第1477回 本年最終戦、イタリアとの親善試合(4) この日もGKに起用されたウーゴ・ロリス

 昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■イタリア代表の先発メンバー

 パリサンジェルマンのメンバー2人が先発したイタリア代表、アンドレア・ピルロがベンチスタートということもあり、4-3-3システムを採用した。GKはサルバトーレ・シリグ、DFは右からクリスチャン・マッジオ、アンドレア・バルザーリ、ジョルジョ・キエッリーニ、フェデリコ・バルザレッティ、MFは右からリカルド・モントリーボ、マルコ・ベラッティ、クラウディオ・マルキージオ、FWはアントニオ・カンドレーバ、マリオ・バロテッリ、ステファン・エルシャーラウィという布陣である。
 ほとんどの選手が国内のクラブに所属しているが、中央のシリグ、ベラッティ、バロテッリの3人だけが国外のクラブに所属しているということである。また、前回紹介したベラッティ同様、エルシャーラウィも8月のイングランド戦で代表にデビューし、この2人の20歳の選手が欧州選手権後に青いユニフォームに袖を通した新戦力である。

■フランス代表の先発メンバー

 一方、パルマのエンニオ・タルディーニ競技場に初めて姿を現したフランス代表、4-2-3-1システムである。先発メンバーはGKはウーゴ・ロリス、DFは右からマチュー・ドビュッシー、ローラン・コシエルニー、ママドゥ・サコ、パトリス・エブラ、守備的なMFは右にエチエンヌ・カプー、左にブレーズ・マツイディ、攻撃的なMFは右からムーサ・シソッコ、マチュー・バルブエナ、フランク・リベリー、そしてFWはオリビエ・ジルー1人である。
 フランスは欧州選手権後に代表にデビューした選手は先発メンバーにカプー、ベンチのマプー・ヤンガ・エムビワの2人である。また、負傷のため外れたガエル・クリシーに代わって代表に招集されたブノワ・トレムリナスはローラン・ブラン監督時代に3回代表に呼ばれたことがあるが、試合出場の機会はまだない。欧州選手権前から代表入りしている選手が多いが、代表歴の浅い選手がストッパー陣、MFに集まった。ベテランと言える選手は左サイドのMFのリベリーくらいであろう。

■ほとんどの試合で出場しているウーゴ・ロリス

 一方、親善試合であることから新戦力や控えの選手を試したいところであるが、どうしてもそれに当てはまらない選手が1人いる。GKのロリスである。代表チームでは正GKであるが、第2GKのスティーブ・マンダンダにも経験を積ませたいところである。マンダンダが最後に試合に出場したのは5月末のアイスランド戦、さらにその前に出場した試合となると昨年6月のウクライナ戦、一昨年5月のコスタリカ戦、3年前の10月のフェロー諸島戦と年に1回のペースでしか試合に出場しておらず、ワールドカップ、欧州選手権の本予選には3年間出場していない。また、第3GKのミカエル・ランドローが最後に代表の試合に出場したのは5年前のこと、2007年11月のモロッコとの親善試合である。

■所属チームでは出場機会に恵まれないロリス

 しかし、2つの理由でディディエ・デシャン監督はこの日もロリスをこの日もGKとして起用する。まずは主将としてピッチ上を任せることができる適任者がロリス以外は見当たらないということである。ロリスはこの日が代表43試合目、それ以上のキャリアのある選手はリベリーの70試合目、エブラの47試合目が相当するが、リベリーは主将の経験がなく、エブラは2010年の南アフリカのワールドカップでの2試合とその直前の準備の3試合だけである。結果的にはチームの内紛を招いてしまったことから主将を任せるわけにはいかないであろう。
 そしてもう1つの理由はフランス代表として過去4年間、ほとんどの試合に出場してきたロリスであるが、この夏にリヨンからイングランドのトットナムに移籍する。しかしトットナムには米国代表のGKブラッド・フリーデルが所属している。41歳でありながら、プレミアリーグで300試合以上連続出場している大御所の後釜としてロリスは期待されたわけであるが、今季もほとんど

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