第2619回 ラグビー代表、自国開催に向けて好発進(3) 新主将はシャルル・オリボン

 平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、昨年の台風15号、19号などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■負傷者も相次ぐフランス

 各国にとって昨秋のラグビーワールドカップ以来となる6か国対抗が開幕した。2月1日にはウェールズがイタリアに大差で完封勝ち、アイルランドはスコットランドに競り勝った。フランス-イングランド戦は2月2日の日曜日、夕方の16時からスタッド・ド・フランスでキックオフを迎える。11月にチケットが発売され、発売とほぼ同時に完売した。
 前回の本連載で紹介した通り、フランスはこの6か国対抗に向けて大幅にメンバーを入れ替えたが、外れたメンバーには引退を表明した選手、監督の構想と合わなかった選手以外に負傷しているメンバーもいる。プロップのダニー・プリゾ、ラバ・スリマニ、エチエンヌ・ファルグー、ハーフ団のマキシム・マシュノー、カミーユ・ロペス、センターのソフィアン・ギトゥンなどである。また、代表メンバー発表後にフッカーのアントニー・エトリヤールが負傷離脱し、ワールドカップでは途中で離脱したペアト・モーバカが加わる。ワールドカップ中も試合を行う過密日程のフランスのクラブ特有の課題である。

■代表デビュー2人を含むフランスのメンバー

 そのフランスの先発メンバーであるが、フォワード第一列はシリーユ・バイユ、ジュリアン・マルシャン、モハメド・アウア、第二列はベルナール・ルルーとポール・ウィレムス、フランカーはフランソワ・クロとシャルル・オリボン、ナンバーエイトはグレゴリー・アルドリット、スクラムハーフはアントワン・デュポン、スタンドオフはロマン・エンタマック、スリークォータバックは左からバンサン・ラッテス、ガエル・フィクー、ビリミ・バカタワ、テディ・トマ、フルバックはアントニー・ブティエとなる。代表デビューとなるのはアウア、ブティエの2人である。プロップのアウアに関しては先述の通りこのポジションは負傷者が重なりチャンスが巡ってきた。

■ギエーム・ギラドの後任の主将はシャルル・オリボン

 また、主将はオリボンが務めることになった。ギエーム・ギラドの引退後は誰が主将を務めるかは注目の的であった。オリボン以外の候補者は副将を務めていたポワロ、スクラムハーフとしてチームを牽引したデュポン、代表試合出場数がわずか2ではあるマルシャンとクロの名前があがったが、オリボンに落ち着いた。
 オリボンは2014年の秋にフィリップ・サンタンドレ監督のチームで代表にデビューしたが、負傷が多く、グラウンドを離れることが多かった。昨年の6か国対抗は代表から離れており、昨年の6月にバックアップメンバーに入り、8月のスコットランド戦では先発出場して活躍し、ワールドカップメンバーとなった。ワールドカップでは初戦のアルゼンチン戦に先発出場している。米国戦はメンバーから外れ、トンガ戦で先発に復帰し、台風で中止となったイングランド戦も先発する予定であった。そして準々決勝のウェールズ戦、先発出場したオリボンは代表初トライを決めている。199センチ、114キロという体格、フォワードとバックス陣をつなぐ強さと機動力を兼ね備え、ラインアウトでも中心選手として活躍している。さらにワールドカップ期間中はチーム内のコミュニケーションの中心となり、最も記者会見に登場し、その人格にも定評がある。また新監督のファビアン・ガルチエはフランス代表のコーチになる前はオリボンの所属しているトゥーロンの監督を務めていたことも決め手となったのであろう。

■準優勝メンバーがほとんど残り経験値の高いイングランド

 一方のイングランドであるが、監督はエディ・ジョーンズが継続し、オーウェン・ファレルが主将を務め、ワールドカップと変わらない。準優勝したメンバーの主力からはベテランのダン・コールが外れ、ウイングのアントニー・ワトソン、ナンバーエイトのビリー・ブニポラが負傷した外れたくらいである。先発メンバーには昨年のワールドカップで活躍した選手が目白押しである。この結果、イングランドの先発メンバーの総キャップ数は675に上り、フランスの208の3倍以上となる。経験値に勝るイングランドが優勢かと思われたが、試合は全く逆の展開となったのである。(続く)

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