第2363回 フランス、輝く2回目の優勝(1) 欧州予選プレーオフから勝ち上がったクロアチア

 7年前の東日本大震災、一昨年の平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■20年前の準決勝の救世主となったリリアン・テュラム

 今大会になって初めて劣勢の試合となった準決勝のベルギー戦、後半の立ち上がりに得たCKから伏兵サミュエル・ウムティティのヘディングシュートで1点をあげ、終盤は守備的な試合を展開してフランスは試合に負けて勝負に勝った。
 この試合を見て20年前を思い出された方も少なくないであろう1998年のワールドカップもフランスはグループリーグは難なく突破、決勝トーナメントに入ってからはパラグアイにゴールデンゴールで勝利、イタリアにはPK勝ちとスコア的には接戦であったが、勝ち進む。しかし、準決勝では大苦戦するが、攻撃面では伏兵と言ってもいいであろう、左サイドDFのリリアン・テュラムが2ゴールをあげて、フランスは初めて決勝に進出した。この時の準決勝の相手が初出場のクロアチアであった。

■最終戦の直接対決でウクライナを倒し、プレーオフに進出

 そのクロアチアと決勝で戦うことになった。クロアチアは今回のワールドカップ予選では第1シードとしてグループIに入ったが、このグループは2016年欧州選手権での勢いをそのまま持ち込んだ第2シードのアイスランドが首位で最終節を迎える。アイスランドの勝ち点は19、追うクロアチアとウクライナが勝ち点17である。この3チームの争いとなったが、アイスランドはここまで1分8敗と勝ちのない初出場のコソボに2-0と勝利し、首位を確定した。注目は勝ち点で並ぶクロアチアとウクライナがキエフで直接対決、クロアチアはアンドレイ・クラマリッチの2ゴールで2位に入る。
 そしてプレーオフではギリシャと対戦し、ホームの第1戦で4-1と勝利し、アウエーの第2戦はスコアレスドローに持ち込んで2大会連続5回目の本大会出場となったのである。

■今大会好調なプレーオフからの勝ち上がり組

 欧州からは首位通過した9チーム、プレーオフで勝利した4チーム、開催国のロシアの合計14チームが出場したが、世界ランキングでは下位となるプレーオフ組(スイス、クロアチア、デンマーク、スウェーデン)と開催国のロシアの5チームはいずれもグループリーグを突破している。さらに、決勝トーナメント1回戦ではクロアチア-デンマーク戦、スウェーデン-スイス戦というプレーオフ組同士の対戦が2試合もあった。本連載第2353回でも紹介したが、フランスはグループリーグ3試合は全てプレーオフを勝ち上がって本大会に出場してきたチーム(豪州、ペルー、デンマーク)であり、決勝でもクロアチアと対戦する。大会全体でプレーオフを経験したチームは6チームしかないわけであり、その中の4チームと対戦するというのは珍しいことであろう。

■決勝トーナメントに入り2試合連続PK戦を制したクロアチア

 クロアチアは一次リーグではナイジェリアに勝利し、第2戦のアルゼンチン戦では善愛準優勝チームを完全に粉砕し、決勝トーナメント進出を決める。そして第3戦の相手は欧州予選で同じグループに入ったアイスランド、欧州予選ではそれぞれホームで勝利しており、ロストフ・ナ・ドヌで雌雄を決することとなった。クロアチアは先制し、一旦PKで追いつかれたが、終了間際にイバン・ペリシッチの決勝点が決まり首位突破となる。もし、フランスが一次リーグの最終戦でデンマークに敗れていれば2位通過となり、決勝トーナメント1回戦でクロアチアと対戦していたのである。
 決勝トーナメント1回戦ではデンマークと対戦、序盤に点を取りながらその後はゴールが遠く、結局延長戦となる。ともにファーストキッカーが失敗するという波乱含みの中で始まるが、結局はクロアチアが3-2で振り切る。
 準々決勝は大方の予想を裏切りつつ、地元の期待を一身に集めた開催国ロシアとの対戦、ソチで行われた試合はロシアが先制、クロアチアはクラマリッチのゴールで前半のうちに追いつく。試合は延長戦に入り、101分のドマゴイ・ビダのゴールでクロアチアが勝利するかと思われたが、ロシアもマリオ・フェルナンデスのゴールで終了5分前に追いつく。試合はまたPK戦となり、クロアチアが競り勝ち、準決勝に進出したのである。(続く)

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