第3554回 2024-25フランスリーグ、フィナーレ (2) 最下位が決まり2部に降格するモンペリエ
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■2部から昇格し、1部残留を決めたオセール
前回の本連載は来季の欧州カップ出場権のかかる上位チームを紹介したが、今回からは逆に2部降格について紹介しよう。
下位2チームが2部に自動降格、下から3番目の16位のチームが2部の3位チームとホームアンドアウエー方式による入替戦となる。
2024-25シーズンは、前年の2部で1位のオセールと2位のアンジェが自動昇格、3位のサンテチエンヌは入替戦でメッスを破って昇格してきた。これら3チームにとって今季の第一の目標は1部残留である。この中で残留という目標を最初に達成したのがオセールであった。予算規模は小さいが、中位をキープし、最終順位は11位、来季の目標は1990年代に大暴れした欧州カップへの復帰である。
■初勝利は遅かったが1部にとどまったアンジェ
アンジェは1部18チームの中で予算規模は最少の2500万ユーロ、最多のパリサンジェルマンのほぼ40分の1である。リーグ戦ではそのパリサンジェルマンとのアウエーの試合で敗れ、パリサンジェルマンの優勝を目の前で見ることになった。アンジェはシーズン開幕から3連敗し、第4節でようやく引き分けて初めての勝ち点をあげたが、初勝利は遠く、第9節の10月26日のサンテチエンヌ戦で4－2と勝利して初めて勝ち点3を獲得した。1月に3連勝したこともあり、最終順位は14位、入替戦対象となる16位との勝ち点差は3、自動降格となる17位との差は6であり、終盤までファンは落ち着くことはなかったが、何とか残留を決めることができた。
■最下位が決定し、2部降格が早々に決まったモンペリエ
18チームのうち、2部降格が最初に決まったのがモンペリエであった。2011-12シーズンでリーグ優勝、すなわち、パリサンジェルマンがカタール資本になったシーズンに優勝を決めたチームである。ところが今季は開幕から不調で、第4節で初勝利をあげたものの、また5連敗、10月下旬に最下位に陥落する。ミッシェル・デル・ザカリアン監督を更迭し、すでに監督業を引退した71歳のジャン・ルイ・ガセ監督を復帰させたが、功を奏さず、シーズン終了まで最下位を脱出することができなかった。残り4試合となった4月26日、この時点で16位だったルアーブルがモナコと引き分けたため、モンペリエの17位以下が確定した。モンペリエは16季守り続けてきた1部から陥落、先述の通り、この間にはオリビエ・ジルーを擁してリーグ優勝も果たしており、リーグ戦では中位の常連であり、モンペリエの降格は驚きを持って受けとめられた。
■最終節に残留を争うスタッド・ド・ランス、ナント、ルアーブル、サンテチエンヌ
降格の決まった翌日にモンペリエが対戦したのがスタッド・ド・ランスである。第1回のチャンピオンズカップのファイナリストである名門チームに対するファンの期待は大きい。競技力だけではなく、財政的な問題から一時は5部相当のリーグまで降格したこともあったが、2012年に33年ぶりに1部に復帰、その後2シーズン2部に在籍したが、2018-19シーズンから1部の座をキープしており、日本人の有力選手も補強し、2020-21シーズンにはヨーロッパリーグの予備戦にも出場している。2024-25シーズンは前半戦は順調に上位をキープし、欧州カップを狙うことのできる順位にあったが、後半戦の序盤から6連敗を喫し、順位を落とす。さらにシーズン終盤の第32節と第33節でも連敗、最終節を迎える時点の順位は14位になった。
最終節を迎える時点で、入替戦対象となる16位と自動降格となる17位の順位は確定していない。16位または17位になる可能性のあるチームは、勝ち点33（得失点差－13）で14位のスタッド・ド・ランス、同じ勝ち点33で得失点差－16で15位のナント、16位で勝ち点31のルアーブル、勝ち点30で17位のサンテチエンヌである。サンテチエンヌはスタッド・ド・ランスの次の時代のフランスを代表する名門チームである。2部から昇格してきた3チームの中で唯一最終節まで降格圏内にいる。最終節を迎える時点の得失点差は－37、最終戦で勝利すれば、勝ち点上は15位以上になる可能性もあるが、得失点差を考えれば、現実的ではなく、入替戦に望みを託す16位を狙うことが現実的である。
最終節は5月17日の土曜日、21時に9試合が一斉にキックオフされたのである。（続く）
