第251回 2003ラグビーワールドカップ開幕(3) 予選プールを首位で突破

■ワールドカップイヤーの成績は今ひとつのフランス

 北半球の雄フランスであるが、今年は今ひとつの成績である。春先の六か国対抗では連覇を狙ったが、イングランド、アイルランドに敗れ、3位にとどまっている。また6月の南半球遠征ではアルゼンチンに連敗、大会前にはマルセイユでイングランドに勝ったものの、国際ラグビー連盟発表のランキングではイングランド、ニュージーランド、アイルランド、豪州に次ぐ5位である。

■ワールドカップで4度目の対戦となるフィジー戦を突破

 フランスは予選プールではスコットランド、フィジー、日本、米国と戦うプールBとなった。2位までに入れば決勝トーナメント進出であり、そのための第一関門は初戦で戦うフィジーである。フィジーは1987年大会の準々決勝、1991年大会、1999年大会の予選プールと今まで3回対戦し、フランスの3戦3勝。それ以外にもテストマッチで3回対戦しているが、いずれもフランスが勝っている。しかし、第1回大会で唯一インターナショナルボード以外から8強入りしたフィジアンマジックを甘く見てはならない。昨年のサッカーのワールドカップで犯した過ちを繰り返してはならない。
 ブリスベーンでの初戦はサッカーの欧州選手権予選のイスラエル戦と同じ10月11日であるが、サッカーを大きく上回る注目を集めた。開始早々、フランスは反則を犯し、フィジーに先制点を許す。フランスもその後2本のPGを決め逆転するが、両チームを通じての初トライは26分のフィジーであり、ここでフランスは6-8と逆転される。ボール支配力に優り、タックルの成功率の高いフランスはその後2本のPGを決め、12-8と突き放す。ようやくフランスに初トライが生まれたのは34分のことであり、36分にも連続トライを決め、前半は24-8とリードして終了。後半も安定した戦いで、終わってみれば61-18の大勝、この試合でフランスは7つのトライをあげ、キッカーのフレデリック・ミシャラクは26点をあげ、フランス代表のワールドカップにおける1試合最多得点を記録した。

■町をあげて日本を応援したタウンズビルで苦戦

 18日の第2戦は日本戦である。日本とも今まで負け知らずであるが、思わぬ大敵がフランスを待っていた。それは試合会場のタウンズビルの観衆である。ラグビーのワールドカップがいわゆる伝統的な強国中心を軸として運営されていることは前々回の連載で紹介したとおりであるが、その動きの中で弱小国、新興国にも光を、ということで今大会の主催者は試合会場ごとに特定の弱小国を応援するように割り当てた。そしてこのタウンズビルは日本領事館の存在もあり、町を上げて日本を応援することになったのである。しかも日本は初戦のスコットランド戦で見事な試合運びを見せ、足首に突き刺さるタックルはタウンズビルの人々を魅了した。ブリスベーンから移動してきたフランスにとってはアウエーゲームとなり、前半は20-16と言う僅差で、その後も1点差まで追い上げられる。ここでフランスはスタンドのブーイングを気にせずにFW勝負に出る。南半球でのワールドカップ、勝つことが全てである。勝つことが全てと言う価値観を持地はじめた時間帯がスコットランドよりも早かった分、フランスは日本に差をつけて勝つことができたのであろう。ファイナルスコアは51-29、しっかりと6トライをあげて、ボーナスポイントも獲得した。

■予選プール首位をかけたスコットランド戦で大勝

 そして25日のスコットランド戦を迎える。決勝トーナメント進出が目標ならば勝敗は関係ない。しかしこのスコットランド戦に敗れると予選プールで2位となり、決勝トーナメント1回戦(準々決勝)で予選プールAの1位チームと対戦する。予選プールAの1位は豪州が有力視されており、1987年大会、1995年大会と地元チームに屈した、フランスとして豪州との早すぎる対戦は避けたいところである。春先の六か国対抗で苦汁を飲んでいるとは言え、アイルランドとの戦いを望みたいところであり、その思いは相手のスコットランドも同じであろう。スコットランドとは春の六か国対抗で38-3と大勝、その相性のよさも加わり、前半からフランスは得点を重ねる。一方、タックルもよく決まり、スコットランドをノートライに押さえる。5トライをあげたフランスは51-9とスコットランドをボーナスポイント付きで下し、プールBでの首位を早々と確定する。
 この結果、31日の米国戦は完全な消化試合となり、気分はすでに11月9日のメルボルンでの準々決勝。相手は春先に死闘を演じて一歩及ばなかったアイルランドであろう。アイルランドを破れば、同じく六か国対抗で敗れたイングランドが準決勝で待っている。この2つの北半球のライバルを倒し、ファイナルでは南半球のチームにチャレンジするのである。(この項、終わり)

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