第3678回 前半戦を終えたフランスリーグ(5) 秋の王者はRCランス、パリダービーを制したパリサンジェルマン

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■新年最初の試合に登場する首位RCランス

 前半戦最後の試合は1月最初の週末に行われた。首位で越年したのはRCランス、それを勝ち点1差でパリサンジェルマンが追う。
 初日の1月2日の金曜日に1試合だけ組まれ、それがトゥールーズ-RCランス戦である。RCランスはこの試合で勝利すれば、秋の王者を確定することができる。RCランスについてはこれまで紹介してきたが、トゥールーズは11月以降はリーグ戦で負けておらず、順位を8位まで上げて、首位チームをホームに迎える。

■トゥールーズを下して秋の王者となったRCランス

 試合はRCランスが序盤から支配し、攻め続けるが、トゥールーズは低い位置で守備ラインを形成し、RCランスの得点を許さない。23分、トゥールーズのエメルソンがRCランスの得点源であるオドソン・エドゥアールに危険なタックルを犯し、退場処分となる。数的有利になったRCランスはさらに一方的な試合となる。ただ、エドゥアールがタックルの影響で退いてしまい、前半のうちにRCランスは得点をあげることができなかった。
 後半に入ってようやく57分にRCランスはウェスレイ・サイードが先制点をあげ、これがきっかけとなって85分にアドリアン・トマソン、後半アディショナルタイムの95分にピエール・イスマエロ・ガニウが追加点をあげ、3-0と勝利、秋の王者を確定したのである。

■36年ぶりのパリダービー、48年ぶりのパリFC戦

 一方、パリサンジェルマンは第17節の最後に登場、4日の日曜日の20時45分にキックオフを迎える。秋の王者が不可能となったが、この試合は異常な関心が高まった。というのもパリサンジェルマンの相手がパリFCだったからである。パリFCについては本連載第3556回と第3602回で紹介した通り、1960年代末にパリ市内から1部リーグのクラブがなくなった際にパリの財界が作ったクラブであり、パリサンジェルマンがこのクラブから分裂して誕生した。パリFCは2季で1部から、1度だけ1部に復帰したが、下位リーグに低迷する。一方、パリFCが1部に在籍した時点ではアマチュアチームだったパリサンジェルマンはその後プロ化し、現在まで50年以上1部リーグにとどまっている。そのパリサンジェルマンが欧州王者となった時、パリFCが47年ぶりに1部に復帰してきた。
 パリに本拠地のあるチーム同士のパリダービーは1990年2月25日のパリサンジェルマン-ラシンパリ1戦以来36年ぶり、パリサンジェルマンとパリFCの対戦は1978年12月17日以来48年ぶりである。

■ウスマン・デンベレの決勝点でパリサンジェルマンがパリダービーを制す

 パリサンジェルマンは2位、久しぶりの復帰となったパリFCは15位でかろうじて残留圏内にいる。しかし、両チームの順位ではなく、久しぶりのパリダービー、しかももともと同じチームだった両チームの対戦とあって観衆は47,892人、パルク・デ・プランスでのリーグ戦では今季最多となった。前期の最終戦に組まれたパリダービーは、ファンにとって、待ちに待ったカードとなった。
 パリFCのGKはケビン・トラップ、2015年から3年間パリサンジェルマンに在籍した元ドイツ代表である。試合はパリサンジェルマンが優位に試合を進めるが、上位と下位、常勝チームと昇格チームという差を感じさせない展開となった。それでも26分、デジレ・ドゥエがボールを持ってペナルティエリア内に入ったところを倒され、いったんはPKの判定が下ったが、VARの末、反則があったのはペナルティエリア外ということでキャンセルされる。ようやくパリサンジェルマンが得点をあげたのは45分、ファビアン・ルイスのパスを受けたドゥエが受けてゴールを決める。
 後半に入って51分、パリFCはアリマミー・ゴリーがペナルティエリアにボールを持ち込むがこれをイリア・ザバルニーが倒してしまい、PKとなる。これをビレム・グベルが決めて同点に追いつく。決勝点は53分、ウスマン・デンベレのシュートがパリFCの選手に当たってゴールイン。デンベレのPK以外での今季初ゴールがパリダービーを制したのである。(この項、終わり)

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