第540回 ラグビー・フランス代表100周年(6) ウェールズに逆転勝利、100周年飾る優勝

■4チームに優勝の可能性が残る最終節

 宿敵イングランドに大勝し、最終節を迎える段階で首位に躍り出たフランス、ここで順位と最終戦の相手を確認しよう。首位はフランス(3勝1敗、得失点差+58)、2位アイルランド(3勝1敗、得失点差+30)、3位イングランド(2勝2敗、得失点差+18)、4位スコットランド(2勝2敗、得失点差-6)、5位ウェールズ(1勝1分2敗、得失点差-50)、6位イタリア(1分3敗、得失点差-50)となっており、最終節はイタリア-スコットランド、ウェールズ-フランス、イングランド-アイルランドの3試合が3月18日に2時間おきに行われる。テレビ中継を考慮した試合スケジュールである。
 優勝の可能性が残されているのは上位4チーム。フランスが勝った場合でも、アイルランドがイングランドを大差で下せばアイルランドに優勝の可能性がある。またフランス、アイルランドがともに敗れた場合はイングランド、スコットランドにも得失点差でチャンスがある。

■相性のいいカーディフでの6か国対抗

 フランス-ウェールズ戦に先立って行われたイタリア-スコットランド戦はスコットランドが13-10と辛勝、得失点差で優勝争いから脱落した。フランスはイングランド-アイルランド戦の結果を待たなくてはならないが、ウェールズ戦で大差をつけて勝利したいところである。
 ウェールズは昨年の優勝国、スタッド・ド・フランスでは敗れている。しかし、過去10年間、ウェールズで行われた6か国対抗ではフランスは負けていないという実績を持つ。カーディフのミレニアム競技場の一戦、ベルナール・ラポルト監督はイングランド戦とは右フランカーだけを入れ替えただけの先発メンバーで臨む。

■リードを許したが、残り6分で逆転

 しかし、優勝のプレッシャーを前に、フランスは先手を取られる。5分に自陣ゴール前で反則、PGで先制を許す。12分にディミトリ・ヤシビリのPGで追いつくが、26分にもPGを決められ再びリードを許す。さらに32分にはハルデン・ラスコンブにこの試合両チームを通じて初のトライを決められ(ゴール失敗)、3-13と10点差をつけられる。前半終了間際にヤシビリが40メートル以上のPGを決めて、前半を6-13というスコアで終える。
 後半の先手を取ったのはフランスであった。途中出場したフッカーのディミトリ・サルゼルスキーがフランスとして初のトライ、2点差に迫る。しかしウェールズは56分にPGで手堅くリードを5点差に広げる。試合時間は残り25分、フランスが負ければアイルランドは気落ちしたイングランド相手に引き分け以上で優勝となる。70分にはミシャラクがゴールラインを越えるがトライは認められず、時計の針は動いていく。そして74分、歴史を変えるトライが生まれた。代表8試合目というフローリアン・フリッツ、ラポルト監督が我慢し続けて起用してきた若いCTBが赤い壁を破ってゴール中央にトライ、ヤシビリに代わって出場していたジャン・バプティスト・エリサルドのゴールも決まり、18-16と初めてフランスがリードしたのである。さらに試合終了間際にもエリサルドは40メートルのPGを決める。結局21-16とフランスは勝利し、4勝1分、得失点差+63でシーズンを終えたのである。

■15回目の優勝、過去10年間で5回の優勝

 カーディフでのフランスの歓喜の直後にロンドンのトゥイッケナムで行われたイングランド-アイルランド戦はアイルランドは勝利したものの、28-24というスコアで、得失点差は+34にとどまり、フランスが優勝、100周年に大輪の花を飾ったのである。
 フランスの優勝は2年ぶり15回目となり、優勝回数はイングランド(25回)、ウェールズ(23回)に次いで単独3位(4位は14回のスコットランド、5位は10回のアイルランド、イタリアは優勝なし)となった。過去10年間のうち5回に優勝、わずか10年前の優勝回数はアイルランドと並んで最下位であった。
 そしてクリストフ・ドミニシ、トマ・カステニエード、オーレリアン・ルージェリのバック3は奔放に走り回り、1980年代のサッカーのミッシェル・プラティニ、アラン・ジレス、ジャン・ティガナ、ルイ・フェルナンデスを思い起こさせた。
 フランス代表といえば15人の彼らを指すことになり、サッカーのフランス代表は完全にかすんでしまったのである。(この項、終わり)

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