第1811回 2015年アフリカ選手権(5) 接戦続きのグループリーグ、8強決まる

 このたびパリ並びにパリ近郊で起こった銃撃事件の犠牲者の方々のご冥福を祈るとともに、サッカー界での人種差別についてしばしば取り上げている本連載に対する読者の皆様からのご支援に感謝いたします。

■第1シードのザンビアが苦戦したグループA

 前回の本連載では開催国でグループAに入った赤道ギニアが第4シードのコンゴ共和国とともに決勝トーナメントに進出したことを紹介したが、今回はそれ以外のグループリーグの結果を紹介しよう。
 グループBは北東部にあるガボン、カメルーン国境に近いエベビインで行われる。第1シードはザンビアである。第1節はザンビア-コンゴ民主共和国戦とチュニジア-カーボベルデ戦が行われた。第1シードのザンビアは第4シードのコンゴ民主共和国相手に勝ち点3を奪いたいところであり、開始2分に先制したが後半に追いつかれて勝ち越すことができず1-1のドローで発進した。もう1試合のチュニジア-カーボベルデ戦も1-1のドローとなり、4チームがすべて同じ成績となった。第2節はザンビアが第2シードのチュニジアと対戦する。実力上位同士の戦いであったが、ザンビアが59分に先制するものの、残り20分でチュニジアは2点を奪って逆転する。そして第2試合のコンゴ民主共和国-カーボベルデはスコアレスドローとなる。

■チュニジアとコンゴ民主共和国が決勝トーナメントへ

 最終戦を迎えるまで勝ち点4のチュニジアが一歩リード、カーボベルデとコンゴ民主共和国が勝ち点2で続き、ザンビアは勝ち点1どまりである。すべてのチームにすべての可能性が残る中で最終節が行われた。エベビインで行われたザンビア-カーボベルデ戦はスコアレスドロー、バタに会場を移して行われたコンゴ民主共和国-チュニジア戦は前半にチュニジアが先制、リードされたままだと敗退するコンゴ民主共和国は後半に追いつき、この試合も1-1のドローとなり、グループBは6試合中5試合が引き分けに終わった。この結果1位はチュニジア、最下位はザンビアとなり、2位は勝ち点、得失点差でコンゴ民主共和国とカーボベルデが並んだが総得点の多いコンゴ民主共和国が2位になった。

■直接対決の結果で首位ガーナ、2位アルジェリアとなったグループC

 東部国境に近いモンゴモで行われたグループCには第1シードのガーナ以下アルジェリア、南アフリカ、セネガルと近年のワールドカップの常連がそろった。初日の第1試合でガーナはセネガル相手にアンドレ・アユーが先制したが、セネガルはマメ・ディウフが同点ゴール、後半ロスタイムにムーサ・ソーが決勝点をあげ、セネガルが2-1と逆転勝ちした。第2試合は南アフリカが先制したが、アルジェリアが3点を立て続けに奪い、3-1と逆転勝ち、いずれも派手な試合で初日が終わった。第2節は第1節で敗れたガーナがアルジェリアを1-0と破り、両チーム1勝1敗となる。第2試合の南アフリカ-セネガル戦は1-1の引き分けとなる。
 最終節を迎える段階でセネガルが勝ち点4、ガーナとアルジェリアが勝ち点3、南アフリカが勝ち点1となった。最終節はガーナ-南アフリカ戦がモンゴモで、セネガル-アルジェリア戦は海を渡ってマラボで同時にキックオフ、最初に得点をあげたのはアルジェリアであった。そして次は南アフリカ、前半17分のことである。アルジェリアはこの先制点を守りきり、さらに追加点をあげて2-0と首位のセネガルを下す。一方の南アフリカはリードを守れず、ガーナに1-2と逆転負け、この結果ガーナとアルジェリアが勝ち点6、直接対決の結果により、首位ガーナ、2位のアルジェリアが決勝トーナメントに進出した。

■大混戦のグループD、首位はコートジボワール、2位は抽選でギニア

 首都マラボで行われたグループDは第1シードのコートジボワール以下、マリ、カメルーン、ギニアと中部アメリカの国が集まった。初日はコートジボワール-ギニア戦、マリ-カメルーン戦とも1-1の引き分け、第2節のコートジボワール-マリ戦、ギニア-マリ戦も1-1の引き分けと混戦となった。
 そして最終節、コートジボワール-カメルーン戦はマックス・アラン・グラデルの一撃でコートジボワールが1-0と勝利したが、ギニア-マリ戦は1-1のドローとなる。この結果ギニアとマリは3試合とも1-1のドローとなり、抽選の結果、ギニアが決勝トーナメントのチケットを得たのである。(続く)

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