第2993回 ワールドカップ組み合わせ抽選前の親善試合(7) キリアン・ムバッペの活躍で南アフリカに完勝

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■得点力のある選手のそろったフランス代表

 前回の本連載では3月29日の南アフリカ戦で代表初先発となるウィリアン・サリバ、ジョナタン・クロース、マイク・メニャンに注目したが、キリアン・ムバッペ、オリビエ・ジルーの組んだ2トップにも注目したい。カリム・ベンゼマが負傷で離脱している現在、最高の2トップであり、ジルーは代表通算47得点、ムバッペは24得点をあげている。ベンゼマが36得点、アントワン・グリエズマンの42得点を加えれば、現在の代表は史上最高レベルの得点力を有するといえるであろう。フランス代表はここまで19試合連続でゴールをあげており、記録を更新中である。コートジボワール戦は耳鼻の不調によりメンバーから外れたが、南アフリカ戦では復帰した。

■南アフリカを圧倒したフランス、先制点はキリアン・ムバッペ

 黄色いユニフォームの南アフリカのキックオフで試合が始まったが、白一色のユニフォームのフランスが開始直後から試合を支配した。6分にはかつてリールに所属していたルカ・ディーニュがクロスをあげ、ジルーがニアポストで合わせるが、南アフリカのGKがCKに逃れる。リールに戻ったディーニュは左サイドを支配し、以後もジルー、ムバッペにクロスを配給し続ける。南アフリカも9分に長距離からFKを直接ゴールに狙うが、メニャンが難なくさばく。ボール支配率でフランスは南アフリカを圧倒し、先制は時間の問題であった。フランスの先制点は23分、グリエズマンが右サイドから攻め上がり、クロスを入れる。これを右足でムバッペが決め、ピエール・モーロワ競技場は三色旗が揺れる。ムバッペは30分にもディーニュのクロスに合わせてヘディングシュートを放つが、これは枠から外れた。

■オリビエ・ジルーが追加点

 33分にはもう1人のFWのジルーが負けじとゴールを決める。エンゴロ・カンテが高い位置でボールを奪い、ムバッペにパスし、ムバッペはグリエズマンにボールを預ける。グリエズマンはペナルティスポット付近で待っていたジルーにパス、ジルーは南アフリカの選手をかわして左足でグラウンダーのシュート、これが決まって追加点となる。ジルーは代表通算最多得点のティエリー・アンリにあと3点に迫る48点目のゴールとなった。また、トップ下のグリエズマンはこの試合2つ目のアシストで2トップを支える。南アフリカは防戦一方となり、試合は得点差以上にフランスが支配し、2点リードして後半を迎えた。

■交代選手が活躍し、5-0と大勝

 南アフリカは後半開始時に選手を交代させ、活路を見出そうとするが、フランスのペースは変わらない。試合前にはブーイングを浴びたRCランスのクロースも積極的に右サイドを駆け上がり、クロスやシュートを試みる。
 52分にはカンテからのパスをムバッペがシュートするがバーに当たり、64分にはディーニュのシュートがポストに当たり、いずれもゴールはならなかった。この日のフランスはシュート数も多かったが、シュートの精度も高く、南アフリカのGKロンウェン・ウィリアムスの奮闘が目立った。
 65分にフランスはこの試合初めての選手交代で一気に3人を入れ替えた。74分にはムバッペがペナルティエリア内で倒され、フランスはPKを得る。グリエズマンがピッチを去ったこともあり、ムバッペ自身がペナルティスポットにボールを置く。ムバッペは右足で右ポストぎりぎりに蹴り込んで、この日2得点目、代表通算26点となる。81分にはショートコーナーからムバッペがファーポストのポール・ポグバにクロスをあげ、ポグバがヘディングで落としたところをウィッサム・ベン・イェデルが左足でシュートして4点目をあげる。その後、南アフリカは危険なプレーで退場選手を出す。後半アディショナルタイムにはマテオ・ゲンドウジがムバッペのアシストを受けてゴール。ベン・イェデル、ポグバ、ゲンドウジはいずれも途中から交代出場した選手であり、結果を残す。多くの得点にからんだムバッペの活躍でフランスが5-0と完勝したのである。(この項、終わり)

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