第1803回 4強の決まったリーグカップ (2) 欧州勢順当勝ち、8強はすべて1部勢

 このたびパリ並びにパリ近郊で起こった銃撃事件の犠牲者の方々のご冥福を祈るとともに、サッカー界での人種差別についてしばしば取り上げている本連載に対する読者の皆様からのご支援に感謝いたします。

■パリサンジェルマン、2部のアジャクシオに逆転勝利

 チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグに出場した有力6チームを加えて行われたベスト8決定戦、前回はチャンピオンズリーグのグループCで首位突破を決めたモナコが、プレーオフで敗れてグループリーグ出場はならなかったものの国内リーグでは3連勝中のリヨンをPK戦で下し、欧州での戦いの勢いの差を見せつけたことを紹介した。
 モナコ以外に欧州カップで決勝トーナメントに残ったのがチャンピオンズリーグのパリサンジェルマンとヨーロッパリーグのギャンガンである。パリサンジェルマンはアジャクシオ、ギャンガンはアルル・アビニョンといずれも2部勢との対戦となった。
 いずれも2部勢のホームゲームとなり、パリサンジェルマンはアジャクシオのフランソワ・コティ競技場に乗り込む。パリサンジェルマンはズラタン・イブラヒモビッチ、チアゴ・シウバ、チアゴ・モッタが遠征メンバーから外れる。2部12位というアジャクシオではあるが、1部在籍時にパリサンジェルマンとはしばしば対戦し、直近の戦績は3戦連続引き分けであり、ホームの利を考えれば十分に勝機はある。
 約5,000人の観衆の前で、アジャクシオは先制点を奪う。パリサンジェルマンの攻撃に対し、組織的な守備で対応したアジャクシオは27分にジョアン・カバリがシュート、サルバトーレ・シリグに代わってゴールを守っているニコラ・ドゥシェが防ぐことができず、前半はアジャクシオが1点リードして折り返す。
 後半に入り、パリサンジェルマンは55分にエディンソン・カバーニが同点ゴール、80分にセルジュ・オーリエが勝ち越しゴール、さらに84分にジャン・クリストフ・バーベックが追加点をあげ、3-1と勝利し、欧州で戦うビッグクラブの実力を見せつけた。

■ギャンガン、アルル・アビニョンに完勝

 ギャンガンはアルル・アビニョンとアビニョン運動公園での対戦となる。2部でも最下位のアルル・アビニョンへのファンの期待の低さか、観衆は1500人ほどとさびしい光景である。クラブ史上初の欧州カップの決勝トーナメント進出を決めたギャンガンは13分にクリストフ・マンダンヌ、68分にクラウディオ・ボービュが得点をあげ、2-0と勝利し、ベスト8入りを決めたのである。

■サンテチエンヌ、リールは1部勢を下し8強に

 ヨーロッパリーグではグループリーグ敗退と残念な結果になったサンテチエンヌ、リールも勝ち進んだ。
 サンテチエンヌはアウエーでロリアンとの対戦である。リーグ前半戦でもこのカードはロリアンで行われ、アウエーのサンテチエンヌが1-0と勝利しているが、このリーグカップでも同じ結果となった。試合はホームのロリアンが優勢に進めたが、前半の終盤から動きが激しくなった。前半は両チーム無得点であったが、後半開始早々の48分にサンテチエンヌはGKのステファン・ルフィエからのロングフィードをうまくつないで最後はアムマがゴールを決める。この1点を守り切ったサンテチエンヌが8強入りした。
 リールはホームのピエール・モーロワ競技場にボルドーを迎える。欧州カップの常連のボルドーであるが、今季は出場を逃す。リールはリーグ戦12位であるが、10月以降勝利がない。ボルドーはリーグ戦では5位であり、来季の欧州カップ出場を目指す位置にある。試合は17分にボルドーがマリアノのゴールで先制、リールは30分にミカエル・フレイが同点ゴール、その後両チームとも譲らず、PK戦で雌雄を決することになる。PK戦では9人目までもつれることになったが、リールが6-5と競り勝った。

■欧州カップのグループリーグ組はそろって8強入り

 この結果、欧州カップのグループリーグに出場した5チームはいずれも勝ち抜いた。
 また、それ以外の試合は1部勢同士のバスティア-カーン戦は3-2でバスティア、ナント-メッス戦は4-2でナントが勝利する。2部のクレテイユは1部のレンヌに0-1で敗れ、8強はすべて1部のチームで占められたのである。(続く)

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