第3352回 ドイツ、チリと連戦(8) フランス、チリに逆転勝利

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■マルセイユに垂れこめた暗雲

 ドイツ戦に続いて試合開始から10分以内に先制点を許してしまったフランス、1981年以来の年が始まってからの連敗もベロドロームに集まった5万人のファンの脳裏をよぎった。パリならびにその近郊以外で最も多くの代表戦を開催しているのがこのマルセイユである。これまでの17試合で10勝3分4敗という成績、このベロドロームではラグビーも本連載第3322回から第3324回で紹介した通り、2月2日の6か国対抗の開幕戦でアイルランドに記録的大敗を喫している。さらにマルセイユのファンの心の支えである唯一のマルセイユ所属選手のジョナタン・クロースも開始早々に負傷のため退場してしまった。

■フランスの武器となるユスフ・フォファナのペナルティエリア外からのシュート

 ドイツ戦では先制点を与えた後、沈黙してしまったフランスであったが、サッカーの都マルセイユでのチームは違った。失点した直後から、積極的に攻める。レギュラー級の選手が出場したドイツ戦、控え選手中心のチリ戦という選手のモチベーションの差も存在したのであろう。
 フランスが同点に追いついたのは18分のことであった。主将として2試合連続出場となるキリアン・ムバッペがペナルティエリアの外でボールをキープ、チリは3人でムバッペをマーク、組織的な守備を個人技で破るのは無理と判断したムバッペは中央のユスフ・フォファナにパス、これをフォファナはダイレクトでシュート、チリの守備陣にあたったこともあり、GKのクラウディオ・ブラボーはわずかに及ばず、ゴールネットにシュートは吸い込まれた。フォファナはこれが代表での3得点目となったが、いずれも今シーズン記録したものであり、ペナルティエリア外からのシュートである。今季ペナルティエリア外から3得点をあげている選手は欧州ではユスフだけである。二列目からのシュートはフランスにとっては大きな武器であり、フォファナは欧州選手権を前に自らの地位を獲得したと言えるであろう。
 そして、このゴールをアシストしたのはムバッペ、これが代表での27個目のアシストとなり、ティエリー・アンリと並んで歴代2位となった。なお、トップはこの連戦は欠場しているアントワン・グリエズマンの30であり、これからも2人はアシストの数字を積み上げていくであろう。

■ランダル・コロムアニが逆転シュート

 フランスがやや優位に試合を進めていく中で、25分に逆転ゴールが生まれた。左サイドからの攻撃、テオ・エルナンデスが左サイドでボールをキープ、チリの守備陣が詰めることもなく、テオ・エルナンデスはFKのような状態でボールをゴール前にあげる。これをランデル・コロムアニがヘディングで競り勝って、ゴールを決める。なお、テオ・エルナンデスはこれが8つ目のアシストとなる。テオ・エルナンデスはこれ以外に2ゴールも決めている。かつてサイドDFとして多くの得点を演出したビリー・サニョルは9アシスト、こちらもサニョルの記録を抜くのが楽しみである。

■オリビエ・ジルーが追加点、チリに勝利

 前半はフランスがリードしたまま終えることになるが、前半終了間際に今度はエドゥアルド・カマビンガが負傷でプレー続行不可となり、マテオ・ゲンドウジが入ってきた。現在はイタリアのラツィオ・ローマに所属しているゲンドウジであるが、昨季まではマルセイユに所属していた。またゲンドウジの背番号は7、この連戦に欠場しているアントワン・グリエズマンが10年近く着用してきた背番号である。
 後半に入って、フランスは試合を支配し、72分には右サイドでボールをキープしたコロムアニが出したマイナスのパスをオリビエ・ジルーがシュート、これが決まって3-1となった。
 対するチリはマルセイユで1シーズンに18点をあげたアレックス・サンチェスもゴールを決めることができず、後半立ち上がりにエドゥアルド・バルガスがポスト直撃のシュートで同点にできず、ようやく82分にダリオ・オソリオが1点差に迫るシュートを決めるが、同点に追いつけなかった。
 フランスはブーイングを浴びながらプレーしたパリサンジェルマンのムバッペ、コロムアニの活躍でチリを3-2と下したのである。(この項、終わり)

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