第2461回 久しぶりの快勝、スコットランドを一蹴(1) 連敗から中2週間で迎えたスコットランド戦

 8年前の東日本大震災、3年前の平成28年熊本地震、昨年の平成30年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■歴史的な連敗で始まった6か国対抗

 6か国対抗の第2節、フランスはイングランドに6トライを取られて8-44と歴史的大敗を喫した。ミスから次々と失点を重ね、36点差の敗戦は100年以上前の1911年の0-37以来のこととなる。そして6か国対抗でのこれだけの点差での敗戦はそれ以来のこととなる。マチュー・バスタローをカムバックさせながら、第一次世界大戦前以来の惨敗となってしまったチームの指揮官のジャック・ブルネル監督には批判の声が高まった。
 イングランド戦の前の週にはウェールズに16点のリードを奪いながら逆転負け、16点差の逆転はフランスにとっては5か国対抗時代にもなかった屈辱的な記録である。内容の悪い連敗から中2週間で第3節が行われた。第3節の相手はスコットランドである。第1戦ではイタリアに勝利したが、第2節ではアイルランドに敗れ、こちらもワールドカップ前哨戦を落としてフランス戦を迎える。

■7万8000人のファンの前に姿を現したフランスの先発メンバー

 間に週末をはさむことからチームの再構築への時間はある。フランスがどれだけメンバーを変えてくるのかが注目を集めた。ホームのスタッド・ド・フランスにはそれでも満員に近い7万8000人のファンが集まった。フォワード第一列はジェファーソン・ポワロ、ギエーム・ギラド、デンバ・バンバ、ロックはセバスチャン・バーマイナとフェリックス・ランべ、フランカーは左にベンサレス・ローレ、右にアルツール・イトゥリア、ナンバー8にルイ・ピカモール、ハーフ団はスクラムハーフにアントワン・デュポン、スタンドオフはロマン・エンタマック、スリークォーターバックは左からヨアン・ウジェ、ガエル・フィクー、マチュー・バスタロー、ダミアン・プノー、フルバックはトマ・ラモスである。

■ハーフ団をアントワン・デュポンとロマン・エンタマックに入れ替え

 フォワードで入れ替えたのはフランカーのローレだけであるが、驚きはハーフ団である。モルガン・パラとカミーユ・ロペスに代えてイングランド戦では後半途中から出場してゲームの流れを少し変えたデュポン、そしてウェールズ戦ではセンターとして先発出場、イングランド戦では後半途中からスタンドオフに入ったエンタマックを先発のハーフ団として起用する。デュポン22歳、エンタマック19歳という若いトゥールーズの2人がチームの司令塔となる。そしてハーフ団のベンチメンバーにはスクラムハーフにはバティスト・サラン、スタンドオフにはアントニー・ベローが入り、これまで2試合で先発のコンビを組んできたパラとカミーユはジャージーを着ることができず、スタンドからの観戦となったのである。そしてイングランド戦ではトライの起点となったものの不慣れなフルバックを務めたウジェを本来のウイングに戻し、フルバックにはイングランド戦の後半にウジェに代わって出場して代表デビューを飾ったトゥールーズのラモスが初先発となる。ラモスもトゥールーズの選手であり、ブルネル監督は前任のギ・ノベスの育てた選手に望みを託すことになる。

■前週のクラブの試合で負傷者が多発したスコットランド

 一方のスコットランド、第2節のアイルランド戦から1週あいたのが裏目に出た。ちょうどこの間に行われたクラブの試合で、フルバックのスチュワート・ホッグ、センターのヒュー・ジョーンズ、スタンドオフのフィン・ラッセルが負傷し、メンバーから外れた。ホッグとジョーンズはグラスゴーの選手であるが、ラッセルはフランスのTOP14のラシン92に所属しており、2月17日のトゥールーズ戦で負傷してしまった。フランスの強豪同士の対戦であったが、この試合には今回のフランス代表の選手は出場しておらず、スコットランド代表で前週と翌週に6か国対抗の試合があるにもかかわらず出場したラッセルにとっては不運な結果となったのである。(続く)

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