第1480回 フランスラグビー、最高の11月(2) フランスが5連敗中で、7年間勝っていない豪州

 昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■ワールドカップで2度対戦しているフランスと豪州

 今年の秋のウインドウマンスで南半球勢を迎え撃つフランス、初戦の相手は豪州である。フランスと豪州というと1987年の第1回ワールドカップでの準決勝での対戦を思い出される方も多いであろう。この時はフランスが30-24と競り勝ち、栄えある最初のファイナル進出を決めている。また、両国は1999年大会の決勝戦で対戦し、豪州が2度目の優勝を飾っている。
 しかし、その後、フランスと豪州がワールドカップで対戦することはなく、昨年のワールドカップでは、豪州は準決勝でニュージーランドに敗れ、3位決定戦ではウェールズを下し3位になっている。ワールドカップの対戦としては、フランスはニュージーランドとは6回(フランスの2勝4敗)、アルゼンチンとは3回(フランスの1勝2敗)しているが、豪州とはこの2回だけ、南アフリカとは1回だけ(フランスの1敗)しか戦っていない。

■2000年代に12回対戦、現在フランスが5連敗中

 1999年のワールドカップ以降はテストマッチで豪州と対戦しているが、2000年代に入ってからのテストマッチでの対戦成績を振り返ってみると、フランスは3勝9敗と、大きく負け越している。しかも、フランスが最後に豪州に勝利したのは2005年11月にマルセイユで26-16で勝利したのを最後に現在5連敗中であり、直近の対戦である2年前の2010年11月27日の対戦は16-59と大敗しており、これはフランスの豪州戦における最多失点、最多得点差というワーストゲームである。
 他の南半球の強豪国との対戦を見てみると、南アフリカとは2000年代に入ってからの対戦成績はフランスが6勝1分3敗と勝ち越しており、2010年6月の直近の対戦では敗れているが、その前の2009年11月での対戦では勝利している。ニュージーランドとは実に17回も対戦している。フランスは3勝1分13敗と大きく負け越しており、現在は4連敗中であるが、最後にニュージーランドに勝利したのは2009年6月のダニーデンでのテストマッチである。
 世界レベルで豪州とニュージーランドの力関係を見てみると、ニュージーランドの方が上であるが、どうもフランスは豪州を苦手としているようである。

■ヤニック・フォルスティエとジョセリノ・スタが代表にデビュー

 昨年のワールドカップ決勝トーナメントでの快進撃から一転して苦しい戦いの続くフィリップ・サンタンドレ監督率いるフランスフィフティーン、その多くは昨年のワールドカップからのメンバーであるが、この日が代表デビューという選手が2人いる。左プロップのヤニック・フォルスティエと右ロックのジョセリノ・スタである。フォルスティエは30歳、スタは29歳とすでにベテランの域に入っての初代表である。スタは当初先発予定だったヨアン・マエストリが試合前日に負傷したために、急きょ背番号5のジャージーを着用することになった。

■6月のアルゼンチン遠征で代表入りしたマキシム・マシュノーとブリース・デュラン

 一方、バックス陣には代表デビューではないものの、代表歴の浅い選手が2人入った。1人はスクラムハーフを務めるマキシム・マシュノー、ラシンメトロに所属する23歳の若者である。代表には今年6月23日のアルゼンチンとの第2テストマッチに出場、デビュー戦を49-10で飾った。ラシンメトロでは今季のハイネケンカップでムンスター相手に見事なトライをあげており、モルガン・パラを押しのけてこの日が代表2試合目である。
 そしてもう1人がフルバックのブリース・デュランである・デュランはマシュノーより若い22歳であるがマシュノーよりも1者委は約代表にデビューしている。コルドバで6月16日に行われたアルゼンチンとの第1テストマッチで背番号15をつけてプレー、20-23と惜敗したが、フル出場し、首脳陣の信頼を得て第2テストマッチも出場、この日が代表3試合目となる。
 一方の豪州は代表デビューの選手こそいないが、代表出場歴一桁の選手6人、そのほとんどがワールドカップ以降に代表にデビューしているが、6月のウェールズ遠征、8月から10月にかけての南半球勢とのテストマッチで経験を重ねており、フランスにとっては厳しい戦いになると予想されたのである。(続く)

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