第3612回 ワールドカップ2026年大会の予選開幕(3) 短期決戦の初戦に向けたメンバー発表
平成23年東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨、台風15号、19号、令和2年7月豪雨、令和6年能登半島地震などで被災された皆様に心からお見舞い申し上げます。また、復興活動に従事されている皆様に敬意を表し、被災地域だけではなくすべての日本の皆様に激励の意を表します。
■プレーオフ出場以上が確定しているフランス
フランスにとっては開催9か月前となる9月から始まるワールドカップ予選、フランスは初戦は9月5日にウクライナとアウエー、9日にアイスランドとホームで戦う。グループDはこれ以外にアゼルバイジャンから構成される。
今大会は本大会出場チームが増加し、欧州からも出場枠が13から16へと増加する。これによってプレーオフの方法が変わる。まずグループリーグは12(4チームと5チームが6ずつ)あり、それぞれの首位となった12チームが本大会出場する。残り4チームであるが、プレーオフ経由となる。このプレーオフは16チームで争われ、4チームずつのブロックに分けて準決勝、決勝を行い本大会への4つの座を争う。16チームの構成であるが、各グループで2位になった12チームに加え、グループリーグで3位以下になったチームのうち、UEFAネーションズリーグのリーグ戦で上位になった4チームからなる。すなわち、フランスはUEFAネーションズリーグのリーグ戦でポルトガル、ドイツ、スペインとともに首位になっており、もし、ワールドカップ予選のグループDで3位以下になったとしてもプレーオフには出場できる。
■開幕から最終戦までわずか72日間の短期決戦
ただ、ディディエ・デシャン監督としてはグループ1位となって早期に本大会出場を決め、3度目の優勝を目指して準備に取り掛かりたいところである。来年3月に予定されているプレーオフを経験することなく、最もふさわしい相手との親善試合を行って本大会に臨みたい。
ただ、今回の予選は9月と10月と11月のインターナショナルマッチデーに2試合ずつ行う短期決戦である。グループリーグだけであればわずか72日間である。前回のワールドカップ予選は238日間かかっている。この72日の間に国内リーグ戦だけではなく、多くの選手はチャンピオンズリーグなどの欧州カップのリーグフェーズを戦うことになる。したがって毎回のメンバー招集ではなかなか冒険がしにくい。
■唯一の代表初選出となったマグネス・アクリウシュ
この連戦にデシャン監督が選出したメンバーはGKはマイク・メニャン、ブリス・サンバ、ルカ・シュバリエの3人、DFはルカ・ディーニュ、マロ・グスト、ルカ・エルナンデス、テオ・エルナンデス、イブラヒマ・コナテ、ジュール・クンデ、ウィリアム・サリバ、ダヨ・ウパメカノの9人、MFはデジレ・ドゥエ、マヌ・コネ、アドリアン・ラビオ、オーレリアン・チュアメニ、ケフラン・テュラムの5人、FWはマグネス・アクリウシュ、ブラッドリー・バルコラ、ラヤン・シェルキ、ウスマン・デンベレ、キリアン・ムバッペ、ミカエル・オリーズ、マルクス・テュラムの7人が入った。
6月のUEFAネーションズリーグの準決勝と決勝(3位決定戦)の際には4人の新人が選出されたが、今回はアクリウシュ1人だけとなった。本連載ではしばしば紹介している選手であり、モナコに所属する23歳の選手である。両親はアルジェリア出身、パリ近郊のシャルル・ド・ゴール空港の近くの生まれである。モナコの育成組織に入り、2022年にプロ契約を結んでいる。年代別代表の常連であり、昨年行われたパリオリンピックのチームにも入る。スペインとの決勝戦では途中出場であったが、1点差に迫るゴールを決めている。
この時のオリンピック代表のメンバーのうち、今回のメンバーには、アクリウシュ、コネ、ドゥエ、オリーズ、シェルキと5人が入っている。
■パリサンジェルマンの5人を含み、フランスのクラブから8人が選出
また、今回の23人のメンバーの特徴としてはフランス国内のクラブから8人が入っている。これはパリサンジェルマンから5人(シュバリエ、ルカ・エルナンデス、ドゥエ、バルコラ、デンベレ)が選出されたことが大きい。クラブで世界の頂点にあと一歩届かなかったが、代表チームで世界の頂点を目指すのである。(続く)