第2354回 アルゼンチンとの点の取り合いを制す(1) 今大会で初めての格上との対戦

 7年前の東日本大震災、一昨年の平成28年熊本地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■グループDの2位は前回大会準優勝のアルゼンチン

 一次リーグ最終戦のデンマークとの戦いはスコアレスドローで両者が決勝トーナメントに進出することが決まった。フランスはグループCの首位として決勝トーナメントではグループDの2位チームと対戦するが、フランスの対戦相手はこの時点では決まっておらず、試合終了の1時間後にキックオフされるグループDの最終戦の結果を待つことになった。
 グループDは前回大会準優勝のアルゼンチンが本命視されたが、第1戦のアイスランド戦では先制した直後に同点ゴールを決められてドローの勝ち点1位に終わり、第2戦ではクロアチアの前に0-3と粉砕され、この時点で最下位である。グループDの首位はクロアチア、ナイジェリアとアルゼンチンに連勝して勝ち点6、2位は1勝1分で勝ち点3のナイジェリア、1分1敗でアイスランドとアルゼンチンは得失点差の争いとなっている。最終戦はアルゼンチン-ナイジェリア、アイスランド-クロアチアの2試合が同時にキックオフされ、首位の可能性があるのはクロアチアとナイジェリア、2位の可能性は全チームにある。結局、終盤の決勝点で勝利をものにしたアルゼンチンが2位になり、フランスと対戦することとなった。

■リオネル・メッシがチームの中心のアルゼンチン

 アルゼンチンの世界ランキングは5位、フランスの7位よりも上位であり、フランスにとっては今大会で格上の国と対戦することになる。
 アルゼンチンはリオネル・メッシのチームというイメージが強い。今大会の一次リーグでは1勝1分1敗という成績であったが、まさにメッシ次第であった。初戦のアイスランド戦はメッシがアイスランドの執拗なマークにあったにもかかわらず、アルゼンチンはメッシにボールを集中させる。メッシを起点とした攻撃を機能させることはできずドローとなる。第2戦のクロアチア戦は同じ背番号10のルカ・モドリッチの動きがメッシを上回り、0-3と完敗してしまう。首の皮一枚となった第3戦のナイジェリア戦、メッシは先制点をあげるだけではなく、運動量も多く、2-1と振り切って決勝トーナメント進出を手にした。

■日本と並びキャリアの豊富な選手のそろうアルゼンチン

 しかし、アルゼンチンで忘れてならないのはキャリアを積んだ選手が多いということである。メッシだけではなく、アンヘル・ディマリア、ハビエル・マスチェラーノ、セルヒオ・アグエロ、ゴンサロ・イグアインと2010年大会からワールドカップでは3大会連続して出場している選手が5人もいる。この3大会連続出場5人という数字は日本(川島英嗣、長友佑都、長谷部誠、香川真司、本田圭介)と並んで今大会最多である。したがって、2010年大会はベスト8、2014年大会は準優勝、いずれもドイツに敗れたが、今回はドイツが一次リーグで姿を消し、頂点を狙っているであろう。
 一方のフランス、2010年大会は一次リーグ敗退、2014年大会はベスト8進出であり、2年前の欧州選手権では準優勝とチームの成績は上昇カーブを描いている。また、地元開催で準優勝した欧州選手権もベテラン頼みというわけではない。しかし、ディディエ・デシャン監督は大幅にメンバーを入れ替えたのは本連載第2340回で紹介したとおりである。その若さが豪州戦で露呈し、キャリアのあるブレーズ・マツイディやオリビエ・ジルーをカムバックさせたペルー戦では勝利し、デンマーク戦も老練な試合運びをした。

■過去の戦績はアルゼンチン有利、今世紀はホーム2試合ともアルゼンチンが勝利

 だが、アルゼンチンは一次リーグを2位で通過したとはいえ、キャリアを積んだメンバーがそろい、世界ランキングもグループリーグの3チームよりも一段上である。これまでフランスとアルゼンチンは12回対戦し、アルゼンチン6勝、フランス2勝、3つの引き分けとアルゼンチンが優勢である。今世紀に入ってからはスタッド・ド・フランスとマルセイユで対戦しているが、いずれもアウエーのアルゼンチンが勝利しているのである。(続く)

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