第3236回 フランスリーグ開幕(1) 他のスポーツイベントの存在、低調な移籍市場

 平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■バスケットボール、ラグビー、女子サッカーのワールドカップ

 今年もリーグ開幕の季節がやってきた。昨季はワールドカップでの代表チームの活躍もあり、リーグ戦でも歴史的な観客動員を記録した。その盛り上がったシーズンが5月末に終わり、夏のバカンスを過ごす中でファン待望のシーズン開幕と行きたいところであるが、そうもいかない。スポーツファンの関心は豪州とニュージーランドで開催されている女子ワールドカップに集まるとともに、8月の下旬からはバスケットボールのワールドカップ、9月に入ればラグビーワールドカップが始まる。バスケットボール、ラグビーはフランスが優勝候補であり、特にラグビーは自国開催で初優勝に期待がかかる。また、8月11日のリーグ戦開幕時点で女子ワールドカップは開催国の豪州との準々決勝を控えた段階であり、ファンの目は南半球に向いている。

■大型移籍の少ないフランスリーグ

 このような他のスポーツや女子サッカーの活躍という外部環境に加え、シーズンオフの移籍市場も影響している。シーズン開幕ともなれば、移籍による新戦力はファンの期待を高揚させる。しかし、今季のフランスリーグでは大型の移籍は少ない。その一因がサウジアラビアリーグの存在であることは否めない。

■キリアン・ムバッペ、ネイマールの去就が定まらないパリサンジェルマン

 クラブの経営規模が最大であり、毎年のように大型補強を繰り返してきたパリサンジェルマンは契約満了を迎えたリオネル・メッシが米国のマイアミへ移籍、守備の中心のセルヒオ・ラモスも契約満了で対談は決定しているが、移籍先は古巣のスペインのセビリアとも噂されたが、シーズン開幕の時点では決定しておらず、米国行きも模索中である。この攻守の中心選手の後任として攻撃に関してはスペインのレアル・マドリッドからマルコ・アセンシオ、守備に関してはイタリアのインテル・ミラノからミラン・シュクリニアルを獲得したことは第3222回で紹介した通りである。
 問題は昨季までメッシとともに攻撃を支えていたキリアン・ムバッペとネイマールの去就が不透明なことである。ムバッペは今季終了後の契約満了をもって移籍したい意思を持つが、それをクラブが受け入れず、結局日韓ツアーのメンバーから外れてしまい、チームとしては戦力外扱いとなる。また、負傷により長期離脱していたネイマールも日韓ツアーに帯同、日本では出場機会がなかったが、韓国に移動してからの全北現代戦では久しぶりの試合出場ながら、90分フル出場、さらに2得点、1アシストを決め、全得点に絡む活躍で3-0というスコアでツアー初勝利に貢献した。韓国からのニュースにパリサンジェルマンのファンは喜んだが、そのネイマールも移籍の噂が絶えない。もし、メッシ、ネイマール、ムバッペというMNMトリオが実質的に不在となった時は、アセンシオを中心とする攻撃陣は心もとなく、ポルトガル代表のゴンサロ・ラモスをベンフィカ(ポルトガル)から獲得したのに続き、フランス代表のウスマン・デンベレをスペインのバルセロナから獲得して対応する方向であるが、戦力ダウンは否定できない。
 フランス代表クラス選手としてはモナコのアクセル・ディザジはモナコからイングランドのチェルシーに移籍が決まり、若いフランス人選手が国外流出した。

■フランス復帰となるルカ・エルナンデス、レイバン・クルザワ、ピエール・エメリク・オーバメヤン

 選手の国外流出が当たり前となった現在、フランスのクラブから他国のビッグクラブに移籍し、フランスに戻ってくる選手を歓迎するファンの気持ちは変わらない。今年の代表としてはバイエルン・ミュンヘン(ドイツ)からパリサンジェルマンに移籍したルカ・エルナンデスであろう。パリサンジェルマンはレイバン・クルザワもフルハム(イングランド)から復帰させている。
 そしてフランス代表ではないが、ガボン代表のピエール・エメリク・オーバメヤンがいる。チェルシー(イングランド)からマルセイユが獲得したが、かつてオーバメヤンはディジョン、リール、モナコ、サンテチエンヌとフランス国内のクラブで経験を積み、10年前にドイツのボルシア・ドルトムントに移籍し、その後は国外のビッグクラブで活躍した。このように戻ってくる選手にも注目したい。(続く)

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