第3371回 2023-24フランスリーグ終了(1) 3年連続で優勝したパリサンジェルマン

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■チーム数が減り、試合数も減ったフランスリーグ

 昨年8月初めから繰り広げられてきたフランスリーグも5月19日に終了する。今季は1部のチーム数が20から18に減少、これまでは38節まであったが、今季は34節まで、ちょうど今年はシーズン終了後に欧州選手権、パリオリンピックも控えていることから、ファンにとってシーズンが短くなることは残念であるが、それほどの喪失感は感じない。

■3試合残して優勝を決めたパリサンジェルマン

 本連載で既に簡単に紹介したが、優勝を果たしたのはパリサンジェルマンであった。3年連続12回目のリーグ優勝を、チャンピオンズリーグの準決勝のボルシア・ドルトムント(ドイツ)の前の4月28日に決め、3試合残した時点での優勝となったが、例年ほど他チームを圧倒した印象はなかった。
 2位以下のチームも低調であり、1試合当たりの獲得勝ち点が2を超えたチームは優勝したパリサンジェルマンだけであった。1試合当たりの平均勝ち点が2を超えたチームが1チームしかなかったのは2018-19シーズン(優勝はパリサンジェルマン)以来5年ぶりのことになる。

■国内リーグ軽視で不本意な形の優勝決定

 また、シーズン開始直後のキリアン・ムバッペの移籍騒ぎ(最終的には今季限りで退団が決定)による欠場、そしてチャンピオンズリーグ優勝を目指すあまり、国内リーグ戦の軽視も社会からはよい印象を持たれなかった。
 また、優勝決定についても、4月27日に本拠地パルク・デ・プランスで行われるルアーブル戦で勝利すれば優勝というシチュエーションであった。ルアーブルは直近10試合の成績は1勝1分8敗と低迷し、この時点で2部降格のプレーオフ対象となる16位であった。パリサンジェルマンにとっては、2011年にカタール資本になってから記念すべき700試合目のホームゲームであり、ファンは地元での自力優勝を期待したが、ボルシア・ドルトムント戦を控えており、主力メンバーを出場させなかった。ボール支配率では8割を超えることもあったが、常にルアーブルに先行される展開で、後半になってムバッペなどを投入したが、後半のアディショナルタイムのゴンサロ・ラモスのゴールで同点に追いつくのが精一杯であり、パルク・デ・プランスで優勝を決めることができなかった。
 そして、その直後のボルシア・ドルトムント戦では連敗し、ファンを失望させたことは前回までの本連載で紹介した通りである。
 しかしながら、そのパリサンジェルマンも11月11日の第12節でスタッド・ド・ランスにムバッペのハットトリックによって3-0で勝利して首位に立ち、そのままゴールインした。

■6年ぶりの2位になったモナコ

 パリサンジェルマンが首位を奪回したのはモナコからであったが、モナコは首位を陥落した次節にパリサンジェルマンとの直接対決というチャンスがあった。11月24日にパルク・デ・プランスで行われた試合は、パリサンジェルマンがゴンサロ・ラモスのゴールで先制し、モナコも南野拓実が同点ゴールを決めるが、ムバッペのPKで勝ち越したパリサンジェルマンが追加点をあげ、最終的には5-2とパリサンジェルマンが大勝、モナコは首位奪回のチャンスを活かせなかった。モナコはその後は5位まで順位を落とすことはあったが、4月21日にブレストに勝利して2位に浮上、その後は着実に勝ち点を重ね、2位を確定し、2017-18シーズン以来6シーズンぶりに2位に入った。モナコは今季は欧州カップに出場することはできなかったが、来季はチャンピオンズリーグにグループリーグから出場することができる。
 来季は欧州カップの大会形式に変更があり、フランスからは4チームがチャンピオンズリーグのグループリーグに出場することができるようになった。したがって、これまではチャンピオンズリーグのグループリーグに出場できるリーグ2位、チャンピオンズリーグの予備戦に出場できる3位争いにも注目が集まったが、今季は3位争いや4位争いが注目を集め、その主役となったのが意外なチームだったのである。(続く)

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