第2961回 セネガル、初優勝を飾る(7) アフリカで活躍したフランスのクラブに所属する選手、フランス人監督
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■105人の選手がフランスのクラブに所属、優勝チームのセネガルは10人がフランス勢
セネガルの初優勝で幕を閉じた33回目のアフリカ選手権、最優秀選手に輝いたセネガルのサディオ・マネと決勝で対戦したエジプトのモハメド・サラーのリバプール対決が脚光を浴びた。しかし、今大会も優勝したセネガルを始め、多くのフランスのクラブに所属する選手、フランス人監督がカメルーンの地で躍動した。
フランスのクラブに所属する選手は105人、これは2位のイングランドの倍以上である。そしてそのうち57人が1部リーグのクラブの選手である。
セネガルにはパリサンジェルマンのイドリッサ・ゲイエ、アブドゥ・ディアロなど、フランスのクラブに10人の選手が（うち1部は8人）に所属している。また、優勝を決めるPKを成功させたマネも初めてプロ契約を結んだのはメッスであった。ダカール生まれのマネは少年時代にジェネラシオン・フットというクラブに所属する。このクラブはメッスのアフリカにおける選手獲得のためのクラブであり、当時2部のメッスから未来の逸材としてプロデビューを果たし、その後、オーストリアのレッドブル・ザルツブルグ、イングランドのサウサンプトンを経て、イングランドで最も人気のあるクラブのスターとなったのである。また、決勝のPK戦勝利のもう1人の立役者となったGKのエドゥアール・マンディもイングランドのチェルシーに所属しているが、フランス生まれであり、フランスのクラブで活躍し、2年前まではレンヌのメンバーとして活躍した。
■フランス勢が多かったマリとコモロ、チームの中心がフランス勢のマグレブ3か国
グループリーグで首位となったマリにはセネガルを上回る12人のフランスのクラブに所属する選手がいた。レンヌのアマリ・トラオレが主将を務め、攻撃陣にはナントのカリファ・クリバリー、スタッド・ド・ランスのムーサ・ドゥンビアがいたが、決勝トーナメント初戦で無得点に終わり、PK戦で敗れた。
アルジェリア、モロッコ、チュニジアというマグレブ諸国はフランス勢の人数は少ないが有力選手がいる。グループリーグでまさかの敗退をしたアルジェリアにはリヨンのイスマル・スリマニ、ニースのユセフ・アタルなど5人がフランス勢であった。フランス生まれでルアーブルに所属していたリヤド・マフレズがエースであり、3月のワールドカップ予選では国民の期待に応えるであろう。
モロッコも5人がフランスのクラブの選手であったが、パリサンジェルマンンのアクラフ・ハキミは23歳であるが、すでにドイツのボルシア・ドルトムント、イタリアのインテル・ミラノで実績を残してきた大物である。
チュニジアにはサンテチエンヌのワビ・カズリなど5人がフランスで活躍している。
実は人数だけであれば一番多いのが初出場のコモロであり、17人がフランスのクラブに所属している。ただし、全員が2部以下のクラブであり、1部勢はいなかった。
■リール以外の1部勢19チームはアフリカに選手を派遣、最多のメッスは7人
クラブ別にみると、最も多くの選手をアフリカに送り込んだのはメッスの7人である。優勝チームのセネガルのパペ・マタル・サールはマネと同じジェネラシオン・フットの出身である。メッスはアフリカ選手権開始時で18位、そして終了時は19位と降格圏内に落ちており、巻き返しを期待したい。一方、メッスに次ぐ5人を送ったサンテチエンヌは開始時で最下位であったが、大会期間中に18位まで順位をあげている。そして1部20チームのうちリール以外の19チームがアフリカ選手権に選手を派遣している。
■世代交代をしたフランス人指揮官
フランス人指揮官は5人いたが、世代交代している。これまでに出場経験があるのは69歳のガボンのパトリス・ヌブーだけであり、ギニアに続いてアフリカ選手権にチームを導いた。それ以外の4人は初出場である。コモロのアミール・アブドゥは49歳、2014年から代表監督となり、ようやく主要大会の本大会出場を果たした。コートジボワールのパトリス・ボーメルは43歳、かつてアフリカの地で活躍し、現在はサウジアラビアを率いるエルベ・ルナールの愛弟子である。モーリタニアのディディエ・ゴメス・ダ・ローザは52歳、2013年のルワンダのクラブチームを皮切りにアフリカで活躍、コランタン・マルタンの後を継いでモーリタニアの監督となった。
アフリカで活躍したフランスのクラブに所属する選手、アフリカで指揮を執ったフランス人監督の今後に期待したい。（この項、終わり）
