第1719回 エクアドルとドロー(1) 全4チームに決勝トーナメントの可能性の残るグループE

 3年前の3月11日の東日本大震災で被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、東北地方だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■グループEを首位で突破したいフランス

 グループEのシード国に当たるスイスに対し5-2と大勝し、2連勝したフランスはグループリーグ突破に向けて大きく前進した。グループリーグでは上位2チームに入れば決勝トーナメントに進出できるが、気になるのは決勝トーナメントでの組み合わせである。グループEで首位のチームはグループFの2位チームと対戦、グループEで2位のチームはグループFの首位チームと対戦する。グループFはシード国のアルゼンチンがエースのリオネル・メッシの活躍で第1戦はボスニア・ヘルツェゴビナに2-1と勝利、第2戦もイランに1-0と勝利、いずれも僅差ながら勝ち点6を獲得し最終戦を前に決勝トーナメント進出を決めている。アルゼンチンの最終戦はナイジェリア戦であるがこのナイジェリア戦に敗れれば2位になるが、引き分け以上の場合は首位通過となる。アルゼンチンの優位は揺るがず、首位通過をしてくるであろう。したがって、フランスとしてはグループEで首位通過し、決勝トーナメント1回戦はナイジェリアもしくはイランと対戦することを望んでいる。

■グループEの最終戦はフランス-エクアドル、スイス-ホンジュラス

 さて、グループEでフランス-スイス戦の後に行われたホンジュラス-エクアドル戦はエクアドルが2-1でホンジュラスを下す。この結果、第2戦まで終えた段階で首位フランス(勝ち点6、得失点差+6)、2位エクアドル(3、±0)、3位スイス(3、-2)、4位ホンジュラス(0、-4)となっている。最終戦は25日の5時からフランス-エクアドル戦、ホンジュラス-スイス戦が同時にキックオフされる。

■総得失点差で圧倒的に優位なフランス

 グループEはすべてのチームに決勝トーナメント進出の可能性が残っている。フランスはエクアドル戦に勝利するか引き分ければ首位でグループリーグを突破する。もしフランスがエクアドルに敗れた場合でも、得失点差+6は大きなアドバンテージであり、フランスがエクアドルに大敗し、スイスがホンジュラスに大勝しなければ、フランスは決勝トーナメントに進出できる。
 一方、フランスの対戦相手であるエクアドル、フランスに勝利しただけでは決勝トーナメントに進出することはできず、スイスがホンジュラス相手に引き分け以下でなければならない。エクアドルがフランスに勝利し、スイスがホンジュラスに勝利した場合はフランス、エクアドル、スイスの3チームが勝ち点6で並ぶ。この場合はまず総得失点差で順位が決まり、その次に総得点で決まる。これらが同じ場合には該当チーム間での対戦成績(勝ち点、得失点差、総得点)で決まることになる。したがって、フランス、エクアドル、スイスが2勝1敗、ホンジュラスが3敗となった場合はこれまで2試合の得失点差で大きくリードしているフランスの優位は明白である。

■注目の2位争いの行方

 一方、2位争いに注目すると上記のように現在エクアドルとスイスが勝ち点の上では1勝1敗で並んでいるため、両国が異なる結果になった場合、上位の成績を残したチームが2位になる。
 さらにエクアドルはフランスに敗れ、スイスがホンジュラスに敗れるとフランスが3戦全勝、そしてエクアドル、スイス、ホンジュラスの3チームが1勝2敗の勝ち点3で並ぶことになる。この場合も総得失点差、総得点、該当チーム間での対戦成績(勝ち点、得失点差、総得点)の順で決まってくることから、同時にキックオフされる試合の途中経過は気になるところである。
 しかし、フランスにとっては決勝トーナメントへの首位進出をほぼ手中にしていることから、目の前のゲームに集中し、いいムードで決勝トーナメントに進みたいところである。最終戦を迎えた段階でどのチームにも決勝トーナメント進出の可能性がある程度残っているという点で注目のグループE、リオデジャネイロとマナウスという対照的な都市で同時にキックオフされるのである。(続く)

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