第1859回 ラグビーの欧州カップ、トゥーロン3連覇 (3) クレルモン、2年ぶり2回目の決勝進出

 4年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■3連覇を目指すトゥーロン、イングランドの古豪を一蹴し、準決勝進出

 予選プールで最も成績の良かったラシンメトロ92が最も成績の悪かったサラセンズをノートライに抑えながら敗れるという波乱の準々決勝、フランス勢として最後に登場したのが現在2連覇中のトゥーロンである。国内リーグであるTOP 14でも昨季は優勝、一昨季は準優勝とフランスを代表するクラブである。対するイングランドのロンドンWASPSはプレーオフから勝ち上がってきたチームであるが、イングランドの国内リーグであるプレミアシップに所属する中で最古の歴史を誇る。この欧州カップもこれまでに2回優勝している。
 トゥーロンの本拠地、マヨル競技場で行われた試合、トゥーロンが前半から得点を重ね、一気に試合を決めた。7分の先制トライはマチュー・バスタロー、スーパーブーツのフレデリック・ミシャラクがゴールも決める。その後、ミシャラクが次々とペナルティゴールを決めて、前半を22-6と折り返す。後半になってロンドンWASPSは2トライを返したが、トゥーロンは前半の貯金のおかげで、32-18と準決勝に進出した。4年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■準決勝はクレルモン-サラセンズ戦とトゥーロン-レンスター戦

 準決勝に進出したのはフランスのクレルモンとトゥーロン、イングランドのサラセンズ、そしてアイルランドのレンスターである。この中で優勝経験のないのがクレルモンであるが、後述する通り、近年は上位の常連である。
 準決勝は4月18日にクレルモン-サラセンズ、19日にトゥーロン-レンスターとなった。この準決勝も予選プールの成績上位チームの本拠地で行うことになり、クレルモンとトゥーロンが迎え撃つ形となるが、欧州カップも準決勝となるとラグビークラブ本来の本拠地では収容できないほどの多くのファンを迎えることになる。クレルモンはサンテチエンヌのジェフロワ・ギシャール競技場、トゥーロンはマルセイユのベロドローム競技場と、いずれも本来はサッカーチームの本拠地でサッカーやラグビーのワールドカップでも使用された巨大競技場に舞台を移して準決勝が行われた。4年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■予選プール、昨年の準決勝でも対戦しているクレルモンとサラセンズ

 クレルモンとサラセンズは予選プールでも対戦しており、10月18日のロンドンでの対戦ではサラセンズが30-23と勝利しているが、今年1月25日のクレルモン・フェランでの対戦はクレルモンが18-6と勝利している。そして、昨季も両チームは準決勝で対戦しているのである。昨年4月26日にロンドンのトゥイッケナムで行われた試合では46-6とサラセンズが大勝している。
 両チームはこのところ準決勝の常連であり、クレルモンは4年連続、サラセンズは3年連続となる。これらを上回る数字を残しているのはアイルランドのムンスターが2000年から2004年にかけて残した5年連続準決勝進出という記録だけである。サラセンズは昨年は決勝に進出したが、トゥーロンに敗れており、準優勝となっている。その前に一昨年の準優勝チームはクレルモンである。サラセンズは優勝経験があるが、クレルモンはまだ優勝したことがない。4年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■ウェスレイ・フォファナのトライで逆転したクレルモンが決勝進出

 満員の4万1500人の集まった中での試合は接戦となった。サラセンズは15分にドロップゴールで先制、クレルモンも27分にペナルティゴールで追いつく。サラセンズが前半終盤にペナルティゴールをあげ、3点リードして折り返す。
 後半になり、ようやくトライが生まれる。44分、クレルモンはウェスレイ・フォファナがトライを決める。昨年のトゥイッケナムでの準決勝にも出場したが、快足を完全に止められてしまい、個人としてもチームとしてもノートライに終わった。その無念をサンテチエンヌの急勾配のスタジアムで晴らすことができた。トライ後のゴールも決まってクレルモンは10-6と逆転する。サラセンズはペナルティゴールで1点差に迫るが、クレルモンは終盤にペナルティゴールを決めて、13-6というスコアで決勝進出を決めたのである。(続く)

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