第2343回 親善試合3戦無敗で本大会へ(2) 選手起用が見事に的中したアイルランド戦

 7年前の東日本大震災、一昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■先発のうち4人が代表歴10試合以下のフランス

 ワールドカップ予選で敗退して巻き直しを図るアイルランドは先発11人中7人が代表出場歴10試合以下というメンバーとなった。
 一方、前回大会はベスト8、2年前の欧州選手権は準優勝というフランスのメンバーはGKはスティーブ・マンダンダ、DFは右からジブリル・シディベ、アディル・ラミ、サミュエル・ウムティティ、バンジャマン・マンディ、MFはブレーズ・マツイディ、スティーブン・エンゾンジ、コランタン・トリッソ、FWはオリビエ・ジルー、キリアン・ムバッペ、ナビル・フェキルというメンバーであり、マンディ、エンゾンジ、トリッソ、フェキルの4人が代表出場歴10試合以下である。

■経験不足のメンバーを起用したいアイルランド戦とイタリア戦

 ディディエ・デシャン監督の目論見としてはアイルランド戦、イタリア戦の2試合は選手をテストし、最後の仕上げとして米国戦はベストメンバーで臨み、準備を整えてロシア入りしたい。
 アイルランド戦はこれらの代表経験の少ないメンバーに経験を積ませ、そしてスタッド・ド・フランスという大観衆の前での試合出場が該当の選手だけではなくチームの活性化をすることと信じてこれらのメンバーをピッチに送り出したのであろう。トリッソが3月の親善試合に出場しているが、エンゾンジとフェキルは昨年11月以来の試合出場、さらにマンディは昨年6月以来ほぼ1年ぶりの復帰となる。

■オリビエ・ジルーがジネディーヌ・ジダンに並ぶ通算31得点

 ワールドカップ前で最後のスタッド・ド・フランスでの試合とあって7万人の観衆が集まった。試合前から雨が激しくなり、今年4月に亡くなったアンリ・ミッシェルを悼むセレモニーが行われ、試合はキックオフとなった。
 試合はフランスがパスをつないでボールを支配すると言う一方的な内容となった。過去の対戦成績では7勝7分6敗と互角で、直近の試合も2年前の欧州選手権の決勝トーナメント1回戦で2-1とようやく勝利したことを知っているファンから見るとやや手ごたえのない相手になってしまった。激しい雨の降る中での試合となり、フランスもアイルランドゴールにシュートの雨を浴びせるがなかなか先制点が生まれない。その中で先制点を決めたのは先発メンバーの中でこの試合が代表72試合目という最も代表経験が豊富なジルーであった。40分にフランスはCKのチャンスを得る。フェキルの蹴ったボールはファーポストのジルーがターゲット、ジルーはアイルランドのDFと競り合ったが、はるかに高い打点でヘディングでシュート、これはアイルランドのGKにはねかえされたが、今度はジルーは左足で押し込んで先制点となる。ジルーの代表での得点はこれで31得点目となる。これはティエリー・アンリ(51得点)、ミッシェル・プラティニ(41得点)、ダビッド・トレゼゲ(34得点)についでジネディーヌ・ジダンと並ぶ歴代4位となったのである。

■期待にこたえた経験不足の選手たち

 豪雨の中で歓声が沸き起こったスタッド・ド・フランス、その4分後に今度はフェキルが追加点を上げた。ペナルティエリア内でムバッペとパスを交換して最後は右足でシュート、見事にネットを揺らす。フェキルにとっては3年前の6月7日のベルギー戦以来の代表戦での2回目のゴールとなった。
 先制点をあげたジルーはこの後後半の51分にもフェキルからのパスを受けてシュート、アイルランドGKの攻守に阻まれたものの、存在感を示した。またフェキルもムバッペとの連携のよさを感じさせた。
 それ以外にも評価を高めた選手は少なくない。両サイドバック、右のシディベ、左のマンディも安定した守備とともに攻撃参加で存在感を示した。また初先発となったエンゾンジもボール奪取という役割を十分に果たした。
 攻撃陣では所属チーム、代表チームでは本来のストライカーという役割を果たせないムバッペもコンスタントに得点に絡んでいる。この日も得点こそならなかったものの2点目のファキルのゴールをアシストしている。
 デシャン監督にとっては選手起用が的中した最初のスパーリングマッチとなったのである。(続く)

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