第3328回 開催国コートジボワールが優勝(4) コンゴ民主共和国とコートジボワールも準決勝進出

 平成23年東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨、令和6年能登半島地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■1勝もしないまま準々決勝に進んだコンゴ民主共和国

 今大会の準々決勝にはポルトガルを宗主国とするアンゴラとカーボベルデという2か国が進出したが、いずれも敗れた。アンゴラはナイジェリア、カーボベルデは南アフリカと英国から独立した伝統国に敗れた。
 今回は準々決勝の残り2試合を紹介しよう。2月2日にはコンゴ民主共和国とギニアの試合が行われた。
 コンゴ民主共和国はグループFで3引き分けであったが2位に入り、決勝トーナメント1回戦では同じくグループリーグ3引き分けのエジプトをPK戦で下したことは本連載第3326回で紹介した通りである。記録上は両チームとも今大会に入って4引き分けであったが、明暗が分かれ、コンゴ民主共和国は一度も勝利しないままベスト8入りした。
 一方のギニア、グループリーグは3位であるが、1勝1分1敗という成績を残し、3位チームの中では最高の成績を残し、決勝トーナメント1回戦でもグループAでナイジェリア、コートジボワールを押さえて首位になった赤道ギニアを下し、ここまでの成績は2勝1分1敗である。
 ギニアのキックオフで始まった試合、先にゴールを脅かしたのはコンゴ民主共和国、1分にシュートを放つが、ギニアのGKが手ではじき出す。その後もコンゴ民主共和国がギニアのゴール前でプレーを続けるが、先制点は奪えない。ギニアは引き気味でボールを保持する展開となる。そして17分、コンゴ民主共和国の選手がペナルティエリア内でファウル、VARの結果、ギニアのPKが与えられ、ルアーブルに所属するモハメド・バヨが先制のゴールを決める。

■ギニアの先制を許したが、逆転で今大会初勝利したコンゴ民主共和国

 これに対してコンゴ民主共和国は27分にCKからファーポストにいたマルセイユに所属するシャンセル・ムバンバがシュートで同点にする。ここから試合はコンゴ民主共和国のペースとなる。後半に入って62分、ギニアはコンゴ民主共和国の攻撃を止められず、ペナルティエリア内でファウル、今度はコンゴ民主共和国のPKとなり、ヨアン・ウィッサが決めて逆転する。ギニアはボールを保持するが、ゴール前の攻撃に結び付けられない。逆にコンゴ民主共和国は82分にDFのアーサー・マスアクが攻めあがり、そのままシュート、決定的な得点差となる。コンゴ民主共和国が2015年大会以来の準決勝進出を決め、ギニアは敗退した。ギニアは14回目の出場であるが、これは優勝をしたことのない国としては最多出場回数となった。

■前半終了直前に1人が退場して守勢のコートジボワール

 コンゴ民主共和国と準決勝で対戦するのがコートジボワールとマリの勝者である。マリは1回戦と先発1人だけを入れ替えたが、延長、PK戦まで戦ったコートジボワールは選手を3人入れ替えた。試合は序盤から激しくなり、15分にはマリのラシン・シナヨコがペナルティエリア内でオディロン・コスヌに倒され、コスヌにイエローカード、マリにPKが与えられる。ところがアダマ・トラオレのPKはマリのGKヤヒア・フォファナにはじかれ、失敗する。その後も両チームにイエローカードが出され、44分にはコスヌが2枚目のイエローカードで退場となり、コートジボワールは1人少ない状態で後半を戦うことになった。
 守勢のコートジボワールはFWの選手をDFに交代、守備に重点を置いた布陣に切り替える。しかし、一方のマリは中盤の選手を前線の選手に入れ替え、これが功を奏する。71分、マリは交代出場してきたネネ・ドルジェルが先制点を決める。

■後半と延長後半の終了間際にゴールをあげて勝利したコートジボワール

 リードされたコートジボワールはここから攻撃の選手を投入、90分にシモン・アディングラが同点ゴールを決め、試合は延長戦に入る。延長後半も終わろうとした120分、左サイドのセコ・フォファナからのパスをウマール・ディアキテが左足のヒールキックで決勝点をあげる。開幕戦以来の勝利となったコートジボワールが準決勝進出を果たしたのである。(続く)

このページのTOPへ