第2663回 フランスリーグ打ち切り (2) 優勝はパリサンジェルマン

 平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、昨年の台風15号、19号などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■打ち切り時の1試合当たり平均勝ち点で順位を決定

 4月30日にフランスプロサッカーリーグは3月中旬以降は試合が行われていなかった1部、2部のリーグ戦の打ち切りを決定し、この時点での成績を今季の順位とすることとした。
 2部についてはこの時点で全20チームが第28節まで消化しており、この時点での順位が最終順位となる。
 一方、1部については第28節まで消化していたが、第28節のストラスブール-パリサンジェルマン戦が行われていないため、両チームのみ27試合消化、それ以外の18チームは28試合消化となっている。したがって、1部については1試合当たりの勝ち点で順位を決めることとなった。首位のパリサンジェルマンはこの措置は関係がなかったが、中位のストラスブールには順位が変動した。ストラスブールは勝ち点38で勝ち点39のアンジェに次いで11位であったが、1試合当たりの勝ち点にするとストラスブールは1.41、アンジェは1.39となり、順位が入れ替わった。

■堂々の数字を残して優勝したパリサンジェルマン

 それでは改めて順位を見ると優勝はパリサンジェルマン、平均勝ち点は2.52、22勝2分3敗で勝ち点68という堂々の数字である。2位はマルセイユ、平均勝ち点は2.00で勝ち点は56である。以下3位レンヌ(1.79)、4位リール(1.75)、5位ニース(1.46)、6位スタッド・ド・ランス(1.46)、7位リヨン(1.43)、8位モンペリエ(1.43)、9位モナコ(1.43)、10位ストラスブール(1.41)、11位アンジェ(1.39)、12位ボルドー(1.32)、13位ナント(1.32)、14位ブレスト(1.21)、15位メッス(1.21)、16位ディジョン(1.07)、サンテチエンヌ(1.07)、18位ニーム(0.96)、19位アミアン(0.82)、20位トゥールーズ(0.46)となった。

■同点の場合は直接対決の結果で判定

 なお、5位と6位、7位から9位、14位と15位、16位と17位は平均勝ち点で並ぶが、同勝ち点の場合についてフランスプロサッカーリーグの理事会で投票を行い、その際は得失点差ではなく、当該チームの対戦成績で決定することになった。例えば、5位のニースと6位のスタッド・ド・ランスは平均勝ち点1.46、勝ち点41で並んだが、得失点差についてはスタッド・ド・ランスは+5、ニースは+3であったが、ニースがホームで2-0と勝利し、アウエーで1-1と引き分けていることからニースが上位の5位となった。リヨン、モンペリエ、モナコが同勝ち点で並んだ7位争いについても、3チーム間の成績はリヨンが1勝1敗中止2試合(平均勝ち点1.5、得失点差+2)、モンペリエが1勝1分1敗中止1試合(1.33、±0)、モナコが1勝1分1敗中止1試合(1.33、-2)となり、リヨン、モンペリエ、モナコの順となった。なお、この順位は得失点差の順位と同じになっている。

■パリサンジェルマン、マルセイユ、レンヌ、リールが欧州カップ出場

 なお、気になる来季の欧州カップへの出場権、2部への降格であるが、1位のパリサンジェルマンと2位のマルセイユがチャンピオンズリーグのグループリーグに出場となる。3位のレンヌはチャンピオンズリーグの予備戦3回戦から参戦、4位のリールはヨーロッパリーグのグループリーグに出場となる。なお、これ以外にフランスカップの優勝チームにはヨーロッパリーグのグループリーグ、リーグカップの優勝チームにはヨーロッパリーグの予備戦2回戦への出場権が与えられるが、現時点でもフランスカップ、リーグカップの決勝については保留となったままである。

■アミアン、トゥールーズが2部降格、ロリアン、RCランスが1部復帰

 そして、19位のアミアンと20位のトゥールーズが2部に降格することとなった。また18位のチームは2部の3位から5位までのチームで争われるプレーオフを勝ち抜いたチームとホームアンドアウエーの2回戦制の入替戦を行う予定であったが、入替戦自身がなくなり、18位のニームは1部残留となった。
 一方、2部からは1位のロリアンと2位のRCランスが1部に昇格することになった。
 しかし、理事会で議決されたこの順位決定には異議を申し立てるクラブがあったのである。(続く)

このページのTOPへ