第3207回 2022-23フランスリーグフィナーレ(3) ナントは歓喜の1部残留、オセールは1季で2部陥落

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■最終戦の相手の成績が対照的なオセールとナント

 最終節までもつれ込んだ残留争いはオセールがナントを勝ち点2の差をつけてリードしている。前回の本連載で紹介した通り、最終節ではオセールがRCランス、ナントがアンジェとそれぞれホームで対戦する。この残留争いをするチームの最終戦の相手の今季の成績は対照的であり、RCランスは2位に入り来季のチャンピオンズリーグの本戦出場権を獲得、一方のアンジェは最下位であり、早々に2部降格が決まってしまっている。RCランスもアンジェも順位が確定してしまっており、アウエーで今季最終戦を迎える。
 オセールのライバルのナントがアンジェに勝つことを想定してよいであろう。オセールが引き分け、ナントが勝利した場合は、オセールとナントは勝ち点で並ぶが、その場合は得失点差でナントが上位となる。したがって、オセールは勝利のみが残留と覚悟して最終戦に臨む。
 オセールは4月16日に行われた第31節でナントとの直接対決で勝利してからはパリサンジェルマン、マルセイユ、リールという上位チームには3戦3敗、それ以外のチームとの対戦も3試合とも引き分けということで、6戦連続して勝利がない。他方、RCランスは同じ第31節でパリサンジェルマンとの直接対決で敗れたが、それ以降は6連勝して最終戦を迎えた。RCランスは順位確定後ということもあり、前節と比較すると5人の先発メンバーが入れ替わった。他方、オセールは不調ではあるものの、我慢の選手起用、前節とは世発メンバーを1人しか入れ替えていない。

■RCランス相手に失点を重ねたオセール

 この試合最初の得点チャンスは15分、オセールのヌーノ・ダコスタがヘディングをゴールを狙うが、バーの上を通過する。先制のチャンスを逸したオセールには悪い知らせが届く。ナントがアンジェ相手に先制点を奪う。このナントリードの知らせがオセールの選手たちの戦意をそいだのか、19分にRCランスのアレクシス・クロード・モーリスがゴールをあげる。勝利しなくてはならなくなったオセールであるが、オセールは相変わらず消極的な試合運びでハーフタイムを迎えた。
 オセールは後半開始時点に2人の選手を交代させたが、後半に入って得点をあげたのはまたRCランスであった。48分にオセールはGKのイオヌート・ラドゥがミスをする。このミスに反応したクロード・モーリスが追加点をあげる。アベ・デシャン競技場のファンは声を失う。その後もRCランスはオセールのゴールを襲い続ける。オセールはようやく71分にエムバイエ・ニアンが得点をあげて、1点差に詰め寄ったが、74分にRCランスはロイス・オペンダが今季21ゴール目となる得点をあげて、再び2点差となる。試合はこのままRCランスが3-1と勝利する。

■リーグ戦でもホーム最終戦でファンを歓喜させたナント

 そしてもう1つのナントでの試合は16分にナントのCFイグナティウス・ガナゴが先制点をあげて黄色一色に染まったボージョワールを歓喜させたが、試合はそのままのスコアで終了、ナントは最終節で逆転して1部残留が決まったのである。今季のナントはリーグは16位であったが、フランスカップでは準優勝している。この晩のリーグ最終戦だけではなく、フランスカップの地元での最終戦は準決勝であり、地元ファンは感極まってグラウンドに入り込み、歓喜の声は絶えることがなかったのである。

■わずか1季で2部に降格したオセール

 一方、今季2部から復帰してきたオセールは終盤戦に勝ち点を積み上げることができなかった。1980年に1部に昇格して以来32シーズンにわたってトップリーグの位置を維持し、二桁順位は昇格直後の2年以外には4回しかなかった。その最後の二桁順位が2011-12シーズンの20位、2部降格となった。そして2部に落ちてからは逆に下位低迷が続き、ようやく10季めの2021-22シーズンは3位となり、プレーオフを経て1部に復帰した。今季は4チームが2部に降格という不運も重なり、わずか1年での2部降格となったが、1部復帰を望みたい。(続く)

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