第2323回 パリサンジェルマン、リーグ王座奪回(3) 大差でモナコを破り7回目の優勝

 7年前の東日本大震災、一昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■次々とゴールを決めるパリサンジェルマン

 第33節でモナコとの直接対決で勝利すれば、リーグ優勝となるパリサンジェルマン、14分にジョバニ・ロセルソ、17分にエディンソン・カバーニが得点をあげ、序盤で2点をリードした。そして20分にはアンヘル・ディマリアがカバーニからパスを受けてシュート、モナコのGKのダニエル・スバシッチの守るゴールを破り、3-0とリードを広げる。ディマリアは今季リーグ戦10得点目、カバーニは今季5アシスト目となる。これまでパリサンジェルマンが本拠地パルク・デ・プランスで記録した最多の得点差は3-0であり、早くもそのスコアに並んだ。今季パリサンジェルマンが国内の相手に3点を奪われた試合はなく、チャンピオンズリーグでのバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)戦、レアル・マドリッド(スペイン)戦の2試合だけであり、この3点でパリサンジェルマンの優勝はほぼ確定であろう。

■シュートが枠に飛ばないモナコ

 一方のモナコであるが、14分から6分の間に3失点、悪夢のような時間帯となった。クロアチア代表のGKのスバシッチが集中力を欠いて連続失点となった。 そしてパリサンジェルマンの攻撃は止まらない。27分にはロセルソがこの日2点目をあげ、4-0となる。驚くべきはこの段階でパリサンジェルマンのシュート数はわずか5本であり5本中4本が枠に飛び、その4本がいずれもゴールネットを揺らしたわけである。モナコも4本のシュートを放っていたが、1本も枠内に飛んでおらず、シュートの精度が大量得点差となった。そのモナコがようやく目を覚ましたのが、38分であった。ロニー・ロペスが一矢を報い、1点を返す。しかし、これがこの日のモナコの最後の見せ場となった。

■パリサンジェルマン、7-1でモナコを粉砕

 後半に入ってもパリサンジェルマンの勢いは止まらず、58分にダニエウ・アウベス、ハビエルパストーレ、そしてディマリアとつないで、ディマリアがこの日2点目を決める。ディマリアはパリサンジェルマンに加入してからこのゴールで通算50得点となった。
 パリサンジェルマンの攻撃陣とは対照的に、元気がなかったのがモナコの主将でありCFであるラダメル・ファルカオである。77分にはあろうことか、自らのゴールに蹴りこんでしまい、不名誉なオウンゴールを記録してしまう。パリサンジェルマンは88分にユリアン・ドラクスラーがゴールを決めて、7-1というスコアで90分を終え、2年ぶり7回目の優勝を飾ったのである。
 優勝は時間の問題であったとはいえ、本拠地のパルク・デ・プランスで昨季リーグ王者のモナコを大差で破っての優勝は、味わい深いものとなったであろう。 敗れたモナコはこの試合に駆け付けたファンに入場料の払い戻しを決定するという屈辱的な結末となった。

■大一番に大量得点を決めたパリサンジェルマン

 この7-1というスコアは今季のパリサンジェルマンにとっては1月21日の第21節のディジョン戦の8-0に次ぐ大量得点となり、昨年11月22日のチャンピオンズリーグのセルチック・グラスゴー(スコットランド)戦と同じスコアである。また、このリーグ優勝で36回目のタイトルとなったダニエウ・アウベスであるが、ブラジル代表としても南米選手権1回、コンフェデレーションズカップ2回の合計3回のタイトルを獲得しているが、悔しいのは4年前の自国開催でのワールドカップでタイトルを悪徳できなかったことであろう。その準決勝のドイツ戦は奇しくも1-7というスコアであり、それから4年、ワールドカップイヤーにうれしい優勝を決めることができた。
 33試合を終えた段階でパリサンジェルマンは28勝3分2敗で勝ち点87となる。そして総得点は103、総失点は23、得失点差は+80となった。残り5試合でパリサンジェルマンがこれらの数字をどこまで伸ばしていくのか、興味は尽きない。(この項、終わり)

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