第1964回 四強が出そろったリーグカップ(3) 八強はすべて1部勢

 5年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■PK戦でニースを下したギャンガン

 ベスト8決定戦から参戦したチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグに出場した6チーム、直接対決が2カードもあり、勝ち抜いたのはパリサンジェルマン、ボルドー、リヨン、マルセイユの4チームだけとなった。
 これ以外のベスト8進出チームを紹介しよう。この段階でリーグ戦の上位チームは首位のパリサンジェルマンを除くとすでに敗退しており、パリサンジェルマン以外で一番上位の5位ニースがアウエーで18位のギャンガンと対戦した。試合はスリリングな展開となった。前半終了間際の44分にニースがアレクサンドル・マンディの得点で先制する。このままリーグ戦の順位表通りにニースが勝利するかと思われた後半の89分、ギャンガンはヤニス・サリブールのゴールで追いつき、試合は延長戦となる。延長戦でも先手を取ったのはニース、93分にマンディが勝ち越し点をあげる。しかしギャンガンは延長後半の110分にサリブールのゴールで追いつく。結局PK戦に突入、この日2得点をあげた2人が明暗を分けた。ニースのマンディはペナルティスポットに立つことなかったが、ギャンガンのサリブールが6人目として成功させ、ギャンガンの勝利を導いたのである。

■2部首位のディジョンを下したロリアン、11位対決を制したリール

 8位のロリアンは2部のディジョンを迎える。ディジョンはこの時点で2部では首位、侮れない相手であったが、ロリアンは着実にゴールを重ね、3-0と大勝し、ベスト8に進出した。
 11位のリールも2部チームを迎えた戦いとなった。リールが迎えたのはラバル、この時点で11位であり、11位対決となった。リールはなかなか得点をあげることができなかったが、79分にジブリル・シディベのゴールで勝利した。

■降格圏内のトゥールーズ、レンヌをアウエーで破る

 残る1試合は1部勢同士の戦いである。レンヌがトゥールーズを迎える。トゥールーズは降格圏内の19位であるが、10位のレンヌもこのところ勝ち星から見放されている。試合で先手を取ったのはアウエーで順位も低いトゥールーズ、14分に先制点をあげる。ウィッサム・ベンイエデルが得点をあげる。その直後、レンヌのシラが危険なタックルによってレッドカード、リードされたレンヌは残り75分近くを10人で戦わなくてはならなくなった。32分にもトゥールーズはベンイエデルのゴールで差を広げる。
 レンヌは後半は立て直し、57分に1点を返したが、トゥールーズは87分に3点目をあげ、3-1とトゥールーズが勝利する。

■ベスト8はすべて1部勢、注目カードはパリサンジェルマン-リヨン戦

 この結果、準々決勝にパリサンジェルマン、リヨン、ロリアン、マルセイユ、リール、ボルドー、ギャンガン、トゥールーズの1部勢8チームが進出することになった。準々決勝の組み合わせ抽選会はベスト8決定戦の終了後、速やかに行われ、ボルドー-ロリアン、トゥールーズ-マルセイユ、ギャンガン-リール、パリサンジェルマン-リヨンという組み合わせになった。
 この中で最大の注目カードはパリサンジェルマン-リヨン戦であろう。8強の中でリーグ戦の成績で言えば、最上位は首位のパリサンジェルマン、それに次ぐのが6位のリヨンである。また、一昨年の決勝のカードと同じである。パリサンジェルマンはベスト8決定戦のサンテチエンヌ戦に引き続き、リヨンという強敵と対戦となる。 また、この試合はパリサンジェルマンのホームゲームであり、パリサンジェルマンのリヨンの新スタジアムであるパルク・オランピック・リヨネへの登場はリーグ戦あるいはフランスカップ戦へ持ち越しとなった。
 準々決勝の日程は1月12日と13日、ちょうど年が明け、フランスカップの初戦とリーグの後半戦の第1戦を終えたところである。パリサンジェルマンはワスカルに勝利し、リーグ戦でもバスティアに勝利し、リヨン戦を迎える。一方のリヨンはフランスカップではリモージュに7-0と大勝、続くリーグ戦でもトロワに4-1と勝利し、調子の波に乗ったところでパルク・デ・プランスに乗り込んだのである。(続く)

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