第2462回 久しぶりの快勝、スコットランドを一蹴(2) 2年ぶりのボーナスポイントを獲得

 8年前の東日本大震災、3年前の平成28年熊本地震、昨年の平成30年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■スタッド・フランスで20年間勝利のないスコットランド

 昨年の最終戦のフィジー戦から歴史的な負けが続いているフランスは2月23日にスコットランドをスタッド・ド・フランスに迎える。スコットランドは昨年のこの大会ではフランスに勝利しているが、フランス国内では相性が悪く、最後にフランス国内で勝利したのは1999年4月の当時の5か国対抗が最後である。フランスがホームのスコットランド戦はこの年からスタッド・フランスで行われており、現在に至るまでスコットランドのスタッド・ド・フランスでの勝利はこれが最初で最後となっている。

■ビデオ判定で2回トライを取り消されたが、7点リードして折り返す

 試合はフランスがセカンドジャージーの白、スコットランドがファーストジャージーの紺を着用し、フランスの19歳のスタンドオフ、ロマン・エンタマックのキックオフで始まった。フランスは開始早々から動きがよく、7分にはダミアン・プノーが右隅にトライしたが、ビデオ判定の結果、直前のプレーでアントワン・デュポンがノックオン、トライは取り消しとなるが、この日のフランスは違うという予感を観客に示した。13分にはこの日先発に起用されたトゥールーズの若者が活躍する。自陣でキックのボールをキャッチしたトマ・ラモスが前進、その後もプヌー、アントワン・デュポンとボールをつないで、最後はエンタマックがゴール右にトライする。トライ後のゴールはラモスが決めて、代表初得点となった。ラモスは18分にもペナルティゴールを決めてフランスが10-0とリードする。
 スコットランドは23分にグレイグ・レイドローがペナルティゴールを失敗するが、26分には成功させて、7点差とし、レイドロー自身も代表で669点となり、スコットランド代表史上歴代2位のスコアラーとなる。フランスは28分にヨアン・ウジェがシンビンとなり、10分間1人足りなくなる。これまでのフランスであれば、ここで逆転されてしまうところであったが、フランスはこの10分間、スコットランドに得点のチャンスを与えず、逆に攻め続け、エンタマックがまたトライをあげたが、これもまたビデオ判定で認められなかった。

■ようやく真価を発揮したマチュー・バスタロー

 フランスの7点リードで迎えた後半、開始早々にここまで期待にそう活躍をできなかったマチュー・バスタローが真価を発揮する。フランスはハーフライン付近からバックスに展開し、バスタローがショートパントをあげ、自らがボールをキャッチして突進する。バスタローからボールを受け取ったガエル・フィクーも突進し、ルイ・ピカモールにつなぐ。最後は左ウイングのウジェがトライをあげる。(ゴールは失敗)

■途中から出場したグレゴリー・アルドリッチが2トライ、ボーナスポイント獲得

 その後もフランスは相手陣内で試合を続け、スコットランドはボールを保持するものの陣地が奪えない。75分にフランスはスコットランドのゴール前でのスクラムを押し込んで最後は途中から出場したグレゴリー・アルドリッチがトライをあげる。バティスト・サランのゴールは失敗したが、20-3とし、勝負はこれで決したが、スコットランドも78分にフランスのディフェンスの緩みをついてアリー・プライスがトライ、エンタマック同様父親が代表として活躍したアダム・ヘイスティングスのゴールが決まったが、20-10とフランスがダブルスコアのリードで残り1分となる。ボールをキープしていたフランスは80分を過ぎたところで外に蹴りだせば勝利となったが、ここでボールはタッチを切らず、試合は続行する。スコットランドからボールを奪ったフランスは今度は4トライ目を狙う。85分にアルドリッチがインゴールに持ち込むが、トライではなく、スコットランドゴール前のスクラムで試合が再開、88分にアルドリッチがトライを決め、サランのゴールも決まり、27-10でフランスが勝利する。
 4トライをあげたフランスは勝ち点4に加えてボーナスポイント1を獲得するが、フランスがボーナスポイントを獲得したのは2017年の6か国対抗のイタリア戦以来ほぼ2年ぶりのこととなる。そして交代選手が2トライをあげたのはフランス代表史上4回目であるが、有力国との試合では初の偉業をアルドリッチは成し遂げたのである。(この項、終わり)

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