第1679回 フランス、逆転優勝ならず(1) イタリアに勝利し、久々の連勝

 3年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■相性のいいスタッド・ド・フランスでのイタリア戦

 第1665回の本連載では今年の6か国対抗の初戦でフランスがイングランドに終盤の逆転劇で26-24と僅差で勝利したことを紹介した。2月1日から始まった今年の6か国対抗であるが、第2節はその翌週の2月8日と9日に行われた。2月8日には2試合が行われ、第1戦で勝利したアイルランドとウェールズが対戦し、アイルランドがウェールズに26-3と大勝し、開幕2連勝を飾った。もう1試合は第1戦で黒星を喫したスコットランドとイングランドが対戦し、イングランドが20-0と完封勝利し、初勝利をあげた。そして9日、前週に続いてスタッド・ド・フランスでのゲーム、フランスが迎え撃つチームはイタリアである。2000年に6か国対抗に加盟して以来、フランスでの試合で勝利したことはない。またスタッド・ド・フランスでの試合でイタリアの失点は1試合当たり平均34点、フランスにとってはかなり相性のいい相手であると言えるであろう。

■ペナルティゴールのみのスコアとなった前半

 フランスはこの試合で代表歴の浅い選手を起用し、左ウィングのウーゴ・ボネバルが初キャップ、スタンドオフのジュール・プリソンはイングランド戦で代表にデビューしたばかりの選手である。イタリアは青のジャージ、対するフランスは白のジャージでこの1戦を迎える。試合開始以降、イタリアの出足がよく、フランスはなかなかボールを獲得することができず、劣勢になる。27分、フランスはペナルティゴールのチャンスを得て、スクラムハーフのジャン・マルク・デュサンが先制点、3-0とスコアが動く。イタリアもその2分後にペナルティゴールで追いつくが、フランスは34分、39分とペナルティゴールを確実に決め、前半は9-3というスコアで折り返す。

■代表デビューのウーゴ・ボネバルが初トライ

 後半に入り、43分、フランスは待望の初トライをルイ・ピカモールがあげ、ゴールも成功し、16-3とイタリアを突き放す。ラインアウトのチャンスからFWが前進、きわどいプレーとなり、テレビマッチオフィシャルの判定の結果、トライが認められる。その直後の45分、今度はウェスレー・フォフォナがゴール中央にトライし、ゴールも決まり、23-3とリードを広げる。
 さらに52分にはフォフォナが自陣22メートルライン付近でインターセプトし、40メートルを独走、ボネバルにつないで、代表デビュー戦でのトライとなる。この試合でフランスの主将を務めているパスカル・パペ、ボネバルのトライをお膳立てしたフォフォナ、控えスクラムハーフのマキシム・マシュノーも代表デビュー戦でトライをあげている。

■久しぶりの連勝で、アイルランドとともに連勝スタート

 フランスは30-3と大差をつけるが、フランスの得点はここで止まってしまう。72分にはスクラムで小競り合いがあり、フランスのラバ・スリマニとイタリアの選手がそれぞれレッドカードで退場となる。この時、すでにフランスはシンビンのイエローカードで1人足りなかったため、ピッチの上はフランス13人、イタリア14人となる。数的優位に立つイタリアは77分に1トライ(ゴール成功)あげるが、最終スコアはフランスが30-10と勝利し、フランスは連勝する。フランスの連勝は2012年11月以来のことである。第2節を終わったところで連勝しているのはフランスとアイルランドだけとなったのである。
 第3節は1週あけて、2月21日の金曜日にウェールズのカーディフで行われる。今年の大会で唯一の土日以外の開催、ソチオリンピックとの関係もあるであろう。ウェールズは第1節でイタリアに23-15と辛勝、第2節はアイルランドに3-26と大敗している。アウエーとはいえ、フランスが優勢と思われたが、フランスは2011年のワールドカップの準決勝で9-8と辛勝して以来、6か国対抗でウェールズと2回対戦しているが、2012年はカーディフで9-16、昨年はスタッド・ド・フランスで6-16と敗れているのである。(続く)

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