第1762回 ポルトガル、アルメニアと連戦(1) 代表に復帰したクリストフ・ジャレとディミトリ・ペイエ

 3年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■10月のインターナショナルマッチデーに対戦するグループIのポルトガルとアルメニア

 ワールドカップ明けとなった今シーズン、9月から代表チームの試合、チャンピオンズリーグ、ヨーロッパリーグのグループリーグと国際試合が始まった。本連載で紹介してきたように、代表チームはスペインに勝利、セルビアに引き分け、チャンピオンズリーグに出場したパリサンジェルマンとモナコはそれぞれ1勝1分と無敗で9月から10月初めまでの戦いを乗り切った。
 そして10月中旬はインターナショナルマッチ―デーとなり、代表チームの試合が行われる。11日にはスタッド・ド・フランスでポルトガル戦、14日にはアウエーでアルメニア戦が予定されている。両国はグループIに所属する国である。

■ディディエ・デシャン監督の選出した23人のメンバー

 この2試合のために、10月2日にディディエ・デシャン監督は23人のメンバーを発表した。
 GKはスティーブ・マンダンダ、ウーゴ・ロリス、ステファン・ルフィエ、DFはルカ・ディーニュ、パトリス・エブラ、ローラン・コシエルニー、エリアキム・マンガラ、バカリ・サーニャ、ラファエル・バラン、クリストフ・ジャレ、ジェレミー・マチュー、MFはヨアン・カバイエ、ブレーズ・マツイディ、ポール・ポグバ、モルガン・シュナイデルラン、ムーサ・シソッコ、FWはカリム・ベンゼマ、レミ・カベラ、アンドレ・ピエール・ジニャック、アントワン・グリエズマン、ロイック・レミー、ディミトリ・ペイエ、マチュー・バルブエナというメンバーである。
 9月のスペイン、セルビアとの連戦では23人中21人がワールドカップ出場メンバーであり、それ以外の2人も過去に代表歴のある選手であったが、今回は9月の連戦以下の選手が入れ替わった。今回外れたメンバーはDFのマチュー・ドビュッシーとママドゥ・サコー、MFのリオ・マブーバ、FWのアレクサンドル・ラカゼット、一方、新たに加わったメンバーはDFのジャレ、FWのジニャックとペイエであるが、新たに加わった3人ともワールドカップのメンバーではないが、それ以前にフランス代表の経験があるという点では9月の連戦の際のメンバー選出と似た結果になっている。
 しかし、8月末に発表したメンバーは今季ほとんど試合をしていない状態であったが、今回のメンバー発表のタイミングはチームによっては10試合近く試合をこなしている段階でのメンバー選出である。したがってデシャン監督自身も選手の調子を見極めたうえでのメンバーの選考となる。

■リヨンに移籍し、活躍の機会が増えたクリストフ・ジャレ

 ジャレは2009年にロリアンからパリサンジェルマンへ移籍してきた。右サイドDFとして活躍し、移籍初年はフランスカップ決勝での延長前半の決勝点のアシストを決めている。そして2011-12シーズンの終盤からはカルロ・アンチェロッティ監督の信頼も厚く、主将も任された。アンチェロッティ監督はジャレを2012年の欧州選手権を控えた当時のフランス代表のローラン・ブラン監督に推薦したが、ジャレのフランス代表へのデビューは欧州選手権明けの8月のウルグアイとの親善試合であった。2012-13シーズンはパリサンジェルマンでは主将を任され、代表の試合も出場したが、このシーズンにアヤックスから移籍してきたグレゴリー・ファンデルビールの影響で出場機会が少なくなり、さらに翌年は立場が逆転し、カップ戦メンバーとなる。当然フランス代表からも離れてしまう。
 しかし、今夏リヨンに移籍し息を吹き返す。リヨンではリーグ戦だけではなく、ヨーロッパリーグの試合もほとんど出場し、今回の代表復帰となったのである。

■マルセイユのディミトリ・ペイエも復帰

 ペイエはレユニオン生まれの27歳、代表デビューはサンテチエンヌに所属していた2010年秋のことである。ワールドカップ南アフリカ大会の惨敗から再起を期すチームの欧州選手権予選のルーマニア戦、ルクセンブルク戦の終盤に交代出場し、短時間のうちに目立った仕事を見せたが、代表には定着せず、2013年6月の南米遠征で復帰するもチームはウルグアイ、ブラジル相手に連敗する。持ち前のスピードは評価されたが、2013年9月のワールドカップ予選のベラルーシ戦を最後に代表から離れる。
 2013年からマルセイユに所属し、今季はマルセイユで7試合出場して2得点という成績が評価され、1年ぶりの復帰となったのである。(続く)

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