第3054回 パリサンジェルマンの明暗(1) 開幕から3戦連続でゴールラッシュ

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■日本ツアーから固定したメンバーでゴールを量産、無失点

 パリサンジェルマンの勢いが止まらない。日本ツアーで強豪相手に3連勝、その後はイスラエルのテルアビブに移動してチャンピオンズトロフィーでナントに4-0と勝利、そして8月6日のリーグ開幕戦は本連載第3049回で紹介した通り、クレルモンで5-0と勝利する。
 パリサンジェルマンは日本ツアーからメンバーを固定、日本ツアーで失点を重ねたプレスネル・キンペンベ、マルキーニョス、セルヒオ・ラモスの3バックはその後2試合連続で無失点、キリアン・ムバッペとネイマールを2トップに置き、リオネル・メッシをトップ下とする攻撃陣は日本ツアー以来ゴールを量産している。

■3か月ぶりにパルク・デ・プランスに戻ってきたパリサンジェルマン

 パリサンジェルマンは第2節で今季初めて本拠地パルク・デ・プランスでの試合となり、8月13日にモンペリエを迎える。モンペリエは第1節ではトロワに3-2と競り勝っているが、パルク・デ・プランスでパリサンジェルマンに勝利したのは13シーズン前の2010年5月までさかのぼらなくてはならない。パリサンジェルマンの試合は5月21日以来とあって、パルク・デ・プランスには4万6000人の観衆が集まった。

■5得点を奪って勝利したパリサンジェルマン

 試合は開始直後からパリサンジェルマンが優位に試合を進める。4分には相手陣内でFKのチャンス、ネイマールが蹴ったボールをキンペンベが頭で合わせるが、先制点にはならなかった。パリサンジェルマンがパスをつなぎ、モンペリエは守勢一方となる。そして22分、モンペリアのペナルティエリア内でヌーノ・メンデスと競り合ったジョルダン・フェリがハンドの反則、パリサンジェルマンにPKが与えられる。キッカーはムバッペ、右足で放ったシュートに対し、モンペリエのGKジョナス・オムランが反応し、右手でブロックする。オムランはその直後のメッシの25メートルからの左足のミドルシュートに対して正しく反応し、パリサンジェルマンに得点を許さない。
 ようやくパリサンジェルマンが先制点をあげたのは39分、ムバッペのシュートがモンペリエのファレイエ・サコに当たり、モンペリエのゴールに入った。直前のプレーでパリサンジェルマンの選手にファウルがあったのではないかとVARとなったが、主審はファウルがなかったと判定、パリサンジェルマンの先制点が認められる。オウンゴールを記録したサコはその直後の42分に、今度はペナルティエリア内でハンドの反則、パリサンジェルマンは2回目のPKが与えられる。このPKはネイマールが蹴って成功させる。
 後半に入って50分、パリサンジェルマンはアクラフ・ハキミのクロスをモンペリエの守備陣がカットするが、これをゴール前に飛び込んだネイマールがヘディングで押し込む。モンペリエは58分に波状攻撃から1点を返す。パリサンジェルマンはムバッペ、新加入のレナート・サンチェスがゴール、後半アディショナルタイムに1点を奪われたが5-2と大勝した。

■開始9秒でゴールを決めたキリアン・ムバッペ

 連勝スタートのパリサンジェルマンの第3節の相手は2年前のリーグチャンピオンのリール、クリストフ・ガルティエ監督の古巣である。リールのピエール・モーロワ競技場でビッグプレーが出た。パリサンジェルマンのキックオフで始まった試合、キックオフからパスをつなぎ、3本目のパスをメッシが縦のロビングのボールを蹴り込む。背後から飛んできたボールにムバッペが反応し、右足でリールのGKのレオ・ジャルダンの頭上を越えるシュート、開始9秒での得点は1992年にカーンのミッシェル・リオがカンヌ戦で記録した8秒に次ぐ記録となった。
 その後もパリサンジェルマンは次々とゴールを決めて、ムバッペはハットトリック、ネイマールが2得点、メッシとは君が1点ずつ決め、7-1と大勝、唯一3連勝、得点17、失点3という驚異的な数字で、早くも独走の予感がするが、新たな問題が起こったのである。(この項、終わり)

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