第1680回 フランス、逆転優勝ならず(2) ウェールズに大敗、スコットランドに辛勝

 3年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■ウェールズ相手に大苦戦

 6か国対抗でイングランド、イタリアに連勝し、迎える第3戦はウェールズで今年初のアウエーゲームである。フランス以外に連勝しているチームはアイルランドだけであり、フランスは最終戦でアイルランドをスタッド・ド・フランスに迎える。ファンもグランドスラムをかけたアイルランドとの戦いを期待している。
 ところが、このウェールズ戦、フランスは大苦戦となる。ウェールズのタックルにフランスの攻撃陣は苦戦し、ボールを保持しても攻撃につなげることができない。特にイタリア戦でよいパフォーマンスを見せたスリークォーターバックは完全に止められた。開始3分でウェールズはペナルティゴールで3点を先制、さらに6分にはラインアウトからバックス陣がボールをつなぎ、ビデオ判定はあったがジョージ・ノースが初トライ。ノースはこれまでウィングとしてプレーしており、この試合がセンターとして初めての出場であるが、大きなトライを決めた。さらにウェールズはペナルティゴールを決めて11-0とリードし、フランスの初得点は17分にジャン・マルク・デュサンによるペナルティゴール。この後の前半の得点はペナルティゴールのみで、ウェールズが2本、フランスが1本決めて、20-6でハーフタイムを迎える。32分のジュール・プリソンのペナルティゴールがこの試合でフランスの最後の得点となってしまった。

■ノートライで大敗したフランス

 後半に入ってもフランスはボールを支配するが、ウェールズのタックルに苦しみ、無得点に終わる。一方のウェールズは64分にサム・ウォーバートンがゴールライン上にボールをタッチダウン、ビデオ判定でトライが認められ、リー・ハーフペニーのコンバートも決まり、27-6とフランスの望みを砕いた。結局、27-6という大差でウェールズが勝利、フランスはグランドスラムの夢がついえた。なお、翌日にロンドンで行われたイングランド戦でアイルランドは10-13と敗れ、全勝チームはなくなり、フランス、ウェールズ、アイルランド、イングランドの4チームが2勝1敗で並ぶ。下位についてはイタリアを21-20と振り切ったスコットランドが1勝2敗、イタリアは3連敗となった。

■大幅にメンバーを入れ替えたスコットランド戦

 第4節はまた中2週で3月8日と9日に行われた。3月8日にアイルランド-イタリア戦とスコットランド-フランス戦、そして9日に上位陣同士のイングランド-ウェールズ戦がある。フランスはウェールズ戦同様にアウエーゲームとなるがスコットランド相手に勝利をあげておきたい。フランスは低調だったウェールズ戦と先発メンバーを大幅に入れ替える。FWは第三列全員を含む4人、HBはスクラムハーフのジャン・マルク・デュサンに代えてマキシム・マシュノー、バックスラインはウーゴ・ボネバルとウェスレー・フォフォナという若手に代えてマキシム・メダール、マキシム・メルモズというベテランを起用し、ほぼ半数の7人が入れ替わった。

■終了直前のペナルティゴールでようやく勝利したフランス

 気分を一新し、現在7連勝中のスコットランドに勝利したいフランスであり、開始早々の2分のファーストスクラムでペナルティを得たフランスはマシュノーがペナルティゴールを決めて先制、さらに11分にもペナルティゴールが決まり、6-0とリードしたが、その直後の12分にスコットランドはトライを決め、ゴールも成功し、7-6と逆転する。フランスは17分にペナルティゴールで逆転するが、22分にスコットランドはこの試合で2本目のトライを決めて、ゴールも決まり14-9とリードする。フランスはラインアウトで次々とボールを奪われ、ボール支配率でもスコットランドを下回り、大苦戦となる。
 後半に入ってフランスはようやく待望の初トライをあげる。45分にヨアン・ウジェがインターセプトし80メートルを独走、ゴールポスト下にトライ、ゴールも決まり、16-14と再逆転。僅差の試合となり、61分にスコットランドはペナルティゴールのチャンス、キッカーをダンカン・ウェアに代え、見事に成功し、17-16と1点のリードを奪う。このまま時計の針は進み、フランスは負けたかと思われたが、78分、パネルティのチャンスを得て、途中交代出場のデュサンが成功させ、19-17と辛勝したのである。(続く)

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