第2498回 地元開催の女子ワールドカップ、メンバー発表 (2) 23人のメンバーを5月2日に発表

 8年前の東日本大震災、3年前の平成28年熊本地震、昨年の平成30年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■5月2日の夜に23人のメンバーを発表

 代表監督としては実質2人目のOG監督となるコリンヌ・ディアクル、2017年までの3シーズンは男子の2部のクレルモンの監督をしていたとは言っても女子サッカーに関して収集した情報は多い。そのディアクル監督は大会の初戦の36日前の5月2日の夜に23人の代表選手を発表した。
 まず、GKはサラ・ブハディ(リヨン)、ソレーヌ・デュラン(ギャンガン)、ポーリヌ・ペイラン・マニャン(イングランド・アーセナル)の3人、DFはジュリー・ドブベ(ギャンガン)、サキナ・カルシャウイ(モンペリエ)、アメル・マジリ(リヨン)、グリエッジ・ムボック(リヨン)、エブ・ペリッセ(パリサンジェルマン)、ウェンディ・ルナール(リヨン)、マリオン・トラン(モンペリエ)、アイサトゥ・トゥンカラ(スペイン・アトレチコ・マドリッド)の8人、MFはシャルロット・ビルボー(パリFC)、エリーズ・ビュサグリア(ディジョン)、マエバ・クレマロン(フルーリー)、グラス・ゲヨロ(パリサンジェルマン)、アマンディーヌ・アンリ(リヨン)、ガエタン・ティネ(パリFC)の6人、FWはビビアン・アッセイ(ボルドー)、デルフィン・カスカリノ(リヨン)、カディディアトゥ・ディアニ(パリサンジェルマン)、バレリー・ゴーバン(モンペリエ)、エメリン・ローラン(ギャンガン)、ユージェニ・ルソメ(リヨン)の6人というメンバーである。

■欧州女王のリヨンから7人が選出

 所属クラブについては23人中21人がフランス国内のクラブに所属いるが、これは男子ほど国際化が進んでいないこともあるが、なんといっても欧州の女子サッカーについてはフランスのクラブのレベルが高いことを物語っている。女子のチャンピオンズリーグはリヨンが4年連続6回目の優勝を果たしている。そして過去10年間でフランス勢が決勝に進出できなかったのは2013-14シーズンの1年だけである。今年の大会はリヨンが優勝し、パリサンジェルマンが準々決勝に進出している。リヨンは熊谷紗希が所属していることで日本のファンの皆様もよくご存じのチームであるがバルセロナ(スペイン)との決勝戦の先発メンバー11人のうち6人がフランス人選手であり、全員が今回の代表に選ばれている。さらに後半から出場したカスカリノを含めた7人が代表入り、全体の3割強を占める。また、パリサンジェルマンからは3人が選出されている。

■チームを支えるベテラン勢

 3年前のリオデジャネイロオリンピックは登録18人であったが、連続して出場するのはブハディ、マジリ、ムボック、ルナール、ビュサグリア、ディアニ、アンリ、ルソメの8人である。この6人に共通するのは代表経験が豊富なことである。代表試合数をみると186試合のビュサグリアを筆頭に、159試合のルソメ、139試合のブハディ、108試合のルナールの4人が100試合以上を経験している。代表歴の少ないマジリ、ムボックも40試合以上出場している。これ以外にもう1人100試合出場しているのがティネ(154試合)であるが、ティネはリオデジャネイロオリンピックには出場しなかったが4年前のカナダでのワールドカップには出場している。
 一方、代表歴の少ない選手も少なくない。2人の控えGKは2人合わせて1試合しか出場していないほか、代表歴が一桁という選手は31歳のドブベ、26歳のクレマロン、20歳のローランと合わせて5人いる。

■選出されなかったフランスリーグの得点王のマリー・アントワネット・カトト

 そして今回の代表メンバー発表の最大の驚きは今季のフランスリーグの得点王のマリー・アントワネット・カトトが選出されなかったことである。1998年11月生まれの20歳、すなわち男子のキリアン・ムバッペと同様に1998年のワールドカップの後に生まれた選手であり、今季は22得点、昨季も21点を記録している。昨年10月に19歳で代表入りし、これまでに代表戦に3試合出場している。しかし、ディアクル監督は同じ20歳、代表歴3試合のローランを選出したのである。(この項、終わり)

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