第2322回 パリサンジェルマン、リーグ王座奪回(2) 先制点、追加点を決めたパリサンジェルマン

 7年前の東日本大震災、一昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■昨季はタイトルを分け合ったパリサンジェルマンとモナコ

 フランスリーグの第33節の最後を飾る4月15日21時キックオフの一戦、首位パリサンジェルマンが2位のモナコをパルク・デ・プランスに迎える。首位と2位の勝ち点の差は14、そして両チームにとって残り試合はこの試合を含めて6試合である。パリサンジェルマンが勝利すれば、残り5試合で勝ち点差が17となり、パリサンジェルマンの優勝が決まる。思い起こせば、昨季はモナコがパリサンジェルマンのリーグ5連覇を阻止し、チャンピオンズリーグでもモナコが準決勝に進出し、パリサンジェルマンはベスト16どまりであった。しかし、国内カップ戦のフランスカップとリーグカップはパリサンジェルマンが独占し、タイトルを分け合った形になった。

■パリサンジェルマンがモナコを圧倒した今季

 しかし今季は両チームの差は残酷なまでに明らかである。最初のタイトルとなったリーグカップの決勝はパリサンジェルマンとモナコが対戦、3月31日にボルドーで行われた試合はパリサンジェルマンが3-0と勝利している。またフランスカップもモナコはすでに敗退、チャンピオンズリーグでもモナコはグループリーグで最下位、パリサンジェルマンは決勝トーナメント進出、そしてリーグ戦でもタイトルはほぼパリサンジェルマンのものである。
 今季の前期のリーグ戦での対戦は11月26日の第14節、モナコのホームゲームであったが、パリサンジェルマンが試合を圧倒し、モナコは試合終盤に1点を返しただけで、1-2と敗れており、パリサンジェルマンのリーグ独走のきっかけを作ってしまった。

■パルク・デ・プランスで勝ち越しているモナコ

 しかし、過去の戦績を見るとモナコはパルク・デ・プランスで好成績を残している。これまで公式戦で41回対戦し、何とモナコが17勝12分12敗と勝ち越ししている。パリサンジェルマンとパルク・デ・プランスで1部リーグのチームとして対戦したことのあるチームは54チームあるが、その中で勝ち越しているチームはモナコ以外にニオール(1勝)、ラシンクラブフランス(2勝1敗)の2チームだけである。しかし、これらは試合数も少なく、遠い過去の対戦である。いかにモナコが卓越した成績を誇っているかがよくお分かりであろう。リーグ2位のモナコは直接対決でパリサンジェルマンの優勝を目の前では見たくないところである。

■ズラタン・イブラヒモビッチと通算得点で並んだエディンソン・カバーニ

 超満員のパルク・デ・プランス、パリサンジェルマンはキリアン・ムバッペが病気のためメンバーから外れる。左サイドはユリアン・ドラクスラーが候補に挙がったが、チーム最古参のハビエル・パストーレが起用され、中央のエディンソン・カバーニ、右サイドのアンヘル・ディマリアと攻撃陣を形成する。一方のモナコは得点ランキングではカバーニ、ネイマールに次ぐ18得点で3位のラダメル・ファルカオを1トップにしてトップ下にフランス代表のトマ・ルマールを置き、カウンターに活路を見出そうという布陣である。
 試合は予想通り、ホームのパリサンジェルマンが支配する。14分にパリサンジェルマンは先制点をあげる。右サイドDFのダニエウ・アウベスからのクロスを左MFのジオバンニ・ロセルソが左足で決める。ロセルソは今季リーグ戦で2得点目、そして34歳のベテランのダニエウ・アウベスは今季パリサンジェルマンに加入したが、これまでスペインのセビリア、バルセロナ、イタリアのユベントスで数多くのタイトルを獲得してきた。現役のサッカー選手としては最多の35回の優勝をクラブ、代表で経験している。
 17分にパリサンジェルマンは追加点を決めるが、これもサイドDFからのクロスであった。左サイドのユーリ・ベルチチェからのクロスをカバーニが決める。カバーニはこれでパリサンジェルマンに加入してから113得点目となり、ズラタン・イブラヒモビッチと通算得点で並んでトップとなったのである。
 そしてパリサンジェルマンのゴールラッシュは続くのである。(続く)

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