第1802回 4強の決まったリーグカップ (1) 欧州組のモナコ、好調リヨンをPK戦で下し8強入り

このたびパリ並びにパリ近郊で起こった銃撃事件の犠牲者の方々のご冥福を祈るとともに、サッカー界での人種差別についてしばしば取り上げている本連載に対する読者の皆様からのご支援に感謝いたします。

■42チームが参加するリーグカップ

 前回までの本連載では1部勢が参戦したフランスカップのベスト32決定戦の模様を紹介し、1部勢20チームのうち12チームが1月下旬に行われるベスト16決定戦に勝ち進んだ。
 1月から2月の初めにかけてクラブレベルでも代表チームレベルでも国際試合がないため、国内では通常のリーグ戦に加えてフランスカップ、リーグカップが行われる。
 今回から紹介するリーグカップは8月から開幕しているが、1部勢が登場するのは9月のベスト16決定戦からである。再度、この大会形式を確認してみよう。まず、出場するチームは1部20チーム、2部20チームに加えて今季2部からナショナルリーグに降格したイストルとCAバスティアの2チームを加えた42チームである。8月に1回戦と2回戦が行われ、2部以下のチームが出場する。9月に行われたベスト16決定戦には欧州カップ(プレーオフや予備戦を含む)に出場していない1部勢14チームが参戦し、12月中旬に行われたベスト8決定戦から欧州カップに出場した6チームが出場し、44チームが参加したことになる。
 そして1月13日と14日に準々決勝が行われ、ベスト4が決まり、2月初めの準決勝を経て4月11日のファイナルへと進む。

■ベスト16決定戦を勝ち抜いた1部7チーム、2部3チーム

 1回戦でナショナルリーグ勢は姿を消してしまい、2回戦を勝ち抜いた2部勢はオセール、アルル・アビニョン、クレルモン、ラバル、クレテイユ、ACアジャクシオの6チーム。この6チームに1部勢14チームを交えて戦った10月末のベスト16決定戦に残った10チームは1部のロリアン、カーン、ナント、バスティア、ボルドー、メッス、レンヌの7チームと2部のアルル・アビニョン、ACアジャクシオ、クレテイユの3チームに絞られた。

■欧州カップに出場した6チームが参戦するベスト8決定戦

 ここにパリサンジェルマン、モナコ、リヨン、リール、サンテチエンヌ、ギャンガンという6チームが加わって16チームになる。欧州カップに出場、出場予定のチームはグループリーグが終了するまで、国内のタイトルはリーグ戦だけに専念できるのである。ベスト8決定戦は12月17日に行われ、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグのグループリーグの最終戦の翌週にあたる。前年度の成績がいいからこれらの欧州の大会に出場したわけであるが、6チームのうち、決勝トーナメント進出を決めたのは半数の3チームに過ぎない。リヨンはプレーオフで早々と姿を消し、リールとサンテチエンヌはグループリーグで敗退している。これらのチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグでの戦いぶりがこのベスト8決定戦にも象徴される結果となった。

■リーグ戦で3連勝中のリヨンを下したモナコ

 まず、チャンピオンズリーグのグループCを首位で通過したモナコはリーグ戦で3連勝中で最終的には前半戦2位となるリヨンとの対戦である。リヨンのホームゲームであり、今季は欧州でのチャンスのないリヨンの国内でのタイトルを応援するファンが2万人以上ジェルラン競技場には集まった。モナコも12月に入ってからは国内外で負けがない。好調なチーム同士の対戦は、守備が充実し、お互いに得点機のないまま前半を終える。この展開は後半も続き、まさに水入りの大勝負となり、両チーム無得点のまま延長戦となる。
 延長戦に入りゲームが動き、延長前半の97分にモナコのヤニック・フェレイラカラスコが得点をあげると、リヨンも延長後半の立ち上がりの106分にアレクサンドル・ラカゼットが同点ゴール、試合はPK戦となり、先蹴のモナコは先頭のジェレミー・トゥーラランのシュートはリヨンのGKアントニー・ロペスに止められたが、2人目以降が成功させる。リヨンは4人目のバカリー・コネが失敗、サドンデスとなり、6人目はモナコはルーカス・オカンポスが成功、リヨンはジョルダン・フェリのシュートがモナコのGKマールテン・ステケレンブルクに止められて失敗、チャンピオンズリーグのグループリーグ首位突破チームの力を見せたのである。(続く)

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