第2995回 ワールドカップ組み合わせ決定(2) デンマーク、チュニジア、プレーオフ勝者と対戦

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■欧州から最大2チームまでが同グループに

 第1シードから第4シードまでに分けられて組み合わせ抽選が行われるが、いくつかの条件の下で抽選が行われる。まず、欧州からは13か国が出場するが、各グループに必ず欧州の国が入り、1つのグループには2か国までしか入らない。すなわち、8つのグループのうち5グループは欧州勢が2か国、3グループは欧州勢が1か国となる。また、それ以外の大陸については同じ大陸のチームは同じグループには入らない。そしてこの組み合わせ抽選の時点で出場国の大陸が定まっていない2つのプレーオフからの枠にも適用される。

■グループDに入り、デンマーク、チュニジアと対戦

 組み合わせ抽選会にはカタール資本のパリサンジェルマンに所属する現役選手であるキリアン・ムバッペの参加も検討されたが、実現せず、歴代のレジェンドが集まって行われた。
 まず抽選は第1シードの8チームから行われる。開催国のカタールがグループAに入ることは決定している。グループAからアルファベット順に日程が消化されるため、決勝トーナメントでの試合間隔も考慮すれば、なるべくAに近いグループに入りたい。ここでフランスはグループDに入り、まずまずのポジションを確保する。
 続いて第2シードの8か国の抽選に移る。フランスの入ったグループDには欧州勢のデンマークが入った。この時点でグループDは欧州2か国が埋まり、第3シードのポーランド、セルビア、第4シードの欧州プレーオフ(ウェールズ、ウクライナ、スコットランド)が同じグループになる可能性はなくなった。
 対戦可能性のある第3シードはアジア、アフリカともそれぞれ3チームとなったが、グループDにはチュニジアが入った。

■アジア5位と南米5位のプレーオフの勝者と対戦

 最後の第4シードは欧州、アフリカ勢以外との対戦となる。また、第4シードにはまだ出場国の大陸が決まっていないところが2つある。アジア5位(アラブ首長国連邦または豪州)と南米5位(ペルー)のプレーオフ勝者、オセアニア(ニュージーランド)と北中米カリブ海4位(コスタリカ)の勝者である。アジア5位と南米5位の勝者については第3シードまでにアジア勢、南米勢が入っていないグループに入ることとなる。その条件を満たすのはグループD(フランス、デンマーク、チュニジア)とグループF(ベルギー、クロアチア、モロッコ)だけとなり、このアジア5位と南米5位の勝者がグループDに入ることになった。
 あたらめて整理するとフランスの所属するグループDはデンマーク、チュニジアとプレーオフの勝者(アラブ首長国連邦、豪州、ペルー)となり、かなり恵まれた組み合わせとなった。デンマークとはワールドカップ、欧州選手権の本大会で顔を合わせることが多く、ワールドカップでは2回(1998年は2-1の勝利、2002年は0-0)、欧州選手権では3回(1984年は1-0の勝利、1992年は1-2の敗戦、2000年は3-0の勝利)対戦している。チュニジアとはこれまで親善試合で4回対戦しており、フランスの2勝2分である。

■日程的にも恵まれたフランス

 そして恵まれた組み合わせというのは対戦相手だけではない。フランスの初戦は開幕翌日の11月22日にアジア5位と南米5位の勝者と初戦を迎え、第2戦は26日にデンマーク、第3戦は30日にチュニジアと対戦する。首位通過の場合は12月4日にグループCの2位と、2位通過の場合は12月3日にグループCの首位と対戦することになる。首位通過すれば、グループリーグ最終戦と決勝トーナメント初戦の間隔が1日長くなる。
 唯一、難点を言えば、決勝トーナメント1回戦の対戦相手であるグループCの最終戦はグループDの最終戦が終わってからキックオフされることである。すなわち、グループCは決勝トーナメント1回戦の対戦相手を選択することも可能である。ちなみにグループCに所属しているチームはシード順にアルゼンチン、メキシコ、ポーランド、サウジアラビアである。
 前回大会は組み合わせに恵まれ、世界の頂点に立った。思い出すのは2002年大会、連覇を期待されたアジアでの本大会でグループリーグ敗退したが、2度目のアジアでの大会、その時の反省を踏まえて、秋の戦いに臨むのである。(この項、終わり)

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