第3249回 ラグビーワールドカップ開幕(1) 33人のメンバー発表、豪州に快勝して開幕を迎える

 平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■サンテチエンヌのスコットランド戦でロマン・エンタマックが負傷

 いよいよ、9月8日にラグビーワールドカップが開幕した。実質2回目の自国開催となるフランスは悲願の初優勝を目指す。フランス代表はワールドカップ前にスパーリングマッチを4試合行い、その初戦となる8月5日のアウエーのエジンバラでのスコットランド戦について第3234回と第3235回で紹介し、若手メンバーで臨んだフランスはベストメンバーをそろえたスコットランドに21-25と惜敗した。
 その翌週の8月12日にはサンテチエンヌにスコットランドを迎え、フランスはベストメンバーをそろえる。ところが、この試合でスタンドオフのロマン・エンタマックが負傷してしまう。スタンドオフのリザーブを入れていなかったため、フルバックのトマ・ラモスがスタンドオフを務め、30-27と勝利するが、エンタマックはワールドカップは出場不可能となった。

■フィジーに快勝、33人のメンバーを発表

 8月19日にはナントでフィジーと対戦、34-17とダブルスコアで勝利し、8月19日にメンバー33人とバックアップメンバー12人を発表した。
 左のプロップはシリーユ・バイユ、ジャン・バティスト・グロ、レダ・ワルディ、右のプロップはウイニ・アトニオ、ドリアン・アルデゲリ、シピリ・ファタテア、フッカーはピエール・ブルガリ、ジュリアン・マルシャン、ペアト・モーバカ、ロックはチボー・フラマン、ロマン・タオフィフェヌア、ポール・ウィレムス、カメロン・ボキ、バックローはグレゴリー・アルドリット、ポール・ブーダン、フランソワ・クロ、セクー・マカルー、シャルル・オリボン、アントニー・ジェロンチ、ここまでがフォワードの19人である。
 スクラムハーフはアントワン・デュポン、マキシム・ルクー、バティスト・クイユー、スタンドオフはマチュー・ジャリベール、アントワン・ハストワとなる。
 スリークォータバックスはセンターはジョナタン・ダンティ、ガエル・フィクー、ヨラム・モエファナ、アルトゥール・バンサン、ウイングはルイ・ビール・ビアレイ、ダミアン・プノー、ガバン・ビリエール、フルバックはメルバン・ジャミネ、トマ・ラモスとなり、バックスは14人である。

■若手には厳しい33人のメンバー入り

 負傷中でワールドカップでは予選プールは出場できず、決勝トーナメントから出場可能というバイユは選出されたが、エンタマックの名前はなかった。また、昨年から今年にかけて抜擢された若手も33人に入ったのはブーダンとビール・ビアレイだけであり、エミリアン・ガイユトン、エタン・デュモルティエ、ヨアン・タンガは33人に残ることができなかった。

■最後のスパーリングマッチで豪州に快勝

 さて、メンバー発表後、ワールドカップ開幕までの唯一の試合が8月27日にスタッド・ド・フランスで行われた豪州戦である。豪州との直近の対戦は昨年の秋、フランスは30-29という1点差で勝利しており、これまでの対戦成績はフランス20勝、豪州29勝、3つの引き分け、相手に不足はない。また、フランスの開幕戦の相手がニュージーランド、同じオセアニア勢との対戦であり、この試合がワールドカップに向けた試金石となる。8万人の観衆の大声援を受け、フランスは7分にダンティが先制トライをあげ、その後もラモスのキックが次々とゴールポストの間を通り、前半はトライ数は双方とも1本であったが、フランスが16-5とリードして折り返す。
 後半に入ってフランスはプノーが56分と74分、ビリエールが63分にトライを重ねる。豪州も前半1本、後半2本のトライを記録し、トライ数だけ見れば4本と3本であったが、41-17と大差をつけてフランスが勝利した。
 この勝利の立役者はキッカーのラモスである。ラモスは後半立ち上がりにペナルティゴールを外しただけで、ペナルティゴール4本、コンバージョンキック2本を成功させている。さらにラモスと交代して終盤に出場したジャミネもペナルティゴール、コンバージョンキックを1本ずつ成功させ、ワールドカップに向けて好調ぶりを示したのである。(続く)

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