第2697回 パリサンジェルマン、国内三冠制覇(4) PK戦を制し、9回目の優勝を果たしたパリサンジェルマン

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■キリアン・ムバッペはスタンドで観戦

 パリサンジェルマンとリヨンで争われるリーグカップ決勝、今季国内最後の試合であり、26回目を迎える大会の最後の試合となる。リーグカップ決勝がシーズン最後に行われるのは初めてのことである。
 このタイトルにかける両チームの思いについてはこれまでの連載で紹介した通りであり、スタッド・ド・フランスには両チームのファンが3,500人集まった。1週間前のフランスカップの際はサンテチエンヌに割り当てられた部分はサンテチエンヌのファンが応援を辞退したため、大きな空白ができたが、リヨンのファンはサンドニにやってきた。
 ホーム扱いとなった紺のユニフォームのパリサンジェルマン、GKはケイロス・ナバス、DFは4人、レイバン・クルザワ、チアゴ・シウバ、プレスネル・キンペンベ、ミッチェル・ベイカー、MFは3人、右にイドリッサ・グイエ、中央の低い位置にマルキーニョス、左はマルコ・ベラッティ、FWは右にアンヘル・ディマリア、左にネイマール、中央にマルコ・イカルディである。キリアン・ムバッペはスタンドからチームメイトを励ます。

■白いユニフォームのリヨン、互角の展開

 アウエー扱いとなった白いユニフォームのリヨン、GKはアントニー・ロペス、DFは3バックで右からジェイソン・デナイヤー、マルセロ、マルシャル、MFは5人、右からレオ・デュボワ、マクサンス・カケレ、ブルーノ・ギマラエス、ホッセム・アウア、マクスウェル・コルネ、2トップは右にメンフィス・デパイ、左にムーサ・ダンベレという布陣となる。
 試合はパリサンジェルマンのイカルディのキックオフで始まった。立ち上がりからパリサンジェルマンが積極的にリヨンのゴールを襲う。しかし、ボールの保持率はほぼ互角の展開となる。特に中盤の中心を任されたマルキーニョスとギマラエスのブラジル人対決が試合を拮抗したものとする。前半終了の間際の43分にはパリサンジェルマンのグイエが20メートルのシュート、これをリヨンのGKのアントニー・ロペスがセーブする。一方リヨンのダンベレも前半アディショナルタイムにボレーシュートを放つが、得点には至らず、前半終盤に両ゴールを脅かすシーンがあったが、両チーム無得点でハーフタイムを迎える。

■後半、延長戦も無得点でPK戦に突入

 前半にはイエローカードは1枚だけであったが、後半は両チームの厳しいプレーにイエローカードが乱発されることになる。パリサンジェルマンは60分になる前に2人の選手交代を行うが、70分にクルザワが負傷し、3人目の交代となる。特別なルールで交代枠の人数が多く設定され、リヨンは90分になるまでに5人を交代させるが、得点をあげることはできなかった。一方のパリサンジェルマンは後半のアディショナルタイムに入るところで主将のチアゴ・シウバが倒れ、90分のホイッスルを迎える。
 決勝だけには延長戦も準備されている。延長が始まる時点でチアゴ・シウバはピッチを離れ、レアンドロ・パレデスが登場する。パリサンジェルマンも5人の交代枠を使い切り、リヨンのラファエルがディマリアに対するファウルで退場となるが、120分経っても両チーム無得点で優勝の行方はPK戦にゆだねられることとなった。

■6人目で明暗が分かれ、パリサンジェルマン9回目の優勝を飾る

 決勝がPK戦となったのは6回目のことであり、両チームとも2回目の経験となるが、パリサンジェルマンは1998年に優勝し、リヨンは1996年に準優勝に終わっている。 先蹴はリヨン、後蹴がパリサンジェルマンとなった。両チーム5人目まで全員が成功させる。リヨンの6人目はベルトラン・トラオレ、放ったシュートはナバスに阻まれてしまう。そしてパリサンジェルマンの6人目はパブロ・サラビア、見事に決めてパリサンジェルマンに栄光をもたらした。
 パリサンジェルマンは国内三冠を達成、通算9回目の優勝を決めた。思えば25年前の第1回大会も優勝はパリサンジェルマンであった。
 一方、リヨンはまたも決勝で敗れ、来季の欧州カップ出場は国内の大会では不可能となったのである。(この項、終わり)

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