第3555回 2024-25フランスリーグ、フィナーレ (3) スタッド・ド・ランスは入替戦、サンテチエンヌが自動降格
平成23年東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨、令和6年能登半島地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■ナントは1部残留、サンテチエンヌは2部降格
5月17日に最終節を迎えた今季のフランスリーグ、最終節まで降格争いをするチームとその対戦相手を確認すると、14位のスタッド・ド・ランスはアウエーでリール戦、15位のナントはホームでモンペリエ戦、16位のルアーブルはアウエーでストラスブール戦、17位のサンテチエンヌはトゥールーズとホームゲームである。
この中でナントの相手のモンペリエは前回の本連載で紹介した通り最下位となっている。ナントは前半にPKで先制し、追加点をあげ、2点リードで折り返す。後半も1点追加し、危なげなく勝利して降格争いから脱出した。
サンテチエンヌはトゥールーズ相手に序盤に2失点する。さらに後半に入ってもトゥールーズに追加点を奪われ、3点のビハインドとなる。ここからサンテチエンヌは追い上げたが、1点及ばず、2-3で敗れ、順位は17位のまま、2部降格となった。
■欧州カップ出場のかかる相手と対戦したルアーブルとスタッド・ド・ランス
この中で注目のカードを戦うのが、ルアーブルとスタッド・ド・ランスである。ルアーブルの相手のストラスブール、そしてスタッド・ド・ランスの相手のリールは、いずれも最終節を迎える段階で勝ち点57である。勝ち点57にはニース、リール、ストラスブールが並び、4位争いをしている。この時点では得失点差で4位ニース(+19)、5位リール(+15)、6位ストラスブール(+13)となっている。4位はチャンピオンズリーグ予備戦、5位はヨーロッパリーグリーグフェーズ、6位はカンファレンスリーグ予備戦、とそれぞれの順位で出場できる大会が異なるため、1つでもよい順位を目指したいところである。さらにこの3チームを追う勝ち点54で7位のリヨンは、得失点差では+17であり、4位争いをしている3チームにとっては同勝ち点で並ばれると怖い存在となり、逆に欧州カップの出場権を失う危険性もある。
■終盤に決勝点を奪われたスタッド・ド・ランス
欧州カップのかかったチームと、1部残留のかかったチームとの対戦、まず、リール-スタッド・ド・ランス戦を紹介しよう。リールは圧倒的にボールを支配し、前半の37分にレミ・カベラがGKと競り合って先制点を奪う。守勢のスタッド・ド・ランス、60分に右からの伊東純也のCK、リールのクリアボールを、セルヒオ・アキエメがボレーシュート、同点ゴールが生まれる。リールの猛攻をしのぎ、何とか引き分けて勝ち点1を獲得したいスタッド・ド・ランスであったが、86分にペナルティエリア内でリールの選手を後ろから倒してしまって、PKを与える。これが決勝点となってスタッド・ド・ランスは最終戦で勝ち点ゼロに終わった。
■後半アディショナルタイムにPKで決勝点を上げたルアーブルは残留
次にストラスブール-ルアーブル戦を紹介しよう。ホームのストラスブールが先制するが、40分にストラスブールはペナルティエリア内でハンド、ルアーブルがPKで同点に追いつく。ストラスブールは後半に入って53分に勝ち越すが、1部残留にかけるルアーブルは66分にストラスブールのゴール前からのFKをブロックし、こぼれたところをシュートして同点に追いついたかに見えたがVARで取り消される。しかしルアーブルはこれにめげず、70分には左サイドのクロスから同点ゴールを決める。
このまま引き分ければ、スタッド・ド・ランスは15位になり、入替戦を回避できるはずであった。また、ストラスブールも6位を確保できるはずであった。ところが、後半アディショナルタイムの95分にはゴール前にロングボールを放り込んだところをストラスブールの選手がルアーブルの選手を倒してしまう。このPKを決めたルアーブルは勝ち点3を積み上げ、15位に順位を上げ、スタッド・ド・ランスは入替戦に臨む16位になったのである。
また、リヨンがアンジェに2-0と勝利したため、ストラスブールはこの時点で欧州カップの出場圏外となったのである。(続く)