第74回 ウルグアイと引き分け、瀬戸際に(1) 背水の陣、注目の布陣

■背水の陣となったフランスとウルグアイ

 グループAの第2戦は6月6日に初戦の勝者同士のセネガルとデンマークが15時30分から対戦、20時30分から初戦の敗者同士のフランスとウルグアイが対戦した。セネガルとデンマークの試合は引き分けて両チームとも勝ち点4となり、フランスとウルグアイの試合の敗者はグループリーグ敗退が決定するという背水の陣でキックオフを迎えた。

■注目を集めるウルグアイ戦の布陣

 本連載の第71回から第73回にかけてフランスのセネガル戦の敗因を探ったが、ジネディーヌ・ジダンの不在が大きな影を落としていることは間違いない事実であろう。
 ジダンはウルグアイ戦も欠場することになり、どのような布陣で戦うのかが、注目の的になった。フランスはこのところ4-2-3-1というフォーメーションで守備に関しては4人のDFラインの前に守備的MFを2人配置し、攻撃に関してはゲームメーカーの左右と前方に選手を配置している。セネガル戦では攻撃の要となるジダンの代わりにユーリ・ジョルカエフを配置し、同じシステムで戦いセネガルに敗れた。ジダンの代役となったジョルカエフの出来が悪かったことから、続くウルグアイ戦のメンバーならびにシステムが注目の的となった。
 まず、4-2-3-1というシステムを維持するならばエリック・カリエールがメンバーからはずれているため、ジョルカエフまたはジョアン・ミクーのいずれかがジダンの代役を務めることになる。しかし、第71回の本連載で紹介したとおり、今年の親善試合でこの2人がゲームメーカーとして試合に出場したのは実質的にはベルギー戦だけ(前半:ジョルカエフ、後半:ミクー)である。その試合でベルギーに負けたことを考えれば、ジダンのポジションにジョルカエフもしくはミクーを入れる4-2-3-1システムではなく、別のシステムでウルグアイ戦に挑むことも想定された。

■汚名返上に懸命のユーリ・ジョルカエフ

 そういう意味では本連載第70回で取り上げた開幕戦の翌日に行われた安養LGチーターズとの練習試合については単純に開幕戦に出場しなかった選手の調整だけではなく、ジダンの穴をどのように埋めていくのかが、注目すべきポイントである。
 さて、その安養LGチーターズとの練習試合のメンバーであるが、GKは第3GKのグレゴリー・クーペ、DFラインはビリー・サニョル、フィリップ・クリスタンバル、ミカエル・シルベストル、バンサン・カンデラ、守備的MFはアラン・ボゴシアンとクロード・マケレレ、攻撃陣はジョアン・ミクーに加え、前日も出場したジブリル・シセとジョルカエフ、クリストフ・デュガリーが加わった。特に前日60分間も走り回ったジョルカエフの連日の出場は前日の敗戦を人一番悔しいと感じていることの表れであり、ウルグアイ戦に向けた新たな闘志が感じられた。試合はセネガル戦で弱点とされたセンターバックの控えのシルベストルがヘッドで決勝点をあげた。

■4-2-3-1堅持で注目のゲームメーカーはジョアン・ミクー

 欧州諸国でスタンダードとなっており、フランス代表でも昨年来定着している4-2-3-1システムを崩して新たなフォーメーションで戦い、DF陣もメンバーを入れ替えるのかどうか、というかという点が注目された。そして、注目のスターティングメンバーはGKファビアン・バルテス、DFはビシャンテ・リザラズ、マルセル・デサイー、フランク・ルブッフ、リリアン・テュラムが並び、守備的MFはパトリック・ビエイラとエマニュエル・プチ、攻撃陣はゲームメーカーのミクーの右にシルバン・ビルトール、左にティエリー・アンリ、トップにダビッド・トレゼゲというメンバーが釜山のアジアード主競技場でラ・マルセイエーズを聞くことになったのである。(続く)

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