第1532回 フランス-スペイン直接対決(5) フランス沈黙、直接対決に敗れ、首位から陥落

 一昨年3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■過去10試合は互角の成績

 フランス-スペインという大一番の4日前、フランスはグルジアに3-1と勝利したが、スペインはフィンランドと1-1で引き分け、下位チームをホームに迎えた両チームは明暗が分かれた。フランスがスペインに勝ち点2差をつけて首位に立ち、スペインを迎える。
 スタッド・ド・フランスの8万人の満員の観衆が見守る中、試合はキックオフされる。フランスは昨年10月のマドリッドでのアウエーの試合は引き分けているが、それまでは3連敗している。両国の過去10試合の戦績は4勝2分4敗、総得点はフランス11、スペイン12と互角の成績である。

■現役時代はスペイン戦無敗のディディエ・デシャン監督

 フランスを率いるディディエ・デシャン監督はスペインに対して相性がいい。デシャン監督ん現役時代の最初のスペイン戦は1991年2月20日のパルク・デ・プランスでの欧州選手権予選。3-1と勝利してスペイン相手の初戦を飾る。同年10月12日にはアウエーの欧州選手権予選、2-1と勝利しフランスは予選突破を決め、実に1986年ワールドカップ予選以来3大会ぶりの予選突破を果たしたのである。1996年の欧州選手権のグループリーグの試合は1-1の引き分け、1998年1月28日のスタッド・ド・フランスのこけら落としの試合に出場、ジネディーヌ・ジダンのゴールでフランスが1-0と勝利している。現役時代最後のスペイン戦は2000年欧州選手権の準々決勝でありフランスは2-1と勝利している。すなわちデシャン監督の現役時代のスペイン戦の成績は4勝1分と素晴らしい成績を残しているのである。

■ラファエル・バランとポール・ポグバを先発メンバーに起用、ママドゥ・サコはベンチ

 そのデシャン監督がピッチに送り出したメンバーであるが、4-3-3システム。GKはウーゴ・ロリス、DFは右からクリストフ・ジャレ、ラファエル・バラン、ローラン・コシエルニー、パトリス・エブラ、守備的MFは1人ポール・ポグバ、攻撃的MFは右にヨアン・カバイエ、左にブレーズ・マツイディ、攻撃陣は右にマチュー・バルブエナ、左にフランク・リベリー、そして中央にカリム・ベンゼマである。
 スペインと引き分けても勝ち点2差を保つことができることから、グルジア戦に比べて守備的な布陣であり、前線はベンゼマ1人、その分中盤を1人厚くした。なんといっても驚きはグルジア戦でデビューした若手のバランとポグバをこのスペイン戦も先発出場させたことであろう。そしてデシャン監督就任以来全試合に出場してきたストッパーのママドゥ・サコを先発から外したこともさらなる驚きである。

■スペインの中盤が試合を圧倒、フランス完敗

 一方のスペイン、フィンランド戦ではシュート数30-0、CK数17-0と圧倒しながら引き分けに終わり、フィンランド戦は負傷で欠場したシャビをフランス戦では先発に起用し、イケル・カシージャスに代わってキャプテンマークをつける。  フランスはスペインに対し厳しい戦いとなり、ほとんどボールを保持することができない。ボールポゼッションはフランスサッカーの生命線であるが、その生命線を断ち切られてしまった。グルジア戦で105回という驚異のボールタッチをしたポグバも全く別人となってしまった。逆にスペインはパスをつなぎ、中盤のシャビ、シャビ・アロンソ、セルヒオ・ブスケッツの3人はいずれも1試合で100回以上のパスをし、スペインのパスサッカーがフランスを圧倒する。
 しかしながらフランスもよく持ちこたえるとともに、数少ないチャンスをシュートに結びつけ、前半は0-0で折り返すが、ついに後半、58分にナチョ・モンレアルからのパスを受けたペドロ・ロドリゲスがシュートしてゴール、ロリスにとってはやや不運な失点であった。そしてポグバは76分にシャビ・アロンソ、78分にシャビへのファウルで2回の警告、レッドカードを突き付けられる。実にスタッド・ド・フランスのフランス代表としては1998年ワールドカップ決勝のマルセル・デサイー以来の退場となった。
 1トップを任せられたベンゼマはこの日もノーゴール、実に1000分以上ノーゴールが続き、ブーイングの嵐。スペインに敗れたフランスは一転して暗雲が立ち込めたのである。(この項、終わり)

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