第1263回 2011年女子ワールドカップ(1) 2回目の出場を決めたフランス代表

 3月11日に起こった東北地方太平洋沖地震で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、救援活動、復旧活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■6回目を迎えた女子ワールドカップ

 今年の6月は奇数年ということでワールドカップや欧州選手権の本大会のない年であるが、今年は女子ワールドカップがある。女子ワールドカップは1991年に女子世界選手権という名称で中国で開催され、4年ごとに男子のワールドカップの翌年に開催されているが、第4回に相当する2003年大会から女子ワールドカップという名称で行われ、熱戦が繰り広げられてきた。
 これまでに中国で2回(1991年、2007年)、米国で2回(1999年、2003年)、スウェーデンで1回(2005年)開催され、第6回を迎える今回はドイツでの開催となる。男子のワールドカップで優勝経験のある国で初めて開催されるわけであるが、女子サッカーの勢力図は男子のそれとは少々異なり、これまで5大会の優勝国は1991年米国、1995年ノルウェー、1999年米国、2003年ドイツ、2007年ドイツと3か国で分け合っている。

■2003年大会のグループリーグで敗退したフランス

 このようにフィジカルに勝る国が上位に来る女子サッカーであるが、今回のワールドカップにフランスは2003年大会に次ぐ2回目の出場を果たした。2003年9月に米国で行われた大会でフランスはノルウェーに敗れ、韓国に勝利し、ブラジルと引き分け、グループリーグ1勝1分1敗で3位にとどまり、決勝トーナメントに進むことなく敗退している。

■激戦の欧州予選を勝ち抜いたフランス

 FIFAランキングでは常に10位に近い一桁であるが、欧州内で強豪チームが多数ありながら、欧州からの出場枠は4ないし5という狭き門であるため、なかなか欧州地区の予選を突破することができず、これまで5回の予選で勝ち抜いたのはこの2003年大会だけであった。しかし、今回は開催国ドイツを除く41チームが欧州地区予選にエントリーし、フランスはグループ1で10戦10勝、50得点で無失点という圧倒的な成績でプレーオフに出場する。予選で全勝したチームはフランスだけである。
 プレーオフの相手はイタリアである。イタリアは1981年に訪日し、日本に8-0と大勝していることから、日本の皆様もよくご存じのことであろう。しかし、ワールドカップは1999年大会を最後に遠ざかっており、近年の力は落ちている。
 2010年9月に行われたホームアンドアウエー方式のプレーオフはまずフランスのホームゲームがブザンソンで行われた。しかし、9月11日のホームでの第1戦をフランスはスコアレスドローに持ち込まれてしまう。
 アルプスを越え、9月15日にイタリアで行われた第2戦でフランスはアウエーの不利をものともせず、3-2と競り勝ち、2大会ぶりのワールドカップ出場を決めたのである。

■リーグで連覇を重ね、女子チャンピオンズリーグ決勝で惜敗したリヨン

 そしてワールドカップ出場を決めた背景にはクラブチームの活躍がある。世界一のナショナルチームを争うワールドカップがあるように、欧州のクラブナンバーワンを決める女子チャンピオンズリーグがある。女子チャンピオンズリーグも女子ワールドカップ同様に2001-02シーズンに始まった当初は欧州女子選手権という名称であったが、2009-10シーズンから女子チャンピオンズリーグという名称になった。
 チャンピオンズカップという名称で始まった男子のチャンピオンズリーグは第1回大会でフランスのランス(Reims)が決勝に進出したが、女子のチャンピオンズリーグは第1回大会でトゥールーズがベスト4に入りながら、その後上位に進出することができなかった。
 この長い低迷にピリオドを打ったのがリヨンである。国内では2006-07シーズンに9年ぶり5回目のリーグ優勝を果たすと、それ以降今季まで5季連続で優勝している。またチャンピオンズリーグでも2007-08シーズン、2008-09シーズンと2年連続でベスト4、そして3回目のチャレンジとなる2009-10シーズンはフランス勢として初めて決勝に進出する。相手はドイツのポツダム、日本の永里優季が所属しているチームである。延長戦に入っても両チーム無得点、PK戦も5人目まででは決着がつかず、8人目までもつれ込んだが、リヨンは6-7で敗れ、準優勝に終わった。しかしこの躍進は翌年につながったのである。(続く)

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