第1447回 新生フランスのワールドカップ予選始まる(2) フィンランドとの対戦成績は過去6戦全勝

 昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■メンバーを数人入れ替えたディディエ・デシャン監督

 前回の本連載ではディディエ・デシャン新監督が挑むワールドカップ予選2試合のメンバーに第3GKのミカエル・ランドローが4年ぶりに代表入りしたことを紹介したが、それ以外にも8月のウルグアイ戦と比べるとメンバーの入れ替えがあった。フランス代表は年内に5試合戦うが、そのうちワールドカップ予選は3試合、10月はアウエーでスペイン戦ということを考えると、9月の連戦は連勝しておきたいところである。そのためにはウルグアイ戦の試合内容では不安である。
 ウルグアイ戦と比較すると、DFからマチュー・ドビュッシー、ラファエル・バラン、MFからマルバン・マルタン、FWからディミトリ・ペイエ、ジミー・ブリアンが抜け、その代わりにGKのランドロー、DFのアディル・ラミ、アントニー・レベイエール、MFのヨアン・カバイエとアブー・ディアビ、FWのジェレミー・メネスが加わった。

■負傷から復帰したアブー・ディアビ、出場停止から戻ってきたジェレミー・メネス

 この中で久しぶりに代表入りしたのがディアビである。けがに泣かされ、昨年6月の東欧遠征以来のフランス代表入りである。けがに弱い選手であったが、今季は所属するアーセナルですでにプレミアリーグに2試合出場している。
 また、欧州選手権期間中にチームの規律を乱したという理由で1試合出場停止になった選手も明暗が分かれた。まずカムバックを果たしたのはメネス、一方守備的MFのヤン・エムビラは復調していないという理由で代表に招集されなかった。しかし、メネスが1試合で戻ってきたということはサミール・ナスリに復帰する可能性があるということを意味している。
 ウルグアイ戦では招集後にローラン・コシエルニーが負傷で戦列を離れ、ラミが負傷中で招集されなかったストッパー陣はこの2人にウルグアイ戦に出場したマプー・ヤンガ・エムビワ、ママドゥ・サコが継続してメンバー入りし、ようやく陣容が整った。

■過去の対戦成績はフランスがフィンランドを圧倒

 フランスがまず対戦するフィンランドは今までワールドカップにも欧州選手権にも本大会出場の経験のない国であり、過去、フランスが6戦全勝と圧倒している。最初の対戦は1962年のワールドカップ・チリ大会予選、そしてそれから32年後のワールドカップ米国大会予選で同じグループになり、フランスはホームだけではなく、アウエーでも勝利している。そして最近2回は親善試合での対戦である。1996年の欧州選手権の直前、さらに1998年のワールドカップの直前に対戦している。このように過去の戦績を見れば相当力の差のある相手であることは事実である。直近のタイトルマッチとなった今年の欧州選手権予選でもグループEではオランダ、スウェーデン、ハンガリーに次ぐ4位にとどまっており、成績も3勝1分6敗と大きく負け越している。

■現役時代に2回対戦している両監督

 ただ、何が起こるかわからないのがワールドカップ予選の初戦である。フランスのサッカーファンが忘れたい記憶は1994年のワールドカップ米国大会予選であろう。優勝候補最右翼と目されたスウェーデンの欧州選手権で惨敗、さらに夏の親善試合ではブラジルをパリに招くものの、ブラジルサッカーに翻弄され、ほとんど試合ができないまま90分が終わる。そして始まった米国行きをかけたワールドカップ予選、初戦はブルガリアとのアウエーゲームであり、この試合を落としてしまう。結局この敗戦が響き、後々になって米国行きを逃すことになる。
 フィンランドを率いるのはミカ・マッティ・パーテライネン、元フィンランド代表の選手であり、得点数は歴代5位である。現役時代はスコットランドのクラブに長く所属したが、フランスでもストラスブールに1シーズン在籍している。そして現役時代にフランス戦にはワールドカップ米国大会予選の2試合に出場しているが、奇遇なことにその試合にはフランスのデシャン監督も出場していたのである。(続く)

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