第1667回 2月初めのフランスの快進撃(3) 両エースをダブルスに起用、豪州を下す

 3年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■ダブルスに当初エントリーされていたジュリアン・ベヌトーとガエル・モンフィス

 デビスカップ、ワールドグループ1回戦、これまでに米国に次ぐ28回の優勝を誇る豪州相手に初日のシングルスでフランスは連勝し、2回戦(準々決勝)進出まであと1勝となる。2日目の土曜日はダブルス1試合が行われる。
 デビスカップは木曜日の時点でシングルス4試合、ダブルス1試合のメンバーを発表する。これによるとダブルスに出場する選手はフランスはジュリアン・ベヌトーとガエル・モンフィス、豪州はレイトン・ヒューイットとクリス・グッチオーネである。ベヌトーは2004年にデビスカップチーム入りしたが、なかなか出場の機会に恵まれず、デビューは2010年、シングルスよりはダブルスの出場機会の多い32歳のベテラン選手である。一方、モンフィスは2009年からデビスカップチームで試合に出場しているが、今までにシングルスで7勝2敗という成績を残しているが、ダブルスでの出場機会はない。
 対する豪州のヒューイットは前回の本連載で紹介した通り、シングルスもダブルスもこなすチームの大黒柱として長年活躍してきたとおりである。またグッチオーネは身長205センチという長身選手でこの4年間はダブルスにしか出場していないスペシャリストである。

■アルノー・クレマン監督がメンバー変更、シングルスの2人がペアを組む

 フランスのアルノー・クレマン監督はダブルスのメンバー変更を行った。前日にシングルスでストレート勝ちしたリシャール・ガスケとジョー・ウィルフリード・ツォンガの2人にコンビを組ませることにしたのである。クレマン監督は世界のトップ10のペアへの変更をシングルスで2勝した金曜日の夜に決定した。ツォンガはこれまでにダブルスに3試合出場したことがあり、3戦全勝であるが、いずれもダブルスの専門家のミカエル・ロドラと組んでいる。ガスケはダブルス出場はこれが初めて、デビスカップで初めて2人はペアを組む。
 一方の豪州はメンバー変更はなくヒューイットとグッチオーネのペアである。

■秘策的中、22年ぶりの快挙となる2人で3勝

 試合は第1セット、豪州が7-5と取り、このシリーズで初めてフランスからセットを奪う。ここでフランスのペアはあわてることはなかった。第2セットはタイブレークとなり、フランスが7-4と競り勝って、第2セットを取って、セットカウント1-1、ここから第3セットはフランスが6-2と圧倒し、第4セットもフランスが7-5と競り勝つ。
 フランスは金曜日のシングルス2勝に続き、土曜日でのダブルスでも勝利したため、最終日を待たずして1回戦突破が決定した。2日目で勝利を決めたことは珍しくないが、金曜日のシングルスに出場した2人が土曜日のダブルスでペアを組んで3連勝したというのは1992年の1回戦の英国戦以来実に22年ぶりのことである。この時の2人はギ・フォルジュとアンリ・ルコントであり、前年の決勝で米国を破り59年ぶりの優勝を果たした時もこの2人はシングルスとダブルスで大車輪の活躍であった。
 フランスのテニス史に残るレジェンドともいえる2人以来の魔術を演出したクレマン監督自身も2000年代にデビスカップチームのメンバーとなり、シングルス21試合、ダブルス10試合に出場している。

■5勝で豪州を下したフランス、準々決勝はナンシーでのドイツ戦

 3日目のシングルス2試合は3セットマッチとなり、フランスは当初ダブルスにエントリーしていたベヌトーとモンフィスが登場、第4ラバーはベヌトーがサナシ・コキナキスを6-4、6-1で下し、最終第5ラバーはモンフィスがキルギオスを7-6、6-4と退け、結局フランスは5戦全勝で豪州を下し、5年連続で準々決勝に進出する。
 フランスの準々決勝の相手はスペインを下したドイツである。ドイツとの直近の対戦は2011年、この時はドイツで戦っているため、今回はフランスのホームゲーム。フランス協会は収容人員が6000人のナンシーのジャン・ベイル体育館での開催を発表したのである。(この項、終わり)

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