第1486回 2015年ラグビーワールドカップ組み合わせ決定

 昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■組み合わせ抽選段階における4位以内を確定したフランス

 前回までの本連載ではラグビーのフランス代表がウインドウマンスの11月に豪州、アルゼンチン、サモアに3連勝したことを紹介した。フランスが秋のウインドウマンスに全勝したのは、豪州、カナダ、トンガ、南アフリカ相手の4連勝した2005年以来5年ぶりの快挙である。フランスはこの3連勝で世界ランキングを4位まで上昇させ、12月1日に行われるイングランド-ニュージーランド戦とウェールズ-豪州戦を前に12月3日時点での4位以内を確定させた。
 すでに本連載で紹介したとおり、12月3日には2015年のラグビーワールドカップの組み合わせ抽選会が行われる。昨年の2011年大会も大会の3年前の2008年12月に組み合わせ抽選が行われている。本大会の3年前の勢力でシードを決めるというのも奇妙な感じがするが、来年の夏のウインドウマンスは英国四協会によるブリティッシュライオンズが平成され南半球遠征を行うため、英国四協会の力だけではなく迎え撃つ南半球勢の力を反映することができない。

■サモアが第2シード入り、ウェールズは第3シードに

 さて、フランスの第1シード入りと並んで注目を集めたのが第2シード入りとなる世界ランキング8位以内を目指すサモアである。日本の皆様もよくご存じの通り、初夏のパシフィックネーションズカップではほとんど日本と互角の戦いをした相手であるが、このウインドウマンスはカナダ、ウェールズに勝利し、フランスを陣地とボール支配率で圧倒しながら、試合には敗れた。この結果、11月末の段階で世界ランキングはアルゼンチンと並んで8位である。そして、サモアに敗れて世界ランキング7位のウェールズは豪州をカーディフに迎える。
 ウインドウマンスから1日ずれた12月1日は当初注目を集めるであろうと思われていたトゥイッケナムでのイングランド-ニュージーランド戦よりもこのウェールズ-豪州戦の方が注目を集めたのである。今年の6月にウェールズは豪州で3試合行い、いずれも僅差で豪州が勝利している。そしてこの日はロースコアでの僅差の勝負となったが結局、豪州が14-12で勝利した。敗れたウェールズは世界ランキングを2つ落とし、7位にサモア、8位にアルゼンチンとなり、9位のウェールズは第3シードとなったのである。

■第1シードから第5シードまでの顔ぶれ

 この結果、2015年のワールドカップのシードは第1シードに世界ランキング1位から4位までのニュージーランド、南アフリカ、豪州、フランス、第2シードの世界ランキング5位から8位までのイングランド、アイルランド、サモア、アルゼンチン、第3シードには世界ランキング9位から12位までのウェールズ、トンガ、イタリア、スコットランドが名を連ねることになった。なお、ワールドカップには全部で20か国が参加するが、前回大会の予選プールで3位までに入った12か国は次回の大会の予選免除となる。昨年のワールドカップの予選プールで3位までに入った12か国がそっくりそのまま現在の世界ランキングで上位12位までを占めることになった。残り8か国はこれから予選で決定するが、第4シードにはアメリカ第1代表、欧州第1代表、アジア代表、オセアニア代表、第5シードにはアフリカ代表、アメリカ第2代表、欧州第2代表、プレーオフ進出チームとなった。

■幸運なくじとなったフランス、豪州はイングランド、ウェールズと同プール

 フランスにとって避けたいのは第2シードのイングランドと第3シードのウェールズ。イングランドは12月1日にニュージーランドを38-21と下し、地力のあるところを見せている。そしてウェールズについても昨年のワールドカップ準決勝でフランスは苦戦し、今年の6か国対抗では全勝優勝、第2シードから外れたのが不思議である。
 そして抽選の結果、プールDのフランスは第2シードからアイルランド、第3シードからイタリア、第4シードからはアメリカ第1代表、第5シードからは欧州第2代表となった。誰しもが恐れていたイングランドとウェールズはそろって豪州のいるプールAになった。フランスはかなり運のいいくじを引き、悲願の初優勝を目指すのである。(この項、終わり)

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