第2994回 ワールドカップ組み合わせ決定(1) 第1シードとなったフランス

 平成23年の東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。

■14か国が3月末に出場権を獲得したワールドカップ

 フランスがコートジボワール、南アフリカと親善試合を行った3月末に世界各地でワールドカップ予選が行われた。アフリカの5か国、アジアの2か国、北中米カリブ海の3か国、南米の2か国、欧州の2か国の14か国が出場権を獲得し、本大会に出場する32か国中29か国が決定した。残り3か国は6月に開催されるプレーオフで決定する。
 今回のワールドカップは初めての中東での開催となり、気候面を配意し、11月から12月に開催される。これまでのワールドカップは欧州、南米、北中米カリブ海、アジア、アフリカの各大陸で開催されてきたが、欧州のシーズンオフにあたる6月から7月にかけて行われており、今回は異例の対応となる。日本でも天皇杯を控えた時期に行われることから、これまでにない混乱が予想されるであろう。

■ドーハで行われる組み合わせ抽選会

 そして4月1日には開催国カタールのドーハで組み合わせ抽選会が行われた。フランスからはフランスサッカー連盟のノエル・ルグラエ会長、ディディエ・デシャン監督をはじめとするデレゲーションがドーハに向かった。このデレゲーションがドーハに赴いた理由はワールドカップの抽選会だけではない。ワールドカップ期間中のベースキャンプの下見と決定はチームを預かるデシャン監督にとっては重要な事項である。またルグラエ会長にとっては抽選会の前日から行われるFIFAの第72回総会への出席が最重要事項である。ただ、一般のファンにとってはワールドカップの組み合わせ抽選が最大の関心事項であろう。

■32か国が出場する最後の大会、第1シードから第4シードまでに分けて組み分け

 ワールドカップの本大会出場チームが32に拡大したのは1998年のフランス大会である。それから7大会連続して32か国出場というフォーマットが続いてきた。2026年大会からは本大会出場国数が48に拡大することから、慣れ親しんだこのフォーマットも今回が最後となる。
 組み合わせ抽選は出場国を3月の試合を終えた時点でのFIFAランキングに従って第1シードから第4シードに分けられる。ただし開催国のカタールは第1シードに入り、プレーオフで決定する未定の3か国は第4シードとなる。

■FIFAランキングに従って第1シードから第4シードまでに振り分け

 FIFAランキングで3位のフランスは第1シードであるが、ここで第1シードから第4シードまでを紹介しよう。第1シードは開催国カタール、ブラジル(FIFAランキング1位)、ベルギー(2位)、フランス(3位)、アルゼンチン(4位)、イングランド(5位)、スペイン(7位)、ポルトガル(8位)である、FIFAランキング6位のチームが抜けているが、それは欧州予選のプレーオフで北マケドニアに敗れたイタリアである。
 第2シードはメキシコ(9位)、オランダ(10位)、デンマーク(11位)、ドイツ(12位)、ウルグアイ(13位)、スイス(14位)、米国(15位)、クロアチア(16位)となっている。
 第3シード以下にアジア、アフリカ勢が並ぶ。第3シードはセネガル(20位)、イラン(21位)、日本(23位)、モロッコ(24位)、セルビア(25位)、ポーランド(26位)、韓国(29位)、チュニジア(35位)である。第4シードはカメルーン(37位)、カナダ(38位)、エクアドル(46位)、サウジアラビア(49位)、ガーナ(60位)と3つのプレーオフ組に割り当てられている。ちなみにプレーオフはウクライナ(27位)とスコットランド(39位)の勝者とウェールズ(18位)が対戦した勝者、豪州(42位)とアラブ首長国連邦(68位)の勝者とペルー(22位)が対戦した勝者、コスタリカ(31位)とニュージーランド(101位)の勝者である。
 第1シードのフランスとして避けたいのは、第2シードであれば優勝経験のあるドイツ、第3シードであればアフリカ選手権のチャンピオンであるセネガル、第4シードであれば南米予選で最後までウルグアイと3位争いをして4位になったエクアドルであろう。
 抽選の結果、フランスは前回大会に続き、恵まれた組み合わせとなったのである。(続く)

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