第3313回 アフリカネーションズカップ開幕(3) 第2戦でナイジェリアに敗れた開催国コートジボワール

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■開幕戦は開催国コートジボワールと初出場から4回連続出場のギニアビサウ

 前回の本連載では優勝候補としてモロッコ、セネガル、エジプト、コートジボワール、アルジェリアを紹介したが、グループリーグの第2戦まで終えた時点の状況を紹介しよう。
 34回目となるアフリカネーションズカップはコートジボワールに24か国が集まり、1月13日の開催国コートジボワールとギニアビサウの開幕戦が熱戦の火ぶたが切って落とされた。ギニアビサウは前々回の本連載で紹介した通り、2017年大会に初出場してから4大会連続で出場を決めている。とは言っても昨年10月に行われた組み合わせ抽選の時点のFIFAランキングは106位で第4シードとなる。開幕戦は1月13日、メイン会場であるアビジャンのアラサン・ワタラ競技場で行われた。6万人収容のこのスタジアムは中国の力によって2020年に建設され、コートジボワールの現職の大統領の名を冠している。

■攻め続けたコートジボワールが開幕戦を制す

 ギニアビサウのキックオフで試合は始まったが、コートジボワールは立ち上がりから攻め、3分にCKのチャンスを得る。ギニアビサウはGKがパンチングしてピンチから逃れたかと思ったが、フランク・ケシエがボールを拾ってセコ・フォファナが右足でシュート、開催国がこの大会初のゴールを決めた。ケシエはバルセロナ(スペイン)からアル・アハリ、フォファナはRCランスからアル・ナスルへと今季サウジアラビアのクラブに移籍している。その後もコートジボワールは攻め続け、34分のフォファナのシュートはバーに当たって追加点にはならなかった。その後、ジャン・フィリップ・クラッソが連続してシュートするが、これもまた追加点にはつながらず、前半はコートジボワールが1点リードで折り返す。
 後半になってクラッソがようやく追加点を奪う。終始優位に試合を進めたコートジボワールは2-0で開幕戦を制した。

■第2シードながらコートジボワールよりもFIFAランキングの高いナイジェリア

 コートジボワールの第2戦の相手はナイジェリアである。コートジボワールは開催国ということで第1シードとなっているが、組み合わせ抽選時のFIFAランキングは50位で参加24か国中9番目、すなわち開催国でなければ第2シードとなっている。逆に開催国のコートジボワールに第1シードを奪われたのがFIFAランキング40位で参加国中6番目のナイジェリアなのである。2013年大会の優勝を最後にアフリカネーションズカップでもワールドカップでも特筆すべき成績を残していないが、攻撃陣にセリエAで活躍するビクター・オシムヘン(ナポリ)、アデモラ・ルックマン(アタランタ)、サムエル・チュクウェゼ(ACミラン)がそろっている。第1戦は赤道ギニアに先制点を奪われ、その直後に追いついたが勝ち越すことができず、引き分けに終わっている。

■PKの1点でナイジェリアがコートジボワールに勝利

 18日にアラサン・ワタラ競技場で行われた試合、好カードとあって開幕戦よりも1万人以上多い4万6000人が集まった。両チームの対戦は8年ぶり、その時はナイジェリアが1-0で勝利している。ただ、コートジボワールは昨年6月から負けがないのに対し、ナイジェリアは10月以降勝ちがないと、対照的な戦績であり、地元ファンの期待は高まる。試合は激しい攻防となった。ボール支配率はコートジボワールが優勢であったが、シュート数はほぼ互角、その中で決勝点につながったのが後半51分のプレーである。コートジボワールのヤヒア・フォファナがペナルティエリア内でオシムヘンを倒してしまう。VARの結果、主審はペナルティスポットを指さした。キッカーは主将のウィリアム・トロースト・エコングである。これを決めてナイジェリアは先制する。10分間という長い後半アディショナルタイムでもコートジボワールは追いつくことができず、ナイジェリアは枠内シュート1で1点をあげて、勝利した。
 最終戦を前にして、グループAは赤道ギニアとナイジェリアが勝ち点4で並び、勝ち点3のコートジボワールは3位に沈んだのである。(続く)

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