第2913回 フランス、5大会連続でワールドカップ予選突破(1) 予選突破のかかった11月13日のカザフスタン戦

 平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■各チームの日程消化にばらつきのあるグループD

 11月は今年最後のインターナショナルマッチデーが設定され、ワールドカップ予選が開催される。フランスは11月13日にはカザフスタン、16日にはフィンランドと対戦する。フランスはグループDに所属しているが、新型コロナウイルスの感染拡大によって欧州選手権が1年遅れの開催となり、UEFAネーションズリーグのファイナルズの日程が10月に変更となった。この影響を受けたのがフランスなどUEFAネーションズリーグのファイナルズに出場した4チームである。フランスなどは10月はワールドカップ予選を戦うことができず、変則的な日程となった。フランスの所属するグループDは5チームからなり各チームは8試合消化するが、フランスは9月までに6試合を消化し、ウクライナとカザフスタンが5試合消化、ボスニア・ヘルツェゴビナとフィンランドは4試合消化と試合数にばらつきがある。
 この時点の順位はフランスが首位で3勝3分、勝ち点12である。大きく離れて勝ち点5で2チームが並び、ウクライナは5試合すべて引き分け、フィンランドは1勝2分1敗である。そして勝ち点3でボスニア・ヘルツェゴビナ(3分1敗)とカザフスタン(3分2敗)が最後方にいる。

■10月にようやく6試合目で初勝利をあげたウクライナ

 消化試合が多いとは言うものの、フランスが圧倒的にリードしており、フランス以外の4チームが10月の2試合でどれだけ勝ち点を上積みできるかである。10月9日には勝ち点5同志のフィンランド-ウクライナ戦、勝ち点3同志のカザフスタン-ボスニア・ヘルツェゴビナ戦が行われた。ヘルシンキのオリンピックスタジアムで行われた試合でウクライナは先制、一旦は追いつかれたものの勝ち越し点をあげて、今予選6試合目にして初めて引き分け以外の成績を残し、勝ち点を8とし、フランスとの勝ち点の差を4とした。また、もう1試合もアウエーのボスニア・ヘルツェゴビナがカザフスタンを2-0と下し、勝ち点を6として3位に浮上した。
 10月12日は9日の試合で勝利をしたウクライナとボスニア・ヘルツェゴビナがウクライナのリビウで対戦した。ウクライナは前半に先制したが、後半の終盤の77分に同点に追いつかれてしまう。結局、勝ち点1しか獲得できなかった。ウクライナはフランスとの勝ち点差を3としたが、9月の時とは逆でウクライナの方が消化試合数が多く、フランスが11月に2試合残しているのに対し、ウクライナは1試合しか戦うことができない。

■11月13日のカザフスタン戦で勝利すれば予選突破を決めるフランス

 11月を迎える時点のグループDの順位であるが、首位はフランスで勝ち点12、2位は勝ち点9のウクライナである。以下勝ち点8のフィンランド、勝ち点7のボスニア・ヘルツェゴビナ、勝ち点3のカザフスタンと続く。
 11月は13日にフランス-カザフスタン戦とボスニア・ヘルツェゴビナ-フィンランド戦、16日にフィンランド-フランス戦とボスニア・ヘルツェゴビナ-ウクライナ戦が行われる。 フランスは13日のカザフスタン戦で勝利すれば首位を確定、すなわちワールドカップ出場が決まる。

■鉄道の工事のためパルク・デ・プランスに会場を変更

 この予選の最後のホームでの試合、スタッド・ド・フランスで開催する予定であったが、シャルル・ド・ゴール空港とパリ東駅を結ぶCDGエクスプレスの工事のために会場が変更となる。CDGエクスプレスは現行のRERのB線と大部分の線路を強要することになるが、工事のためにRERのB線も運行がストップする。そのため、観客はRERでスタッド・ド・フランスにアクセスできなくなる。フランス協会は代替の会場としてパルク・デ・プランスを選定した。
 11月13日、これは2015年にパリで同時多発テロが発生した日である。その日、スタッド・ド・フランスではフランスとドイツが親善試合を行っていたが、ここもテロリストの標的となった。多くの犠牲者の出たパリにあるパルク・デ・プランスで行われるのである。(続く)

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