第2569回 準々決勝でウェールズと対戦(3) ベスト4をかけた両国の先発メンバー

 平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、このたびの台風15号などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■イングランド戦用に予想されたメンバーが先発

 フランスはウェールズに対し、劣勢が予想されるが、ワールドカップが始まってから決勝トーナメントに進出し続けている国としての意地を見せるとともにミラクルが起こるのではないかという期待が高まる。
 フランスの先発メンバーは結果的にはイングランド戦で予想されたものと同じになった。FWのフロントローにジェファーソン・ポワロ、ギエーム・ギラド、ラバ・スリマニ、ロック陣はベルナール・ルルーとセバスチャン・バーマイナ、フランカーはベンセラス・ローレとシャルル・オリボン、ナンバーエイトはグレゴリー・アルドリット、スクラムハーフはアントワン・デュポン、スタンドオフはロマン・エンタマック、センターはガエル・フィクーとビリミ・バカタワ、ウイングはヨアン・ウジェとダミアン・プノー、フルバックはマキシム・メダールであり、アルゼンチン戦とはロックのアルツール・イトゥリアがルルーに代わっただけである。

■控えのフルバック不在によりリザーブから外れたアリベルティ・ラカ

 そしてリザーブのメンバーであるが、フォワードはシリーユ・バイユ、カミーユ・シャ、エメリック・セティアノのフロントロー3人、フロントロー以外はルイ・ピカモールとポール・ガブリヤーグで合計5人、バックスはスクラムハーフのバティスト・サラン、スタンドオフのカミーユ・ロペス、追加招集されたバンサン・ラッテスの3人である。専門職であるフロントロー、ハーフ団の5人以外はこの試合を結果的に左右する。フォワードについてはガブリヤーグはロックが専門であり、ピカモールは第三列の選手である。ラッテスはフルバックのトマ・ラモスの負傷により本国から招集されたが、本職はウイングでフルバックもできる選手である。米国戦、トンガ戦で活躍したアリベルティ・ラカを先発に起用するべき、という声もあったが、ウイングが専門のラカはリザーブにも入らなかった。

■2月に大逆転勝ちしたメンバーが多数入ったウェールズ

 一方のウェールズもベストメンバーをそろえてきた。ウィン・ジョーンズ、ケン・オーウェンス、トマス・フランシス、ジェイク・ボール、アラン・ウィン・ジョーンズ、アーロン・ウェインライト、ジャスティン・ティプリック、ジョシュ・ナビディというフォワード、ガレス・デービスとダン・ビガーのハーフ団、バックスはジョシュ・アダムス、ハドリー・パークス、オーウェン・ワトキン、ジョージ・ノース、リーアム・ウィリアムスという名が並ぶ。
 2011年ワールドカップ準決勝を振り返るとフランスはメダールのみ、ウェールズは主将のアラン・ウィン・ジョーンズ、エースランナーのノースが出場していた。2年前の疑惑のロスタイムの6か国対抗ではフランスはギラド、スリマニ、バーマイナ、デュポン、フィクー、バカタワ、バイユ、シャ、サラン、ロペス、ウジェの11人が出場していたのに対し、ウェールズはオーウェンス、フランシス、ボール、アラン・ウィン・ジョーンズ、デービス、ノース、リーアム・ウィリアムスの先発メンバーとリザーブのロス・モリアーティの8人が出場していた。
 今年2月に行われウェールズが大逆転を果たした試合にはフランスが12人出場しているのに対し、ウェールズは18人が出場している。この人数の差こそ、フランスが混迷していることを表している。

■キャリアに大きく差のある両チームの監督

 そして忘れてはならないのが両チームの監督である。フランスのジャック・ブルネル監督は2017年12月に就任し、まだ在任2年経過しておらず、ウェールズ戦の戦績は2戦2敗である。
 一方のウェールズのウォーレン・ガットランド監督はその10年前の2007年11月に就任している。就任して初戦では勝利したものの、その後4連敗を喫す。しかし、そこから立て直して5連勝、2年前の6か国対抗では敗れたが、その後は2連勝しており、通算成績は8勝5敗である。
 歴史は繰り返す、という言葉通りの試合になったのである。(続く)

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