループリーグに出場となる。なお、パリサンジェルマンが国内カップ戦を独占したため、5位チームがヨーロッパリーグのグループリーグ、6位チームがヨーロッパリーグの予備戦への出場となる。5位はレンヌ(57)で確定、6位がニース(54)、7位がボルドー(52)、8位がサンテチエンヌ(52)である。
 他方、降格争いであるが、20位のメッス(26)は2部降格が決定済み、自動降格となる19位はトロワ(33)、2部3位とのプレーオフとなる18位にはトゥールーズ、残留となる17位にはカーン(37)までが運命の最終戦を迎える。

■メンフィス・デパイのハットトリックでチャンピオンズリーグ出場を決めたリヨン

 21時に一斉に試合はキックオフされたが、上位勢同士の対戦はリヨン-ニースの1試合のみ、また上位と降格候補の試合もトロワ-モナコの1試合だけとなった。チャンピオンズリーグ出場のかかるリヨンのグルーパマ競技場は3日前のヨーロッパリーグ決勝を上回る56,953人のファンが集まった。先制点は18分にニース、リヨンは前半はノーゴールに終わり、4位陥落のピンチとなる。しかし後半に入ってリヨンはメンフィス・デパイがハットトリックで逆転、終盤にニースも1点差に詰め寄るがリヨンが3-2と最終戦を飾った。

■メッスとトロワが降格、トゥールーズはプレーオフで残留決定

 昨季王者のモナコは1部残留に望みを託すトロワをアウエーで3-0と一蹴し、2位を確保する。そして失意のマルセイユはベロドロームに戻ってアミアンとの最終戦に挑む。序盤に2点を先行し、2-1で勝利、結局2位から4位までの上位チームはすべて勝利し、順位に変動はなかった。
 6位争いは勝ち点52で並ぶボルドー(得失点差+1)とサンテチエンヌ(-8)の争いである。両チームとも先制し、大量点を狙う。サンテチエンヌは5-0、ボルドーも4-0で大勝し、ニースをかわしてボルドーが6位に入る。
 降格争いはメッスに加えトロワが自動降格、2部からスタッド・ド・ランスとニームが昇格する。17位のトゥールーズはプレーオフでアジャクシオに連勝し残留を決めたのである。(この項、終わり)

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