第2124回 リーグカップ、ファイナリスト決定(2) モナコとパリサンジェルマンが準々決勝進出

 6年前の東日本大震災、昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■欧州カップ組6チームが参戦したベスト8決定戦

  他のタイトルよりも早く始まったリーグカップ、2部以下のチームで争われた1回戦、2回戦、そして1部勢も参戦したベスト16決定戦を勝ち抜いたチームh10チームである。2部からは唯一ソショーが勝ち残り、それ以外は1部勢9チーム、モンペリエ、ナント、ボルドー、レンヌ、ギャンガン、ナンシー、マルセイユ、トゥールーズ、メッスである。
 これにチャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグの本戦、予備戦に出場した6チームが加わってくる。チャンピオンズリーグの本戦に出場しているのはパリサンジェルマン、リヨン、そして予備戦を勝ち抜いたモナコの3チームである。一方、ヨーロッパリーグについては本戦に直接出場したのはニースだけであり、サンテチエンヌは予備戦を勝ち抜いたものの、リールは予備戦3回戦で敗退している。
 これら欧州カップ組を交えたベスト8決定戦は12月13日と14日に行われた。リール以外の5チームは前の週まで週の半ばに国外のチームと戦っていた。またフランス勢で首位で決勝トーナメントに進出したのはモナコとサンテチエンヌであり、パリサンジェルマンは2位、リヨンは3位(ヨーロッパリーグに転戦)、ニースは最下位に終わっている。欧州での戦いがグループリーグを終えて一段落したところであり、この6チームの戦いぶりに注目したい。

■選手層の厚さを見せつけたパリサンジェルマンが3季連続でリールを下す

 まず、一番の注目カードはパリサンジェルマン-リールであろう。欧州組とはいっても唯一本戦に出場していないリールにとってこのような優遇を受けることは不本意であろう。リールはリーグ戦でも11位であり、欧州組6チームの中では最も低い順位にある。パリサンジェルマンに勝利して、その意地を見せたいところである。また、リールはリーグカップで3シーズン連続してパリサンジェルマンと対戦するが、過去2年間は2連敗、昨季は決勝で敗れ、その敗戦から8か月しかたっていない。そろそろ金星をあげたいところである。パルク・デ・プランスでの戦い、リールはGKをナイジェリア代表のビンセント・エニェアマではなく第2GKのマイク・マイニャンを起用する。またシーズン途中で監督が日本でもおなじみのフレデリック・アントネッティからパトリック・コロに代えたが、監督交代後は3勝1分と好調である。
 しかし、選手層の厚いパリサンジェルマンの地力の違いを見せた。前半終了間際にルーカスのPKで先制し、後半に入ってもルーカスが追加点をあげる。また今季最大の補強となったスペイン人の若手ヘセ・ロドリゲスは先発しながら精彩を欠いていたが、70分に待望のゴールをあげる。リールは終了間際にCKからマルコ・バザが1点を返すにとどまり、パリサンジェルマンが3季連続でリールを退けたのである。

■攻撃陣が爆発したモナコ、リーグ5位のレンヌに大勝

 それ以外の欧州カップ組ではモナコはレンヌと対戦する。レンヌはこの時点でリーグ5位、4位までは欧州カップ組(首位ニース、2位モナコ、3位パリサンジェルマン、4位リヨン)であり、欧州カップ組以外で最もいい成績を残している。しかし、モナコは7-0と大勝、チャンピオンズリーグのグループリーグ首位突破の力を見せつけた。

■決勝開催地のリヨン、初戦で姿を消す

 決勝トーナメントに転戦したリヨンはギャンガンと対戦する。リヨンにとって今回のリーグカップには特別な意味がある。それは決勝がリヨンの本拠地であるパルク・オランピック・リヨネで開催されるからである。リーグカップは1995年に現在の形式となって最初の決勝がパルク・デ・プランスで行われた。1998年からはスタッド・ド・フランスで決勝が行われ、パリ並びにパリ近郊での決勝戦であったが、今回から地方の大スタジアムで行われることになった。その記念すべき第1回の地方開催の舞台としてリヨンが選ばれたのである。
 しかし、相手のギャンガンもリーグ6位、リヨンと互角の戦いを繰り広げる。リヨンはギャンガンに2度リードを許すが、2回とも追いつき、試合はPK戦となる。しかしPK戦ではリヨンのマチュー・バルブエナのキックがギャンガンのGKのロマン・サランにストップされ、リヨンはPK戦でギャンガンに敗れたのである。(続く)

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